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農林水産省

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WTO一般理事会の結果概要(2004年7月27日~31日)

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平成16年7月
農林水産省

  1. 日時等    7月27日(火曜日)~31日(土曜日)    於:スイス・ジュネーブ
  2. 参加国    147か国・地域

我が国からの出席者:亀井農林水産大臣、中川経済産業大臣、木下農林水産審議官、日下経済産業審議官、藤崎外務審議官、山崎国際貿易・経済担当大使、村上財務省大臣官房参事官ほか

(注)他国からの閣僚出席者は、ゼーリック通商代表(米国)、フィシュラー農業委員、ラミー貿易委員(EU)、ミッチェル農相、ピーターソン貿易相(カナダ)、ダイス大統領兼経済大臣(スイス)、ペターシェン外相(ノルウェー)、ヴェイル貿易相(豪州)、サットン農業・貿易交渉相(ニュージーランド)、アモリン外相(ブラジル)、ナート商工相(インド)、カタリ貿易相(モーリシャス)ほか

  1. 交渉分野
    [1]農業、[2]非農産品市場アクセス、[3]開発、[4]シンガポール・イシュー等
  2. 枠組み合意の概要

1.農業

(1)国内支持

[1]貿易歪曲的国内支持の全体的削減

  • AMS、デミニミス及び青の政策からなる貿易歪曲的国内支持の合計は、階層方式に従って削減。
  • 貿易歪曲的国内支持の合計は、実施期間の初年度において20%削減。
    (注)我が国のAMSの水準は、URの最終約束水準の約18%。

[2]AMSの削減

  • AMSの最終約束水準は、階層方式に従って実質的に削減。
  • 品目別AMSの上限については、今後合意される方法による平均水準として設定。

[3]デミニミスの削減

  • デミニミスの削減は、途上国に関する特別かつ異なる待遇に配慮しつつ協議される

[4]青の政策

  • 青の政策の基準は、次のような措置を使えるよう再検討。
    (a)生産調整の下での直接支払については、固定された面積に基づく支払いである等の要件
    (b)生産が求められない直接支払については、固定された面積に基づく支払いである等の要件
  • これらの要件については、追加的な要件とともに、今後交渉される。
  • 過去の期間における農業総生産額の平均の5%を上限とする。

[5]緑の政策

  • 緑の政策の基準は、貿易歪曲性がないか又は最小限であることを確保する観点から再検証、明確化。この場合において、緑の政策の基本的な概念、原則及び効果が維持され、非貿易的関心事項が考慮されることが必要。

(2)輸出競争

[1]輸出補助金の今後合意される期限までの撤廃。

[2]輸出信用に対する規律

  • 償還期間180日を超える輸出信用等を今後合意される期限までに撤廃。
  • 償還期間180日以下の輸出信用等に対する規律には、利子の支払、最低利率等の要素を含み、今後更に交渉。

[3]輸出国家貿易企業に対する規律

  • 国家貿易企業に関する貿易歪曲的行為を今後合意される期限までに撤廃。
  • 輸出独占権の問題は、更なる交渉対象。

[4]食料援助に対する規律

  • 食料援助の商業貿易代替防止の観点から、今後合意される運用上効果的な規律を課す。
  • 国際機関の役割は交渉で対処。
  • 完全無償化の問題も交渉で対処。

(3)市場アクセス

[1]階層方式

  • 関税削減方式は、先進国・途上国に対する単一のアプローチとし、階層方式による。削減は譲許税率から行う。
  • 関税削減は、センシティブ品目に対する柔軟性を認めつつ、高関税ほどより大幅な削減。
  • 階層の数・決め方、各階層内の関税削減方式は、今後の交渉対象。

[2]上限関税

  • センシティブ品目の異なる扱いを認める階層方式の下での上限関税の役割については、更に評価されよう。

[3]センシティブ品目の選択

  • センシティブとして取り扱われる関税品目としては、関税割当約束その他の現行の約束を考慮しつつ、今後の交渉によって決められる適切な数を指定。

[4]センシティブ品目の扱い

  • 市場アクセスの実質的な改善は、各品目に適用される関税割当約束と関税削減の組合せを通じて達成。しかしながら、交渉におけるバランスは、最終的な結果が当該品目のセンシティビティをも反映している場合にのみ達成し得る。
  • すべてのそのような品目に関し、何らかの関税割当拡大が要求される。今後の交渉において、一貫性と公平性を考慮して、拡大のための基準が作られる。

[5]農業の特別セーフガード(SSG)の問題は、今後の交渉対象。

(4)その他の論点

[1]今後対応すべき論点は、分野別イニシアティブ、差別的輸出税、地理的表示。
[2]輸出禁止・制限に関する規律は強化。

2.非農産品市場アクセス

(1)枠組みの位置付け

非農産品市場アクセス交渉に関するこの枠組みは、モダリティに関する将来作業のための当初の要素を包含。これらの要素のいくつかの個別事項について、合意に達するための更なる交渉が必要。

(2)関税削減方式

個別品目ごとに適用される定率でない関税削減方式に関する作業を継続。

(3)分野別関税撤廃・調和

特に途上国の輸出関心品目を考慮し、すべての加盟国の参加が重要であると認識。産品の範囲、参加及び途上国についての柔軟性を定義することを視野に入れて議論を継続。

(4)非関税障壁

  • 非関税障壁が交渉の不可欠な部分であることを認識。
  • 非関税障壁に関するモダリティは、国別品目別方式、分野横断方式、分野別方式等を含む。
  • すべての加盟国が2004年10月31日までに非関税障壁の通報を行なうことを促す。

(注)非農産品市場アクセス交渉の枠組みは、デルベス・テキストの付属書B(非農産品市場アクセス部分)の冒頭に(1)を挿入したもの。

3.WTO香港閣僚会議の開催時期

WTO香港閣僚会議の2005年12月開催が決定。

以上