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資源保全施策政策提案会

  日時 平成18年3月8日(水曜日)13時30分~15時35分

(1)提案者

上田知子 高知県農家民宿「いちょうの樹」

岡田 眞 長崎県 国営東萩田工区菜の花まつり実行委員長

佐藤昭一 山形県 家根合生態系保全活動センター理事

高木健一 岐阜県 (有)サンフレッシュ海津代表取締役

立原英夫 岡山県 (有)わきあいあい代表取締役

西原是良 東京都 大学生

怒留湯誓 熊本県 元教員

萩原さとみ 埼玉県 かあちゃん塾ファーム・インさぎ山

山下仁次 石川県 白山市相川新町町内会長

(2)農林水産省出席者

高嶺 彰 農村振興局整備部地域整備課長

青山卓二 農村振興局整備部設計課事業調整管理官

高居和弘 農村振興局企画部事業計画課地域計画企画官

村岡 宏 農村振興局整備部地域整備課課長補佐

安岡澄人 生産局農産振興課環境保全型農業対策室課長補佐

木下幸弘 大臣官房地方課地方農政指導官

農林水産省からの趣旨、施策説明

今回は、全国各地で資源保全の取り組みをいろいろな形でやっている方々や関心のある方々が集まっているので、こういう機会で現場の取り組み状況や日ごろ考えていることを提案なり意見をいただき、今後の施策に反映させたい。

現在、都市化・混住化が進んでいる状況下で、集落機能が低下し、施設の保全管理活動が脆弱化してきているという課題。また、これからは新しくつくるということよりも、今ある施設をしっかり守っていくことに施策を転換していく必要があるという生産資源からの課題。それから、農村の自然環境や景観の保全・形成等に対する国民の期待、要請にこたえていく必要があるという環境資源からの課題。これら3つの課題に対してこたえるにはいろいろな施策を組み合わせるのはもちろん前提であるが、そのうちの1つの施策として、大きなウエイトを占める地域共同による農地・水・農村環境の保全向上活動を促進し、その結果、将来にわたる資源の良好な状態での保全管理を図ることを後押ししていくことが必要。
平成18年度は全国 600地区で地域共同による農地・水・農村環境の保全向上活動を支援し、施策の実効性を検証した上で19年度からの導入に向けていきたい。

意見交換 ~一部紹介~

 

(佐藤氏)地元では、子供や孫の将来を考え、メダカを救うSOS作戦などを展開してきた。自然環境と資源保全に配慮しながら地域の方々が個人の土地を一部提供し、水生動植物の保全箇所を作るなど、地域住民総参加による活動を行っている。NPOを立ち上げたが、企業や関係機関からの支援についてはまだ成果を上げていない。このような活動への支援を期待したい。
(上田氏)中山間地域にはまとまった農地を持っている人は少ない。また、若い人がいない。非常に厳しい地域である。農村の資源を守る前に、まず人作りが必要。全国一律の施策ではなく、それぞれの地域の特色が反映できる施策にしてもらいたい。
(怒留湯氏)昔、地下水の吸い上げや里山の荒廃で、湧き水が枯れたことがあった。そこで地域の皆でホタル水路を作ったり、里山を共同で守ったりするなど、環境を意識した取組を行ったところ、湧き水が戻った。町では里山条例を作り、みんなが取り組んでいる。

(萩原氏)地元では昔は鷺が沢山いたが、昭和47年以降一羽もきていない。農薬や国道整備も原因の一つだろうが、最大の原因は減反政策により、えさ場がなくなったこと。今回の施策を見ると30年経ってやっと環境に意識がいくようになってきたと感じた。都市農業に対する山林のあり方、里山のあり方というような自然環境を残す政策に取り組んでほしい。

(高嶺課長)資源保全施策の19年度導入に向けて本日の意見を参考にしながら、その仕組みをできるだけ地方に委ねるような形で考えていきたい。自然環境を残す政策について、農林水産省の施策が少しずつ環境に配慮した取り組みに変わってきており、例えば三面張りの水路を一部土水路にするなど、地域での議論を踏まえ決定していく仕組みを徐々に取り入れている。

(山下氏)施設の老朽化が進んでいる。幹線水路などは土地改良区が管理し、小さな水路や農道の路肩などは農業者がやっているがなかなか追いつかない。営農組合も高齢化により人手が少なくなっている。水路の江ざらいを誰がやるのか町内会で議論しても意見が分かれる。土地持ち非農家のうち過去に農業をしていた人は参加する気はあるが、若い人は農地を貸し出しているので自分たちまでやる必要はないと考えている。土地の所有者にも責任の一端はあるということで、今説得に当たっているところ。景観に配慮し水路沿いに桜やケヤキを植え、老人たちで草刈りをして憩いの場にしている。畦に芝桜を植えている農家もいる。畦に除草剤を使うと見た目が悪く、景観保全にならない。施策ではこうした活動に支援してもらいたい。

(岡田氏)補助事業が受けられない谷間の農地はほ場整備ができず耕作放棄されているところもあるが、用水確保のために下流側の者が管理しなければならない状況。小さいほ場は置いていかれる一方であり悪循環。何らかの対策が必要。
(高嶺課長)人がいない、若い人も出てこないといった状況の中で、いかに地域住民も含めてみんなで農地・水等の資源を守っていく仕組みをつくるかが課題であり、地域ごとの取り組みの知恵を借りたい。

(立原氏)中山間地域の環境資源を農業者だけに任せるには限界がある。棚田トラスト運動とか市民農園は結構いっぱいで、町の人を田舎に呼ぶということを本気で考える必要がある。「地産地消」など食農教育を進めて、生産者と消費者を分けずにみんなが生産者になるという意識、「自産自消」というような運動で皆が農業について考えるようになれば、有機栽培の大根が298円でも高いとは言われなくなるはず。

(萩原氏)食育は農業体験から。農家が農地を無償で貸し出し、中学生が農作業を手伝うことで、双方がボランティアとして参加するシステムを作っている。体験した子供たちは食べ残しがなくなり、作物を給食に使い、残渣はコンポスト化して還元してもらっている。都市部でも中間山村でも地域によって循環型農業のやり方はいっぱいある。こうした循環のシステムが全国で必要。若い担い手づくりの農業の応援団も小さいときから携わることによって増えてくる。

(怒留湯氏)阿蘇の景観は牛の放牧で形成・維持されてきたが、放牧数の減少や高齢化により厳しくなってきた。今、思い切って発想を変え、野焼きをボランティアで行うことで現在の景観を維持している。ボランティアはきついばかりでなく、そこにある喜びを子供の時期から体験させていくことが重要。

(西原氏)小学生に体験農業をさせたところ、親から「子供が変わった」との声をよく聞く。蛙やとんぼが生息する環境は、都会にあっては貴重。疏水百選は良い取組だが、画一的な側面も。市町村合併で小字が消える中、小字の名前などの背後にある個々の地域の歴史を大事にする取組ができないか。資源保全施策のイメージでは、環境資源に対する取組が抽象的。活動を行った結果どうなるのかを見るべき。まずは現状の把握が重要であり、労力がかかるということであれば、地域の学生を活用する手もある。

(高木氏)自分自身が担い手なので、担い手である以上、農地や農業用水路等の資源である社会共通資本は守っていかねばならないという責任感がある。農村に限らず日本全体が少子高齢化している。この施策は、非農家を含めて道徳心を植え付けるのか、それとも担い手だけで何とかするしくみにするのか。皆が社会共通資本を地域で守っていくような施策にしてもらいたい。

(高居企画官) 疏水百選を担当しているが、資源保全施策と合わせてきれいな水など、農業者だけで守りきれないものをどうするかが課題。

(村岡補佐)いろいろな取り組みができるよう施策に柔軟性を持たせたい。

(怒留湯氏)農産物の自給力向上の取り組みに対し、海外で日本のニーズに合った野菜を生産する動きが心配。

(安岡補佐)資源保全施策と一体的な施策として、地域でまとまった環境保全型農業の先進的な取り組みを推進する対策を導入。調査によると消費者の8~9割は減農薬や有機の農産物を買うなど、食の安全・安心に対するニーズが高い。例えば、野菜では、外食や中食向けの野菜の需要が増加しており、この分野で輸入が増加していることからシェアを奪回するため、戦略的な国産対応に取り組んでいる。

(上田氏)いくら環境に配慮した農業をやっても高いと売れない。地域の資源を守っていこうとする意識は、前から皆持っている。国がやるべきことはむしろ、環境に優しい農業でつくった農産物が売れるような施策が必要ではないか。

 

閉会の挨拶(高嶺課長)

今日は実際活動しているみなさんから話を聞き、地域の厳しい状況を改めて認識。農業が行われているから農地や水資源があり、多面的機能が発揮されている。資源保全施策がみなさんの取り組みに役立つものになるようにしたい。本日はありがとうございました。

 

お問い合わせ先

農村振興局整備部農地資源課農地・水保全管理室
ダイヤルイン:03-6744-2447

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