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農林水産省

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全国消費者団体連絡会と谷津農林水産大臣、中川昭一議員との意見交換会の概要

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【日時】平成13年2月19日(月曜日)14時00分~15時30分

【場所】消団連会議室

【出席者】

(消団連)伊藤康江(消費科学連合会副会長)、甲斐麗子(主婦連副会長)、横山(主婦連)蓮尾隆子(家庭栄養研究会代表)、石川廣(日本生活協同組合連合会・組織推進本部長)、中野勲(日本生活協同組合連合会・組合員活動部事務局)、山浦康明(日本消費者連盟・副代表)、大沢寿二(JA全国女性協議会・事務局)、日和佐信子(消団連事務局長)、有田芳子、加藤雅代(消団連・事務局)

(自民党)中川昭一議員、吉田、花井(政調)

(農林水産省)谷津農林水産大臣、村上国際部長、内藤品質課長、中里(農林水産省)

【概要】

村上国際部長より、以下の事項について説明

  1. 農業提案の概要(骨子)
  2. WTO農業委員会特別会合の結果について
  3.  これまでにWTOに提出された各国の提案の概要
  4. 当面の主要国際会議関係日程
  5. 野菜をめぐる最近の状況
  6. 野菜等の一般セーフガード問題をめぐる状況

(参考資料)

  • WTO農業交渉日本提案パンフレット
  • 食品品質表示の早わかり
  • 遺伝子組み換え食品の表示パンフレット

 

意見交換の概要については以下のとおり。

(谷津大臣)国際部長から説明があったと思うが、12月21日にWTOに農業提案を提出し、2月5~7日にジュネーブで説明を行ったところ。また、12月22日にはセーフガードの調査に踏み切った。先日、EUのラミー委員が来日した際、予定時間を延長してまで熱心に意見交換を行ったが、その中で私より狂牛病に関する我が国の措置、EU、スイス、リヒテンシュタインからの肉骨粉等の輸入規制等についても話しておいた。農水省は、安全、安心して食べられる食料を安定的に消費者に供給することが使命。更にいえば、国民の健康を食の面からサポートしていくことが大事だと考えている。

また、1月6日の省庁再編に伴い、各省とも新しい審議会を設置しているが、自分としては女性の参画を促進するべく、省内にも指示しているところ。皆さんも農水省の審議会の委員に依頼された時は、断らずよろしくお願いします。

(中川議員)皆さんとは何度かお話しさせていただいているが、農政には消費者サイドの意見、国民合意が最も大事と従来から言っている。国際論調を見てみると、今後は水と食料が戦争の原因になるかもしれないとさえいわれている。我が国も安閑としていられない。持続的な農業を促進し、自給率を高めていかなければならないと考えている。今後も消費者の皆さんとはより一層連携していきたいと考えているのでよろしく。

(消団連)韓国と野菜についての二国間協議を行っているとのことだが、昨夜のNHKスペシャルを見ても、有機農産物について、韓国の政府は非常に支援しているのに、我が国はほとんどしていないのでないか。

(谷津大臣)韓国との協議はセーフガードの発動に関連して行っているもの。しかし昨夜のNHKのアジア農産物に関する番組を見て、韓国などがいかに国家戦略として野菜生産・輸出をやっているかが解った。その一方、日本人の嗜好に関する研究も熱心で営農指導にも力を入れている。我が国はここで負けているのでないか。担当局長にJAの営農指導、流通の見直しをするようにと指示している。また、種子業者から話を聞いているが、種も我が国から商社が持ちだしたものとのこと。こんな企業秘密を持ち出すとは、あまりに哲学がない。我が国が(韓国等に)対抗できないものではないと思うが、日本は韓国などと較べるとあまりにだらけている印象。

(消団連)多面的機能について提案に盛り込まれたのは評価。しかし、今後その定義付けをしっかりしていく必要があろう。また、多面的機能を掲げるならば有機農業の振興も各国に示していかないと理解されない。URの検証についても食料の国間の不平等など、もっと実例を挙げて示すべき。食品の安全性については、農水省は予算面から見てもバイオを推進しており、GMイネも研究し作っている。GMOに関するポジションも米国とEUの中間をとっているが、EUと共闘できるようにもっとEU寄りのポジションをとるべきでないか。

(谷津大臣)EUとは連携して行くが、多面的機能の定義についても、実はEU加盟国内でも動物愛護が入ったりとそれぞれ違う所がある。しかし、我が国でも定義付けが進められており、学術会議にも諮問したところ。このことをEUに伝えたらとても評価された。

有機農業については、地力の回復には有機肥料を与えなければならないのだが、広大な米国農地では無理でも我が国やEUでは出来ると考えている。ところが問題はリサイクル法によって、コンポストに助成し有機肥料を作れる仕組みがあるのだが、農家が使ってくれないのだ。有機農産物の市場での位置付けもいまだ曖昧なところがある。ここは生産者や消費者の理解や協力を得たいところ。

(消団連)韓国は有機農産物の規格を我が国の有機農産物の規格と全く同じにすると言っている。そうなった場合、我々もどちらを買うかは価格で判断するしかなくなってくる。このことについてどのように思うか。

(谷津大臣)これはまだ私見だが、各国と価格で勝負するとなれば、それでも我が国の農家経営が成り立って行けるようにしていかないといけない。それには所得補償が役に立つと考えており、検討を進めているところ。

GMOについては、イネはめどが立ったので、今後はムギが重要な課題。我が国のムギではパンも作れない。やはりバイオはバイオで進めて進めていかなければならない。一方で実用化に当たっては安全性は安全性で慎重に対応していく。

(消団連)有機農産物の表示が制度化されたのは評価。今後は減農薬農産物の基準についても進めてもらいたい。有機農家への補助についてもインフラだけでなく、例えば消費者と有機農家の交流なども効果があるので支援して欲しい。

(谷津大臣)消費者と農政は両輪、もっと言えば共生の関係。私は農業者側には「作り易いものを作るのでなく、もっと消費者の食べたいものを作らないと駄目だ」と厳しく言っている。その一方で消費者の方にも作る側のことをもっと考えて欲しいと思っている。日本では有機農業を集団化しないと無理ではないか。減農薬農産物の基準についても現在検討しているところ。この基準作りには是非消費者も入って頂きたい。

(消団連)今はガイドラインでやっているが、そういうものではこれまでと同じだと思う。もっと法的規制のあるものが必要。

(消団連)大臣はJAが商売ばかりやっている、とおっしゃっていたが、彼らは農薬を売ることも大事な商売。基準値を作るときもそのことに影響されるのでないか。安全性が確保される方法を是非お願いしたい。

(ここで谷津大臣は、国会により退室)

(消団連)私たちが産直を始めたのは、おいしいというよりも、第一にはこのままでは土地が疲弊するからという理由。これからも生産者の顔の見える透明性を確保した生産・流通が必要。

(中川議員)産直も今ではメール一つで商品が届くなど随分手軽になっている。もっと手軽にスーパーで買う場合はどれくらいの情報が得られるのか。これからも対面販売的なものは残していかないといけない。消費者、農家、行政のいづれもメリットのある流通は何かを考えないといけない。それは大臣や役所がいくら力んでも駄目で消費者との連携が一番重要。

また、GMOの技術は進めていかなければならないが、これをどう利用していくのか、あるいはいかないのかという問題については慎重に対応すべきだろう。EU型では予防原則的になってしまう。日本は中間を選んだのではなく、米国のように科学的根拠ばかり追求するのでもなく、消費者の不安も考慮して国民の意見を聞いた結果、現在のポジションになった。

(消団連)GMイネの商品化には消費者は不安に思っている。日本の国民をモルモットにしてはならない。最終消費者の気持ち、「安心」の部分を重視して政策を進めていって欲しい。

(中川議員)心情的には理解できる。国の責任として国民に安全な食品を保証するのは当然であり、決して人体をモルモットにするようなことはできない。

(内藤課長)GM農産物の安全性に関しては、事前に十分調査することになっており、現在の体制が確立した。心理的な面から不安があることに対しては、欲しくない人が買わなくて良いように表示を制度化した。表示方法はEUとほぼ同じで、加工後組み換えDNAやタンパク質が残るものとしている。EUは実施に必要な詳細な規則がまだできていない部分があり、実施しているといえるかと思っている。

(消団連)安全性確保のプロセスが問題。上の方で決めて情報が公開されていない。科学的に同等であれば安全性は確保されるとされた仕組みを公開してないのでないか。

(内藤課長)表示の制度化に当たっては、中川元大臣の時に、懇談会の議論も行っていたが、その審議過程も全て公開・公表し、パブリック・コメントも求めた。

(消団連)コーデックスの会議については、農水省がボランティアで会議内容を教えてくれているが、今度のアドホック会合の事前会議は、安全性評価を決める我々が一番関心のある会議であるにも関わらず、農水省が後押ししてくれても厚生労働省はテクニカル・アドバイザーとして「消費者」を入れてくれない。できればテクニカル・アドバイザーとして参加したい。このことは我々からも厚生労働省にお願いするが、やはり、大臣や政治家の方からも厚生労働省によく言っていただかないと実現しない。

(中川議員)我々もできることは協力するが、このことは、(役所側から)大臣にも良く伝えておくこと。

(消団連)技術会議が行った「GMOのコンセンサス会議」の報告書の中にも、結局は政府などが発信している情報が一般の市民には伝わっていないということが問題と指摘されている。一般市民への情報伝達のアプローチ方法を考えるべき。

(中川議員)役所では、できる限り情報を発信しているが、宣伝力に限界がある。逆にどうしてくれと、あなた達からはっきり言って欲しい。

(消団連)韓国の農産物と安全性が同じなら、我々はできるだけ安いものを選びたくなってしまう。中国の労働賃金は日本の60分の1でコメなどは1500円/60kgでできるとのこと。これに我が国の農業者が対抗するのはどだい無理でないか。政策として価格で対抗させるにはやはり、国民からも文句を言われない方法で、所得保障をすべきでないか。

セーフガードについても、消費者の8割がその言葉を知らなかった。意味を説明してからも、セーフガードを認める人は全体の8%、やむを得ないという人が30%強、必要ないとする人が30%程度だった。セーフガードは消費者にはそれほど関心がない。生産者のためだけではないのということをよく宣伝すべき。

(消団連)セーフガードを発動しても、その間に在庫を処分するだけと聞いている。(生産者にとっても)余り効果は無いのでないか。今回、伝家の宝刀を抜いてセーフガードを発動しようとした本当の意義は何か。

(村上部長)確かにセーフガードの効果には限界があり、構造問題は構造問題で別途対応が必要。

(中川議員)役所が言えるのはここまでだろう。今回の農業提案には特別なセーフガードを農業協定に作ることを提案している。緊急的に大量に農産物が入ってくる、しかしこのままでは数年後の我が国農業はどうなるのだろうと考えたときに自動発動できる新たなセーフガードが必要になってくる。一方、米国は、バード法という、政府がダンピングと認定した輸入製品に課す関税を、被害を受けた企業に救済金として分配する法案を成立させている。これは、WTOルールに違反すると我が国やEUが提訴しているが、とんでもない法案である。そういう無茶苦茶に対して、日本はきちんとWTOルールを守ってきたが、もう黙っていられない、ということを示したのが今回のセーフガードである。伝家の宝刀を抜いたところに意義がある。これまで日本がやらなかったことをやっているのだ。なんとかしたいという意気込みである。是非消費者の皆さんにも見守っていただきたい。

(消団連)本日はお忙しいところを谷津大臣、中川議員、そして農水省の村上部長、内藤課長においで頂いた。ありがとうございます。今後もこのような意見交換を定期的にお願いしたい。

(以上)

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