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農林水産省

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枠組み合意の概要

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附属書A    農業でモダリティを確立するための枠組み

1.前文

  • 農業交渉の現在の段階の出発点は、ドーハ閣僚宣言のマンデート。これは、根本的改革のプログラムを通じた、公正で市場指向型の貿易体制の構築という農業協定の長期目標にも盛り込まれている。以下の要素は、交渉のこの時点で求められる追加的精密さと、次の段階における完全なモダリティに向けた交渉の基礎を提供。ドーハ・マンデートに規定された野心の水準は、引き続き農業交渉のベースとなる。
  • 最終的なバランスは、これら一連の交渉の決着時に一括受諾の下でのみ見いだされる。このバランスを達成するため、今後検討されるモダリティは、途上国に対する特別かつ異なる待遇のための、運用上効果的で意味ある規定を含む必要。農業は、途上国の経済成長に決定的に重要であり、途上国がその開発目標、貧困削減戦略、食料安全保障及び生計に関する関心を支援する農業政策を追求しうる必要。ドーハ宣言で言及されている非貿易的関心事項が考慮される必要。
  • 3分野全ての改革は、相互に関連した全体を構成しており、バランスのとれた、公平な手法で対処される必要。
  • 一定数の国にとっての綿花の重要性及び途上国、特にLDC諸国にとっての重大な重要性を認識。農業交渉の中で野心的、迅速、かつ具体的に対処。農業委員会特別会合は、他の分野別イニシアティブとは分離して、綿花問題の適切な優先順位付けを確保。綿花に関する小委員会は、定期的に会合を開催し、農業委員会特別会合に報告。作業は、ドーハ宣言及び本枠組み文書において特定されている、全ての3分野において綿花分野に影響を与える全ての貿易歪曲的施策を含む。

2.国内支持

  • 全体的削減:階層方式
    ・総合AMS、デミニミス及び青の政策から成る全ての貿易歪曲的支持の合計は、階層方式に従って削減。
    ・より大きな水準の貿易歪曲的措置を有する加盟国がより大きな削減を行う。そのような加盟国の貿易歪曲的支持の合計は、実施期間の初年度及び実施期間を通じて、総合AMS、デミニミス及び別途定める青の政策の合計の80%を超えないものとする。
  • 総合AMSの最終約束水準:階層方式
    ・総合AMSの最終約束水準は、階層方式により、実質的に削減。
    ・大きな総合AMSを有する加盟国は、より大きな削減。
    ・異なるボックス間の単なる移動による農業協定の目的の迂回防止のため、品目別AMSの上限を、今後合意される方法に従って平均水準に設定。
    ・総合AMSの実質的な削減は、一部の産品特定的な支持の削減という結果をもたらす。
  • デミニミス
    ・デミニミスの削減は、特別かつ異なる待遇を考慮して交渉。ほとんどのデミニミスを自給的農家・資源不足の農家に配分している途上国は削減から除外。
  • 青の政策
    ・農業改革の促進に果たす青の政策の役割を認識。このような観点から、青の政策の要件は、次のような措置を使えるよう再検討される。
            -生産調整の下での直接支払については、一定の面積支払等の要件。
            -生産が求められない直接支払については、一定の面積支払等の要件。
    ・青の政策が黄色の政策よりも貿易歪曲性が低いことを確保するために、追加的な要件及び上記の要件を交渉する。
    ・青の政策は、過去の期間の農業総生産額の平均の5%を超えない水準とする。
  • 緑の政策
    ・緑の政策の基準は、貿易歪曲的な影響又は生産に対する影響が全くないか又はあるとしても最小限であることを確保する観点から再検証及び明確化。この再検証及び明確化においては、緑の政策の基本的な概念、原則及び効果が維持され、非貿易的関心事項が考慮される必要。

3.輸出競争

  • ある確かな期日までに、全ての輸出補助金の並行的な撤廃及び全ての輸出措置に対する同等の効果を持つ規律を確保する詳細なモダリティを確立することに合意。
  • 撤廃期限
    ・以下は、今後合意される期限までに撤廃。 
            - 輸出補助金 
            -償還期間が180日を超える輸出信用、輸出保証等。 
            -償還期間が180日以下の輸出信用、輸出保証等については、今後合意される規律に適合しないもの。
                 (その規律には、利子の支払、最低利率、最低プレミアム及び補助金を構成する又は貿易を歪曲するその他の要素を含む。) 
            -国家貿易企業に関する貿易歪曲的行為(輸出国家貿易企業に対する又は輸出国家貿易企業による輸出補助金、
                 政府支出及び損失補償を含む)。輸出独占権の今後の使用に関する問題はさらなる交渉。 
            -食料援助を商業貿易の代替を防止する観点から、今後合意される運用上効果的な規律に服さない食料援助。
                 加盟国による食料援助の実施に関する国際機関の役割は、交渉で対処。
                 完全に無償形態のみの食料援助を供与することに関する問題も、交渉で対処。
    ・上記に関する透明性に関する効果的な規定を確立する。ただし、商業的な秘密への配慮と矛盾しないものとする。

4.市場アクセス

  • 単一のアプローチ:階層方式
    ・先進国及び途上国に対する単一のアプローチとし、関税削減は階層方式による。
    ・関税削減は、譲許税率からの削減。
    ・各加盟国(LDC諸国を除く)が貢献。運用上効果的な特別かつ異なる待遇は、全ての要素の不可欠な一部。
    ・関税削減は、センシティブ品目に対する柔軟性を認めつつ、高関税ほど大幅な削減を行うことにより達成。市場アクセスの実質的改善は、全ての品目に関して達成。
    ・階層の数、階層の決め方及び各階層内における関税削減方式は、今後の交渉の対象。
    ・センシティブ品目の異なる扱いを認める階層方式の下での上限関税の役割については、更に評価されよう。
  • センシティブ品目の選択
    ・階層方式の全体的目的を阻害することなく、これらの品目に関する現行の約束を考慮しつつ、センシティブとして取り扱われるタリフラインについて、今後の交渉によって決められる適切な数を指定し得る。
  • センシティブ品目の扱い
    「(市場アクセスの)実質的な改善」の原則は、各品目に適用。
    「(市場アクセスの)実質的な改善」は、各品目に適用される関税割当約束及び関税削減の組合せを通じて達成される。しかしながら、この交渉におけるバランスは、最終的な交渉結果が、当該品目のセンシティビティをも反映している場合にのみ達成し得る。
    全てのそのような品目に関し、何らかの関税割当の拡大が要求される。今後の交渉において、一貫性と公平性を考慮して、そのような拡大のためのベースがつくられる。階層方式の目的を阻害しないために、全てのそのような品目に関し、関税方式からの乖離を考慮して今後交渉される特定のルールに基づき関税割当を拡大。

5.その他の要素

  • 加盟国、特に途上加盟国が関税割当による市場アクセス機会から十分に裨益するよう、枠内税率の削減又は撤廃及び既存の関税割当に関する関税割当運用の運用上効果的な改善。
  • 今後合意される方式によるタリフエスカレーションへの対応。
  • 関税の簡素化の問題は、今後の交渉の対象。
  • 農業の特別セーフガード(SSG)の問題は、今後の交渉の対象。

6.途上国のための特別かつ異なる待遇

  • 途上国のセンシティブ品目の選択及び取扱いは、交渉において確立。
  • 途上国は、適切な数の品目を特別品目(SP)として指定する柔軟性を有する。
  • これらの品目は、より柔軟な扱いを受けることができる。これらの品目の基準と扱いは、交渉段階で更に特定され、途上国にとっての特別品目の根本的な重要性を認識する。
  • 特別セーフガード措置(SSM)は、途上国の利用のために確立される。
  • 特恵マージンの重要性は、十分に認識。特恵マージンの浸食の問題に対処。

7.後発開発途上国(LDC)

  • 後発開発途上国は、特別かつ異なる待遇の全てが適用され、削減約束を求められない。
  • 先進国及び一部の途上国は、LDC諸国由来の品目に対する無税無枠アクセスを提供すべきである。
  • 3分野における綿花関係の作業は、LDC諸国にとっての本セクターがもつ重要性を反映する。我々は、迅速に野心的な成果を達成すべく作業する。

8.新規加盟国

  • 新規加盟国の特別の関心事項は、特定の柔軟性の規定を通じて効果的に対処。

9.その他の論点

  • 合意されていない論点は、セクター別イニシアティブ、差別的輸出税、地理的表示。
    ・農業協定12条における輸出の禁止及び制限に関する規律は、強化。

附属書B    非農産品市場アクセス交渉のモダリティを確立するための枠組み

この枠組みは、市場アクセス交渉グループによるモダリティに関する将来の作業のための最初の要素を含んでいる。これらの要素のいくつかに関する個々の事項について合意に達するための更なる交渉が必要である。これらの要素は、関税の削減方式、パラグラフ5の第2インデントの非譲許品目の扱いについての課題、途上国である参加国への柔軟性、分野別関税撤廃等の参加の課題、及び特恵に関するものである。モダリティを完成させるため、交渉グループは、ドーハ閣僚宣言パラグラフ16及びそこでの全体的なバランスと整合的な方法でこれらの問題に迅速に取り組むよう指示されている。

1.関税削減方式

  • 個別品目ごとに適用される定率でない関税削減方式に関する作業を継続。
    ・削減対象品目は、事前に例外を設けない、包括的なものであるべき。
    ・関税削減は譲許税率からの引下げとする。ただし、非譲許品目については実行税率の[2]倍からの引下げとする。
    ・ウルグアイ・ラウンド以降にWTOの最恵国待遇で関税が譲許されたことを条件に、途上国の自主的自由化に対し、一定の配慮を与える。
    ・従量税については、別途決定される方法で、従価税に換算し、従価税で譲許する。
    ・譲許率が[35]%以下の国には関税削減方式による引下げを求めず、[100]%譲許を求める。譲許する際には、平均関税率が途上国の譲許品目の平均関税率となるよう求める。

2.分野別関税撤廃・調和

  • 分野別関税撤廃・調和はドーハ閣僚宣言の目的を達成するためのもう一つの鍵となる要素であると認識。特に途上国の輸出関心品目を考慮し、すべての加盟国の参加が重要であると認識。産品の範囲、参加及び途上国についての柔軟性を定義することを視野に入れて議論を継続。

3.途上国配慮

  • 途上国に対して、より長い実施期間の適用を認める。各国の品目数及び輸入額の[10]%の範囲内で、関税削減方式による引下げ幅の半分以上引き下げるか、または例外として、各国の品目数及び輸入額の[5]%の範囲内で非譲許維持又は関税削減方式の不適用を認める。ただし、関税分類の一つの類各分野(HS2桁)全体を除外してはならない。

4.後発開発途上国配慮

  • 後発開発途上国に対しては、関税削減方式の適用、分野別関税撤廃への参加を求めないが、譲許率の実質的な向上を求める。
  • 後発開発途上国の多角的貿易体制への統合の観点から、[・・・]年までに先進国及び一部途上国が後発開発途上国産品に対する無税無枠措置を自発的に付与することを呼び掛け。

5.補完的モダリティ

  • 分野別関税相互撤廃、分野別関税相互調和、国別品目別交渉方式等の補完的モダリティの可能性を検討。
  • 先進国及びその他の希望する国は低関税の撤廃についても検討。

6.非関税障壁

  • 非関税障壁が交渉の不可欠な部分であることを認識。すべての加盟国が2004年10月31日までに非関税障壁の通報を行うことを促す。
  • 非関税障壁に関するモダリティは、国別品目別方式、分野横断方式、分野別方式等を含む。非関税障壁についても、途上国に対する何らかの特別かつ異なる待遇を十分に考慮する。

7.特恵の侵食、関税収入への高依存

  • 特恵に依存している国や関税収入への依存が高い国が、交渉の結果として直面する問題について、交渉の中で考慮する。

8.環境物品

  • 貿易と環境委員会特別会合と協力して環境物品の問題を検討。


(注)従来のジラール前議長モダリティ要素案(改訂版)は交渉グループの今後の作業の参考。

(以上)

お問い合わせ先

大臣官房国際部国際経済課WTO等交渉チーム
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