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農林水産省

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第4回ロシア極東等農林水産業プラットフォーム会合の概要

議事概要(PDF : 281KB)
日時:平成29年11月30日(木曜日)15:30-17:00
場所:TKP赤坂駅カンファレンスセンター

1. 開会の挨拶
(農林水産省 松島農林水産審議官)
日露企業間で署名されたMOUなどの書類は2016年12月以来100件に達した。そのうち農林水産業関連は2割弱。日露協力における民間企業のご協力に感謝申し上げる。本日は最近の外交上の動きや、ロシア極東における官民ミッションの報告、現在実施中の事業化可能性調査の中間報告、食料産業局の取組について報告する。

2. 議事
(1)最近の日露関係について
(外務省 欧州日露経済室 島室長)
9月に開催された東方経済フォーラムでは、日露首脳会談が行われた他、日露共同投資枠組みの創設のための出資契約及び共同投資契約の署名等が行われた。また、来年5月のサンクトペテルブルグ国際経済フォーラム及びモスクワでの日露相互交流年の開会式に対して安倍総理への招待があった。11月にベトナムのダナンで開催されたAPECでの首脳会談においては、8項目の「協力プラン」が具体化していることを歓迎し、協議を継続していくことで一致。
11月にモスクワで行われた貿易経済に関する日露政府間委員会では、12月にウラジオストクで開催される「日本投資家デー」の機会も念頭に農林水業の発展など極東における協力をさらに進めることで一致。
2018年は日露相互交流年であり、様々な行事を計画している。日露との交流に関する行事を行われる場合には、情報を共有し、お互いに協力して、来年を日露関係も飛躍の年としたい。 

(2)日露共同投資枠組みについて
((株)国際協力銀行 エクイティ・インベストメント部第3ユニット 石川ユニット長)
今般、ウラジオストクで本年9月に開催された東方経済フォーラムの機会を捉えて、ロシア連邦のソブリン・ウェルス・ファンドであるロシア直接投資基金(RDIF)との間で共同投資枠組みを創設。本共同投資枠組みは、株式会社JBIC IG PartnersとRDIFにより管理・運営されるRussia-Japan Investment Fund(RJIF)がRDIFと共同で投資を行う仕組み。本共同投資枠組みの事業規模は日露合計で最大10億米ドル、うちJBICは本ファンドに対して最大5億米ドルを出資予定。本共同投資枠組みを通じて日本企業の対露ビジネス展開を支援することで、日露貿易や対露投資の促進を目指す。
RJIFは2027年8月までの期限付きのファンド。投資可能期間は2022年8月まで。投資対象となるのは8項目の日露経済協力プランに該当するプロジェクト。1案件あたりの投資上限は1億5,000万ドル。8項目の日露経済協力プランに関係するプロジェクトがあれば相談願いたい。 

(3)質疑応答
質問:RJIFによる最低投資額などはあるか。
回答:下限は特段設けていないが、投資案件としての一定の経済性は必要。 

質問:対象投資案件例に「日露間貿易あるいは日本企業からの機器・役務の恒常的な調達を行う企業」とあるが、日本企業からの要請がなくてもRJIFからの投資をするということか、それとも日本企業の要請を以って投資をするのか。また、輸出信用の取決めがあると思うが、当ファンドが抜け道となり他国から批判されるような懸念はないか。
回答:ロシア現地のプロジェクト・企業について、すでに取引が開始されている、もしくは投資によって事業が開始・拡大する事業であれば、それら状況を総合的に勘案してRJIFが投資判断をしていくこととなる。またOECDの輸出信用に関する枠組みへの配慮は認識。 

質問:隈部氏の質問に関連して、RJIFからの融資に最低投資額以外の制限はあるか。例えば、投資先がJVである場合、日本企業の持分比率などに条件はあるか。
回答:当ファンドは投資について柔軟に対応をしていきたいと考えており、具体的な持分比率の基準設定等は特段ない。 

質問:目安となる内部収益率(IRR)はあるか。
回答: 明示的な基準設定はないが、RDIFは中国や中東SWFとも同様の投資枠組みを設けており、その経験から、持続可能な活動とするためにはある程度の経済性は必要との認識をもっている。 

質問:RJIFが投資した企業に対し、JBICが融資を行うことは可能か。
回答:例えばかかる投資先を日本企業が買収する場合の買収ファイナンスや、かかる投資先が日本企業から機器調達等を行う場合の輸出金融等は、その候補となり得る。但し、RJIFとの利益相反が生じるようなケースでは十分な配慮が必要。

(4)今年度のプラットフォームの活動報告
(ア)現況調査の実施
((株)野村総合研究所 グローバルインフラコンサルティング部 石本コンサルタント)
調査対象の農業・畜産業・水産業のうち、農業・畜産業に関する調査の概要を説明。
極東地域における大豆の作付面積はロシア全体の過半を占めている。大豆の生産量は増加しており、極東地域の中ではアムール州が最大の生産地である。また、養豚は、沿海地方、ハバロフスク地方、アムール州の生産量が伸びている。既に大型投資が実施されており、今後も投資額が伸びていくと予想される。また、ロシア極東における人件費などの農業事業に係る費用は、隣国の中国に比べ全般的に低いことから、農業は非常にポテンシャルがあると考えられる。
一方、課題としては、事業環境の改善や、他国企業との競争激化、コールド・チェーンの未整備、高度人材の不足などが挙げられる。

 (イ)国内セミナーの開催(同上)
2017年9月に東京において「ロシア極東における農業・食品加工及び物流関連事業の機会と課題」をテーマに開催。プレゼンターは野村総合研究所 上級コンサルタント井関氏の他、外部プレゼンターとして下記の2名にプレゼンをいただいた。
株式会社日新 国際営業第一部 ロシア・CIS室長 尾関氏
株式会社メロス 代表取締役 小倉氏
井関氏の演題は「ロシア極東TORにおける農業・食品加工関連情報の提供」。極東地域がロシアにおける畜産・畜産製品・大豆の生産量の大半を占めていること、大豆生産には中国系事業者の参入があることを説明した。また、日本企業の参入戦略として、技術指導、加工の高度化、成分抽出による新しい製品の開発等を紹介した。
尾関氏の演題は「ロシア物流の現状と課題」。ロシア物流事業の採算性の問題や、鉄道輸送の際の積替えの必要性、通関にかかる費用などの課題を説明があった。
小倉氏の演題は「ロシア極東の農業・食品加工における投資機会」。事業遂行上の課題として、大豆輸送における割引の継続や、極東における人口・内需減、経済制裁対抗措置としての禁輸などが挙げられた。また、日本企業の事業機会に関する課題としては、ルーブル安や家畜疾病対応、小麦に係る輸出税等が挙げられた。
東ロシアにおける物流やコールド・チェーンに関する課題をテーマにパネルディスカッションも併せて実施した。ディスカッションでは、輸入許可手続きや、コールド・チェーンにかかる課題について指摘があった。

 (ウ)官民ミッションの派遣(同上)
2017年10月に官民ミッションを実施し、沿海地方およびアムール州の現地政府と民間企業を訪問した。現地政府とは官民合同会議をそれぞれ実施し、現地政府・企業のプレゼン及び日本企業のプレゼンなどを実施した。
アムール地方での合同会議では、中国への大豆輸出の状況について、アムール川の架橋が完成すれば露中間のトラック輸送が可能となり、大豆の対中年間輸出量は40万トンとなる見通しである(2017年22万トン)との情報が提供された。対日輸出については、大豆の海運拠点である沿海地方のザルビノ港に穀物ターミナルの建設計画がある。実現すればロシア極東で最大の出荷施設となる。
民間企業訪問においては、各社の対日輸出・日本企業との提携のプランや希望について説明を受け、設備を見学した。また、アムール州では全ロシア大豆研究所および極東農業総合大学を訪問し、意見交換を行った。

 (エ)事業化可能性調査の実施
【沿海地方・ハンカ湖周辺地域の稲作】
((株)道銀地域総合研究所 地域戦略研究部 内山技術顧問)
沿海地方政府の政策としては、農業の近代化・生産性向上を目指し、(ア)施設・機械導入に対する補助制度、(イ)借入資金に対する利子補給制度、(ウ)新型経済特区制度の3本柱で投資を進めている。
一部の大規模法人を除き、機械の老朽化が進んでいる。また、灌漑システムも施設の老朽化が課題であるが、対応は国営の管理会社任せとなっている。
現地の稲作企業が抱える課題としては、1つ目は収量の豊凶差が激しいこと、2つ目は米の価格変動が大きいこと、3つ目は外部資本による一部の経営を除き、老朽化した施設機械の更新が必要とのことである。
【園芸作物生産】(同上加賀屋事業部長)
ロシアでは夏の短期間しか野菜の栽培ができないため、国内消費分の大半を海外からの輸入に依存する。2016年に日本企業10社が参画して試験温室施設をサハ共和国ヤクーツク市に設置した。採算性を検討したところ、10年ほどで回収が可能であると想定された。また光熱費の値下げや補助金制度等の活用により、輸入野菜にも十分競合可能である。また、補助金制度等の活用により、輸入野菜にも十分競合可能である。
温室施設の需要についてロシアの行政機関にヒアリングを行ったところ、前向きな反応を得られた。一方で留意点として、モスクワ州周辺地域・ロシア南西部では温室施設は飽和状態にあること、欧露部ではロシア国内との競合関係となると情報提供を受けた。
極寒地域に対応した温室建設技術や栽培技術の導入により、サハ共和国をはじめとするロシア極東の極寒地域におけるキュウリやトマト、将来的には葉物野菜等の栽培は事業化の可能性がある。将来的には日本品種の登録・栽培の実現とそれに伴う栽培技術の導入に事業化の可能性があるだろう。欧露部では事業化可能性はハードルが高いものの、富裕層向けの高付加価値作物の栽培において、日本の技術協力支援の可能性は検討できる。

(5)「中堅・中小企業分野における協力のためのプラットフォーム」における食関連の取組等について
(農林水産省 食料産業局得田企画課長)
ロシアは世界銀行が発表した各国におけるビジネスのしやすさランキングで、日本に次いで35位。世界12位の経済規模。親日的な国でもあり、ロシアは新たな進出先市場として拡大が期待。
食料産業局では、食関連事業者を対象にロシアのマーケティング拠点における試験販売等を実施。試験事業は、引き続き行う予定なので、是非参加を検討いただきたい。

 (6)黄金の秋2017(ロシア農業博覧会)について
(農林水産省 大臣官房 国際部 海外投資・協力グループ長 佐藤参事官)
黄金の秋は毎年秋に開催されるロシア最大の農業博覧会である。ロシア自治体や民間企業が商品をPRする場となっている。ロシア側から、2018年の日本企業の出展要望が寄せられた。開催時期は未定であるが、順次情報提供する。

(7)日本ロシア極東農業ビジネスフォーラム2018について
(農林水産省 大臣官房 国際部 海外投資・協力グループ長 佐藤参事官)
2018年は千葉大学柏の葉キャンパスにおいて開催予定。今回のテーマは施設園芸、人工光型植物工場、温室ビジネス、薬用植物、種子、食品加工、流通等を予定している。

(8)質疑応答
質問:沿海地方稲作の課題に関し、土壌診断はされているのか。
回答:現地の研究所の検査を以って、参入の判断材料としている。

質問:栽培途上の管理ITのニーズは現地にあるか。
回答:現地には作物の育成状況を管理できるようなIT技術は導入されていない。現地企業へのヒアリングによると、コストに見合った設備でないと導入しづらいとのこ
とだった。

質問:日本のコメ作りにみられるような、品質の向上のニーズはあるか。
回答:米の品質については、カーシャ等で煮たり、バターを混ぜるといった食べ方が主流であり、米の粘りや香りが求められることはなく、タンパク、アミロース等の
成分分析はされていない。

質問:農業投資にはどのような規制があるか。例えばJV等の規制はあるか。 
回答:農地の場合はJVの出資比率により規制がある。その他の規制については詳細を確認し、個別にお答えする。

 3. 閉会

(農林水産省 大臣官房 国際部 海外投資・協力グループ長 佐藤参事官)
  最後に、本日は在日ロシア通商代表部経済部の皆様にもお越しいただいているので、来月開催されるロシア・ガストロ・ウィークに関しまして、ご案内いただきたい。
(クラソフスカヤ在日ロシア通商代表部)
  12月6日に開催するロシア・ガストロ・ウィークはロシア輸出センターによる主催で、ロシアの食品・食材メーカー、サプライヤーが参加する。日露の企業のネットワーク形成、ビジネスマッチング、歓迎レセプションを開催する予定。皆さんの参加を心待ちにしている。

                                                                                                                                                  以上


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