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農林水産省

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WTO農業交渉等における今後の対応方針

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WTO農業交渉は、7月の枠組み合意に向けて、各国の議論が正念場を迎えている。

この交渉に当たっては、我が国は、各国の異なる生産条件の中でも農業の存立基盤を維持できるよう、「多様な農業の共存」を基本理念とし、食料安全保障や国土保全機能など農業の有する多面的機能を含む非貿易的関心事項などに配慮した現実的かつ柔軟性のある貿易ルールの確立を求めてきた。

我が国はウルグァイ・ラウンド合意後、水田農業をはじめとし、累次の農政改革を推進してきたところであり、今後もこの改革努力を続けていく考えである。今次交渉は、我が国を含めた各国の農政改革が継続的に推進することが可能となるものでなければならない。

したがって、7月に加盟国が合意を目指す枠組みは、各国の農政改革の継続を可能とし、非貿易的関心事項など各国のセンシティビティに適切に対処することができる柔軟性を確保されることが不可欠であり、これらを通じて「多様な農業の共存」が可能となる貿易ルール確立を可能とするものでなければならない。

1.市場アクセス

関税削減方式、関税割当制度の見直しなどを含む市場アクセス分野の規律については、ドーハ閣僚宣言の「実質的なアクセスの改善」を図りつつ、加盟国各々固有のセンシティビティに十分配慮した位置づけが確保されれば、我が国は、全体として積極的かつ柔軟に対応していく用意がある。

また、島しょ国など途上国の輸出機会の確保に配慮し、加盟国間の負担の公平を図るべきである。

(1)関税削減方式については、農業の有する多面的機能を含む非貿易的関心事項など各国が抱えるセンシティビティへの対応が可能となるよう、これらに適切に配慮された柔軟性が確保できる現実的なものとなるべきである。

(2)特に、各国の農業をめぐる条件の違いを無視し、全ての関税について一定の上限を設ける上限関税は導入されるべきではない。

(3)関税割当制度による市場アクセス改善については、加盟国間の負担の公平を図る観点から適切に行われるべきである。特に、全ての品目について、関税割当の一律拡大義務付けは、我が国などの輸入国に対して過大な負担を課すものであり、導入されるべきではない。

(4)島しょ国など途上国の先進国への輸出を促進し、これらの国の経済発展を支援する観点から、特恵マージンの確保に配慮するほか、関税割当の検討に当たっては、その枠の一部を途上国に振り向けることを検討するべきである。

2.国内支持

各国の農政改革努力を適切に反映し、改革の継続性を推進しうるものとするべきである。その中で、貿易歪曲的な国内支持の大幅削減を目指すべきである。

我が国は、引き続き、貿易歪曲性のより少ない政策への転換を進めていく。

(1)貿易歪曲性の強い政策はより大幅に削減されるべきである。黄色の政策は、大幅に削減されるべきである。特に、主要な輸出国の主な輸出品目に対する黄の政策は、より大幅に削減すべきである。

(2)青の政策については、貿易歪曲性を更に抑制するよう、その規律をより強化しつつ、円滑な農政改革の継続の観点から、その枠組みを適切に維持していくべきである。

(3)今後の農政改革などにおいて、非貿易的関心事項に適切に対処するために極めて重要な政策である緑の政策は、貿易歪曲性のないか又は極めて少ない政策であることから、その透明性の確保を図るとともに原則として現行の規律を維持すべきである。

3.輸出補助金

全ての形態の輸出奨励措置の段階的撤廃を目指すことを定めたドーハ閣僚宣言が適切に履行され、最も貿易歪曲的である輸出奨励措置全般を撤廃するなどの規律が強化されるべきである。

(1)輸出補助金について撤廃していくべきである。その際、全ての形態の輸出奨励措置(輸出補助金、輸出信用、輸出国家貿易、食料援助)についても、同等の規律を課すべきである。

(2)食料援助に関しても、我が国は、輸出補助金の迂回防止の観点から、その規律強化を議論する用意がある。

4.非農産品交渉への取り組み

非農産品交渉については、地球規模の環境問題及び有限天然資源の持続的利用の観点への適切な配慮を求めるなど、これまでの主張を基本的考え方として交渉に臨んでいくべきである。

(1)関税格差を是正しつつ、我が国の林水産物の事情に対する配慮ができる限り可能となるよう最大限の努力を行うべきである。

(2)林水産物を分野別関税撤廃等の対象とすることは不適切であり、対象とすべきではない。

お問い合わせ先

大臣官房国際部国際経済課WTO等交渉チーム
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