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農林水産省

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WTO農業交渉日本提案説明会の概要(島根県)

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  1. 日時:平成13年3月7日(水曜日)14時00分~16時00分
  2. 場所:島根県民会館  305会議室
  3. 出席者
        農林水産省:大坪国際経済課補佐、近藤係長、石井係長 
        出席者:農業団体、島根県職員等  約30名
  4. 概要
    大坪補佐から、[1]WTO農業交渉日本提案、[2]WTO農業委員会特別会合の結果について、[3]当面の主要国際関係日程、[4]「農産物貿易に関する世論調査」のポイントについて説明を行った後、意見交換を行った。意見交換の概要は以下のとおり。

 

(農協)セーフガードについては、3品目が政府調査に入っているが、ひきつづき他の品目についても調査は行われるのか。また、政府調査の他に、2国間協議も始まっていると聞いている。2国間協議となると、WTO協定に則ったものではないと思うが、どのような意図で行っているのか。

最後に一点、WTO加盟国は140ヶ国ということだが、最終の合意は多数決で決定されるのか。もし多数決であるのならば、米国など大国の主張ばかり気にする必要はないのではないか。

(大坪)セーフガードについては、ねぎ、生しいたけ、畳表について調査を開始したところ。また、他品目については、監視対象品目を設けて情報収集をする等、モニタリング体制の整備も行っている。調査を行っている3品目については、セーフガードを発動することになるかは予断を許さない状況である。WTO協定上、輸入の急増により国内産業に重大な損害又はその恐れが生じていること等を証明しなければならない。パネルに提訴されても「クロ」とされないよう、きっちり調査しなければならない。

また、「多数決」のご質問だが、WTO協定上では3分の2以上の多数で決定できることになっているが、今まで多数決が行われたことはない。加盟国によるコンセンサス方式がとられている。140ヶ国の加盟国の1票は等しく1票であるが、加盟国の中でも普段発言する国は限られている。しかし、シアトル閣僚会議の時のように途上国がまとまると大変な力をもつ。そのような中で、通常議論をリードしているのは、日、米、EUの三極とその他の先進国に加え、豪、NZ、カナダ、アルゼンチンのようなケアンズ諸国、インド、エジプト、メキシコ等の大きな途上国というのが現状である。

あと日韓等2ヶ国間協議の話であるが、2ヶ国間協議はWTO協定上での話ではない。現実の貿易状況をベースにお互いの事情を理解することは重要であり、円満な貿易関係を形成していくよう両国で情報交換をしていくということである。今後とも引き続き話をしていくこととなる。

(農協)自由貿易体制の中で、外国から輸入を否定することはできないと思う。先日もテレビの放送で見たが、韓国の野菜の輸出戦略による輸出の増大は実態として防げないのではないか。そのような中で、重要になってくるのは表示の問題である。表示制度があるが、流通現場では守られていないケースもあり、キッチリやってほしい。

(大坪)消費者の選択の基準となる表示については、農水省も重要と考えている。また、世論の結果でも国産農産物を求めている国民が多いが、しっかりとした表示は国内の農業者のためにもなると考えている。各地での「WTO意見を聞く会」においても表示の話はよく取り上げられた。国際的な場においてはCODEXで議論をしているが、今回の日本提案でも、「消費者が安心して食品に関する選択を行うため、輸入国産品を問わず適切な表示による情報提供を行う体制を構築する。」としている。表示の問題については、担当部局によく伝えたい。

(農協)農家として腹立たしいのは、生産調整を行っている一方でMA米を輸入している点である。多面的機能を主張するに当たり、日本提案では何故「コメ」を前面に出して主張しないのか。もし、交渉で「MA拡大」となったらつっぱねることはできるのか。また、最近の米価暴落については、どのように考えているのか。

(大坪)コメは我が国農業の基礎となる産品であるし、多面的機能の観点からも重要である。ただし、我が国が「コメ」の特殊性を主張すれば、それは日本だけの問題でしょうということになってしまうので、140ヶ国でのルールづくりをするWTOの提案にあたってはできるだけ各国との連携がとれるような表現にしてある。提案中にはコメとして1項目設けているわけではいが、輸出国には輸出しない自由がある一方、輸入国にはそれが認められていないという基本的問題があることを主張した上で、多面的機能の発揮、食料安全保障を考慮せずに一定量のアクセス機会の提供を義務づけるシステムは、世界的な不作時にも国内で余剰のある日本が国際市場から買い上げなければならず、食料不足の途上国に影響を及ぼすなど基本的な問題があると主張している。その上で、品目毎の柔軟性を持たせるとか、最新の消費動向を勘案して基準年(86-88)を改めるとか、関税化の特例措置の代償を見直すとかいった形で更なる要素を盛り込んでいる。このような主張を交渉の中で頑張ってしていく。「つっぱねられるか」はあくまで結果であり、今は「頑張って主張する」としか言えない。

米価の下落については、厳しい状況にあると理解している。国際的な視点から見れば、依然コメは内外価格差が相当あることは事実であるが、輸入米については食糧庁が国内需給に影響を与えない形で運用している。しかし、国内的には消費量が落ちているという現実もある。コメについては価格支持制度はなくなったので、今後については稲作経営安定対策など、農家の経営安定という面からの検討を行っている。

(農協)漬け物やカット野菜などの加工品についての表示をちゃんと指導して欲しい。また、産地を守るため価格支持を行って欲しい。現在の国内支持のルールでは出来ないのか。

(大坪)表示の制度運用については、担当部局にしっかり伝える。野菜の価格支持については、昔のコメや乳価のようにするのは難しい。我々としては、農家がイキイキと育っていってほしい。今すぐ政策変更というわけではないが、今後、品目横断的な経営安定対策が議論されることとなる。

(県)国内農産物の消費拡大、「地産地消」の対策みたいなものを実施するとすれば、「緑」、「青」、「黄」の何処に入るのか。

(大坪)WTO協定ではマーケティング補助金は「緑」だが、もし国産品を買うときだけに支払われるような補助金は「黄」になろう。支払いの制度・要件を1つ1つを見ないと何とも言えない。

(県)今のような事を何故聞いたかというと、この交渉は各国間で大変な鬩ぎ合いになると考えられ、最終的な段階では各国の主張をある程度受け入れないといけなくなるのではないか。このような状況の中では、国境措置とかではなく、消費者が国産品を選択することを通してしか国産農産物の消費拡大や農家を育てることができないのではないか。国として「地産地消」対策をやっていかないといけない。ぜひ、その点を検討して下さい。

(大坪)「地産地消」の対策についてはどのようなものが出来るかは分からないが、お互い色々な知恵を出しあってやっていきたい。

(農協)セーフガードの調査のスケジュールは?

(大坪)政府調査の日程については、3月22日までに利害関係者からの証拠の提出等の機会を設けるとともに政府による実態調査を行い、その後4月27日まで、提出された証拠の閲覧をするとともに利害関係者の意見表明の機会を設けることとしている。最終的な判断が何時になるのかは、まだ分からないとしか言えない。

(農協)副大臣が仰られた暫定発動については、どうでしょうか。

(大坪)何とも言えないが、暫定発動は一層の厳格な証拠に基づく検証が必要であるという事実がある。

(農協)各県の市町村などからセーフガード発動の意見書が提出されてきていると思うが、どのように受けとめているのか。

(大坪)全国で約790件の意見書が出てきていると聞いており、それについては重く受けとめ、しっかりと作業を行っている。また、調査は農水省だけが行うものではないので、財務省、経産省とも協力しながら対応している。いずれにしろルールに基づいての調査をしっかりやっている。

(農協)WTO交渉は終わるまで、結果は分からない。逆に我々農業団体に対する要望はないか。

(大坪)全中や県中は、外国の農業団体であるファーマーズ・ユニオンやCOPAと意見交換をするなど、連携を図っている。また、先日もタイで農業者の会議を行い、共同宣言を出すなど積極的な動きもしている。

基本的に米国やケアンズも各国の業界の主張をベースにで交渉を行っている。それぞれの国の業界が「やめてくれ」と言うことは政府は主張しない。それは、日本も同じである。そのような観点から、是非各国の農業者同士の連携を深めていって、各国の農業者から各国政府に突き上げさせてほしい。

また、国内的に見れば、国民全体の支持なしでは強い主張はできない。消費者などの信頼を得て、「日本の農業を守らないといけない」という機運が高まらないと難しいので、是非消費者の信頼を得るような努力をお願いしたい。

(農協)一つお願いがある。先日新聞で見たが、セーフガードの発動については、チェーンストア連盟が反対の決議を出した。そのような主張が出てくると、国家の戦略としてセーフガードの発動を検討しているのではないのではと疑われる恐れがある。その辺の行司役も行政でやってほしい。

また、政府公報等の情報提供も積極的に行ってほしい。

(大坪)意見を自由に言うことを政府が止めることはできない。だからこそ、消費者の信頼を確固たるものとすべく、農業界は頑張ってほしい。結局は消費者との信頼関係だと思う。情報提供については努力したい。農業団体も努力をお願いしたい。

(県)セーフガード、検疫、原産地表示など輸入農産物に対する措置は幾つかある。輸入農産物の中には、何日か経っているのに虫もつかなくて安全性はどうかなと思われるものもある。是非、検疫制度についてもシッカリと頼みます。

(大坪)一層、努力していきたい。

(以上)

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