このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

WTO農業交渉日本提案山形説明会の概要

  • 印刷

日時:3月6日(火曜日)  13時30分~16時00分

場所:協同の杜(山形市)

出席者:
(山形県)県、市町村、市町村農業委員会、農協、関係団体等  約300名
(農水省)牛草総合食料局国際部国際経済課課長補佐、渡辺同課係長、江野山形統計情報事務所長、鎌田同次長、
                  西塚同企画情報課長、秋葉東北農政局企画調整部企画調整課総括企画官

質疑応答

Q:「多様な農業の共存」というが、認定農業者の中でも後継者が十分確保できない状況にあり、認定農業者への支援を強化してほしい。また、このような施策がWTOで否定されないようにして欲しい。

A:(農政局より回答)農政局としても、認定農業者に対する支援の方向を検討しているところ。コメへの依存度が高い東北地方の農家経営が苦しいことや、個々の農家への個別の補助の要望があることは農政局としても認識している。国が個別の補助を行うことは難しいが、各県でも独自の施策を検討しているところ。また、国レベルでは、経営体に着目した経営所得安定対策についての検討を進めているところであり、先日も東北農政局管内で意見交換の場を設けて意見を伺ったところ。今次提案で「緑」の政策の要件見直しを提案しているのは、これも見込んだ上でのことである。

Q:農業協定20条に基づく交渉であることは理解するが、「日本農業は死んでしまえ」との交渉をやっているのではないかとの懸念がある。日本農業が生き残れるような交渉をして欲しい。また、国内施策の検討を行っても、WTOで否定されてしまうのではないか。

A:提案は、日本農業が将来にわたって生き残ることを念頭に主張を展開しており、「多様な農業の共存」とは、まさにそのことを指している。また、今後の政策展開に当たって重要な事項を確保すべく提案しており、先ほどご説明した「緑」の政策に関する提案もその一環である。

Q:UR合意での細川総理の深夜の発表のことを思い出すと、今でも腹立たしい。[1]韓国/中国からの野菜や果実の輸入攻勢に関して、セーフガードの提案は是非頑張って欲しい。また、このような輸入には日本の商社が積極的に関与しているとの話を聞くが、これに対してどのように対応するのか。加えて、中古の農業機械を商社が東南アジア等に輸出して、これがこれらの国からの日本への農産物輸出促進につながっていると聞くが、どうか。このような中で、「途上国への配慮」を主張するのはなぜか。[2]アクセス数量に関する提案について、削減や全廃が可能なのか、感触はどうか。

A:[1]セーフガードの新たな提案については、是非各国の理解が得られるよう頑張っていきたい。商社の活動については、残念ながら、現在のWTO協定の下では、規制できないのが現実である。途上国への配慮については、ルールが出来れば途上国もこれを守るのが基本であるが、特に、自国の食料需要を賄えないような途上国には、彼らの食料安全保障の観点から、配慮が必要ではないかと提案しており、また、国際的な備蓄についても提案している。ケアンズ諸国とフレンズ諸国が、WTOの4分の3を占める途上国をどれだけ味方につけることが出来るかが交渉の一つのポイントとなっており、これも見据えた提案となっている。

[2]まだ個別の事項について詳細な議論は行われていないが、ケアンズ諸国や米国はアクセス数量の大幅拡大を主張し、2月会合でも、本件に係る日本の主張に対し後ろ向きであるとの批判を行うなど、基本的立場の違いは大きい。交渉は、現在、相撲で言えば「塩を撒いている」状況であり、今後、UR合意の改善すべき制度的問題として粘り強く主張していきたい。

Q:[1]セーフガードに関して、現在政府調査中の3品目については、是非発動して、日本としての姿勢を見せて欲しい。また、米国や韓国では、普段から多くの人員を割いて輸入動向を調査し、セーフガード発動に備えていると聞くが、日本の体制は十分なのか。[2]企業の経済活動は止められないというが、企業を生かして農民を殺せということか。農水省としての姿勢・意気込みを見せて欲しい。

A:[1]3品目については現在まさに鋭意調査中。体制については、統計情報部の膨大な人数が調査に当たっている。また、今回の調査決定までの経緯も踏まえ、3品目以外に今後調査の可能性がある品目を含め、計14品目について監視体制を整備したところ。

[2]企業の経済活動については、そのような問題があることは認識しているが、現在のWTO協定では規制は困難であることを申し上げた。

Q:多面的機能の重視というが、これは当たり前のことである。多面的機能を守るためには、これを担う農民を守ることが不可欠であるが、この点について提案は十分な記述が無く、自己矛盾しているのではないか。また、それに気づいていないとすれば、「軽薄」と言われても仕方ないのではないか。農業交渉は、米国政府の戦略のひとつに過ぎず、これにのるべきではない。アクセス数量は、1%でも多すぎる。

A:御説明したとおり、多面的機能の重視は、日本提案の中心的な要素。我々にとっては当たり前であるかも知れないが、WTO加盟国の中には、そう考えていない国々があることから、提案の中で大きく取り上げている。昨年7月には、他の多面的機能フレンズ国と共催で、「非貿易的関心事項に関する会議」を開催し、40か国の参加を得るなど、我々の考えの理解を求める活動を行っている。

農民を守らなければ多面的機能を維持できないことは、まさにそのとおりであり、この点で、更に日本の主張として改善すべき点があれば、是非ご提案いただきたい。本日のような機会に、腹を割って話し合っていくことが、今次交渉をより良いものにしていくことに繋がっていくと思う。1点だけ申し上げれば、本提案は、昨年1年間かけて国民各層の方々と広く意見交換を行い、これを踏まえながら農水省全体が知恵を絞って作成したものであり、自分の説明不足に対する批判は甘受するが、提案自体を「軽薄」と言うのは、極めて心外である。

Q:アクセス数量が現在7.2%であるのは、UR交渉時の判断ミスであり、結局、そのミスを農民に押し付けているのではないか。今後、交渉が3年間かかるとすれば、その間、この7.2%を続けろということか。まずは、5%に戻した上で交渉を行うのが筋ではないか。5%とした場合,WTO上、制裁があるのか。

A:現在、WTO上7.2%のアクセス機会を約束しており、これを無視して5%のアクセス機会しか供与しなければ、輸出国からパネルに訴えられ、7.2%に戻せとか代償を払えといった展開となる。それを覚悟してでも5%に戻した上で交渉を行うべきといった議論は省内ではなかったが、本日そのような御意見もあったことは報告したい。

(以上)

お問い合わせ先

大臣官房国際部国際政策課対外政策調整室
ダイヤルイン:03-3591-0758
FAX:03-5512-7652