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かんがい排水事業

概要

かんがい排水事業は、農業生産の基礎となる水利条件を整備(農業用水の確保、農業用水の適期・適量供給、排水改良)し、水利用の安定と合理化を図るとともに、農業生産条件の整備の根幹をなすものであり、ほ場整備等の前提となるもので、土地改良法第2条第2項第1号の規定による「農業用用排水施設」の新設、管理、廃止または変更を行う事業です。

事業内容としては、用排水施設を新設または再編整理し、地域に適した水利、排水システムを確立するために、用水対策としてダム、頭首工、用排水機場、用水路等を、排水対策として排水機上、排水樋門、排水路等の整備を行います。

なお、これらの施設は原則として10年に1回程度の干ばつあるいは洪水に対応できる能力をもつよう計画されています。

かんがい排水事業の模式図
かんがい排水事業の模式図

複雑な用水系統の再編成の状況

(事業前   1地区当たり)
井堰 42ヶ所
自然取水 11ヶ所
ため池 279ヶ所
用水機 141ヶ所
その他 24ヶ所
497ヶ所
(事業後   1地区当たり)
ダム 0.6ヶ所
取水工 0.4ヶ所
頭首工 3.9ヶ所
自然取水 0.2ヶ所
ため池 5.0ヶ所
用水機 5.0ヶ所
その他 0.1ヶ所
15.2ヶ所
注)取水施設1地区当たりヶ所数は、47地区を対象とした調査結果による。(水田が60%以上を占める用排水地区。)の平均で示す。

 

主要施設の構成イメージ
主要施設の構成イメージ

 

ダム 農業用ダム

農業用水の取水を効率的に行うため河川をせき止め、用水の貯水・調節をする施設

頭首工 頭首工

湖沼、河川などから用水路へ必要な用水を引き入れるための施設。(普通、取水位を調節するための取水堰と、取れいれ口及びその付帯施設から構成される)

排水機場 排水機場

ほ場内の湛水防止のため、流入水を危害なく地区外に排水する設備を有する施設

 排水機場イメージ図

排水模式図

用水機場 用水機場

かんがいのための用水をポンプで送水する施設を有する施設

調整池・ファームボンド 調整池・ファームポンド

農業用水を安定供給するための貯水施設

排水路 用・排水路
排水路・用水路イメージ図
パイプライン
水路トンネル

 

A.事業の仕組み

かんがい排水事業では受益の規模に応じて水利施設体系を区分し、、市町村、土地改良区等が分担して事業を行っています。

標準的な要件(農林水産省)
  受益面積(ha以上) 末端支配面積(haまで)
国営事業 3,000(1,000) 500(100)
都道府県営事業 200(100) 100(20)
基盤整備促進事業(参考) 5

( )書きは畑の場合、但し、国営事業の受益面積については、
現に農業用用排水施設の利益を受けていない畑に限る。

 

なお、国営事業においては、地区の実情を勘案し、上記末端支配面積に満たない施設についても、農業水利制御システム、畑地におけるファームポンド等に限り事業の対象とすることができます(ファームポンド等とは、ファームポンドまたは、定量・定圧で配水することができる施設をいいます。)

国営事業イメージ図


B.土地改良事業の効果

土地改良事業のすべての効用がそのすべての費用をつぐなうこと及び農業者の負担がその負担能力の限度を超えることとならないこととされており、この要件を満たしているか否かの判断を行うために事業の経済効果を測定しています。

経済効果の算定項目の体系図(PDF:127KB)

C.かんがい排水事業の効果

1.直接的効果

  1. 作物生産効果
    [1]生産物増収効果
    安定した用水の供給、排水条件の改善により、干害、湛水被害及び、寒冷地等における冷水被害・凍霜害を防止するとともに、用排水の改良により作物が増収する効果です。
    [2]品質向上効果
    用水改良により生産された作物の品質が向上し、生産物の単価が上昇することに伴う効果です。
  2. 営農経費節減効果
    用水改良により営農技術体系、経営規模等が変化する事に伴って作物生産に要する費用が節減される効果です。
  3. 維持管理費節減効果
    用排水施設の改良等により老朽化施設等の維持管理に要する費用が節減される効果です。
  4. 更新効果
    更新事業等においても旧施設の機能が更新されることに伴って、従前の農業生産が維持される効果です。
  5. 廃用損失額
    更新事業等により耐用年数内の施設を廃用する場合の損失額をマイナス効果として評価します。


作物生産効果の内訳と工種との関係(PDF:268KB)


2.間接的効果
かんがい排水事業は、農政上極めて重要な使命を担っていると同時に、住みやすく活力ある農村社会を建設すると共に、国土の調和ある発展に寄与しています。

  1. 広域的地域排水効果
    混住化が進んだ農村地域では農地排水のみならず周辺の非農業的土地利用の排水を受け持つこととなり、地域全体に排水の効果が及びます。
    [1]非農業施設等の洪水被害を防止します。
    [2]不可避的に取り込まれる市街化区域等の土地資産価格が増加する等の効果が発生します。 
  2. 河川流況の改善効果
    ダムの築造は、農業用水源の開発と確保を図るとともに、かんがいを通じて河川水のかん養や洪水の防御等河川流況の改善、安定化に貢献します。
    [1]治水効果
    農業用水を確保するために開発された利水ダムであっても、その利用過程では洪水期間に一定の空容量を有しています。この空容量は、洪水時に河川流況をカットする機能を有し、下流の洪水被害軽減に寄与します。
    [2]河川流況安定効果
    農業用ダムで開発された用水は、農業用水として放流され、渇水期の河川流量を安定させます。さらに、河川から取水された農業用水は一部河川に還元され、再び河川水として農業用水、工業用水、上水道に利用されます。
  3. 地域環境の保全効果
    本事業で実施されたダムや水路等の農業用用排水施設は、さらに、農業用水が水路を流れることによって豊かな水辺の環境を作りだし、農村景観を形成するとともに、地域住民に憩いの場を提供しています。
    洪水防止機能 3兆4,988億円/年

    治水ダムを代替材として評価(代替法)

    河川流状安定機能 1兆4,633億円/年 利水ダムを代替材として評価(代替法)
    地下水涵養機能 537億円/年 水道料金と地下水の格差によって評価(直接法)
    土壌浸食(流出)防止機能 3,318億円/年 砂防ダムを代替材として評価(代替法)
    土砂崩壊防止機能 4,782億円/年 耕作により防止されている被害額により評価(直接法)
    有機性廃棄物処理機能 123億円/年 最終処分場を代替材として評価(代替法)
    機構緩和機能 87億円/年 冷房料金の節減額により評価(直接法)
    保険休養・やすらぎ機能 2兆3,758億円/年 都市部の世帯による旅行等に対する家計支出額により評価(代替法)

    注1:保険休養・やすらぎ機能については、機能のごく一部の試算であることに留意する必要がある。

    注2:農業の有する機能は、評価に用いられた代替法の機能とは性格の異なる面があること等に留意する必要がある。

    資料:日本学術会議「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について(答申)」(平成13年)
    三菱総合研究所「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価に関する調査研究報告書」(平成13年)


    水田面積と洪水被害の推移(埼玉県越谷市の事例)
    洪水被害事例
    阿蘇の地下水

国が行うかんがい排水事業 

A.国営かんがい排水事業

農業生産の基礎となるダム、頭首工、用排水機場、幹線用排水路等の農業用用排水施設の整備(新設、廃止又は変更)を行う事業です。

かんがい排水事業

農業用用排水施設の新設、廃止又は変更を行う事業です。



平成17年度実施地区数

農林水産省 北海道 離島 沖縄 奄美
70 51 2 5 2 130
注)1.農林水産省には国営農業用水再編対策事業(2地区)を含む。
       2.北海道には畑地帯総合土地改良パイロット事業(3地区)を含む。
       3.施設機能監視及び休止地区を除く。

 

 

令第49条第1項(採択基準)及び令第52条(国庫負担率)

区分 国庫負担率

5,000(畑2,000)haかつ有効貯水量7,000(畑2,000)千m3以上のダム、5,000(畑2,000)ha以上の頭首工、排水機場、排水樋門

(但し、特殊土じょう地帯の畑においては、
1,000(畑)ha以上かつ有効貯水量1,000(畑)千m3以上のダム、1,000(畑)ha以上の頭首工)

10分の7
共同ダム 3分の2
端末ファームボンド 2分の1
上記以外の施設 3分の2
注)北海道、離島、沖縄、奄美においては令第49条第3項に基づき地積の特例を告示

 

平成17年度実施中地区の事業内容 水田地域の国営かんがい排水事業の新規整備と
更新整備の推移
事業内容円グラフ  

新規整備と更新整備の推移

国営造成土地改良施設整備事業

過去に国営土地改良事業により造成された基幹施設の維持補修を行う事業です。

直轄明渠排水事業

畑地体を中心に排水路の整備を行う事業です。

内水排除事業

石川川下流左岸地域のみを対象とし、洪水時における農用地の湛水の排除を目的として、排水機場の新設・改修を行う事業です。



B.国営農業用水再編対策事業

近年、都市化の進展や水田の減反の定着化に伴い、水田面積が大きく減少している一方で、新たな農業用水(畑地かんがい、施設園芸)、地域用水(環境、消流雪)及び農村生活用水等の確保が新たに求められています。また、水需要のひっ迫した水系においては、都市用水等への転用の期待が高まってきています。

本事業は、このような状況に対処するため、農業水利施設の整備を行い、流域内での農業用水の再編を行うことにより、農業用水の適正な利用と確保を図るとともに、水資源の有効利活用に資することを目的としています。

農業用水再編対策事業のイメージ図

 

再編対策事業イメージ図


農業用水の潜在的余剰水の有効利用の流れ

C.国営農業用水再編対策事業(地域用水機能増進型)

農業水利施設の更新を、節水機能等の強化により農業用水の効率的利用を高め地域用水機能の高度化を図るための以下の整備を行いつつ、末端5haまで一体的に実施する事業です。

[1]節水システム
(調整池、水路内チェックゲート、反復利用ポンプ等)

[2]地域用水機能増進システム
(生活・防火用水施設、水質浄化システム、親水水路等)

 

国営農業用水再編対策事業(地域用水機能増進型)のイメージ
国営農業用水再編対策事業イメージ図


D.国営環境保全型かんがい排水事業

環境保全に資する各種事業等との連携の下に、水質浄化機能等多面的な機能を有する農業用用排水施設の整備を行い、農業生産性の向上を図り、併せて環境保全型農業の推進に資することを目的とします。


北海道における実施地区のイメージ
北海道における実施地区イメージ図

 

E.食料供給広域基盤確立対策

食料の安定供給の確保を図るため、優良農業地域における複数の基幹的水利施設の機能評価を行い、更新に係る最適整備計画(広域基盤整備計画)を策定するとともに、水利施設の計画的・機動的な更新整備が可能となるよう、国営事業の実施を、従来の地区一括前面更新方式から施設機能の老朽度に応じた施設単位の更新方式へ移行するとともに、調査、事業実施、管理を一貫して行うための体制を整備します。

 

食糧供給広域基盤確立対策のイメージ
対策イメージ図

 

F.国営流域水質保全機能増進事業

環境保全農業等の推進を指向している地域を含む一定の広がりを持つ流域等を対象に、健全な水循環の維持増進及び農村地域の環境保全型資源循環に貢献するため、農業水利施設の更新に併せて水質保全機能の増進を図り、もって流域の水質保全に資するため、末端5haまでの区間において以下の整備を一体的に実施します。

[1]土水路、炭等を活用した水質浄化水路や浄化池 としてのため池等の整備

[2]生態系保全等のための植生水路等の整備   等

 

国営流域水質保全対策事業のイメージ
国営流域水質保全対策事業のイメージ図

 

G.産地形成確立支援対策

国営かんがい排水事業のうち、畑地かんがい施設を整備する地区において、畑地かんがい用水を積極的に活用した新たな営農形態の定着による産地形成を促進するため、地区における産地形成の核となる地域(先行核地域)を対象に、事業実施中における段階的な水確保と併せて、末端5haまでの整備を一体的・重点的に実施するものです。

産地形成確率支援対策のイメージ
産地形成確率支援対策のイメージ

 

H.畑地帯総合土地改良パイロット事業

畑地農業の振興を図るため、国営事業としてかんがい排水施設、明渠排水、農地造成、区画整理等の事業を総合的かつ一体的に行う事業です。

I.指定工事制度

国営かんがい排水事業において、指定工事(当該国営土地改良事業のうち早期に完了すべきものとして土地改良事業計画においてあらかじめ指定した工事。)を定め、段階的な事業実施方式の導入を図るものです。

J.施設機能監視制度

国営土地改良事業により造成された農業用用排水施設について、施設造成後の早期段階において施設本体又はその周辺部に発生した、調査・設計・施工時には想定し得なかった施設の機能の十分な発揮に支障を及ぼす事態に対処して、当該施設の造成に係る国営土地改良事業において工事等を実施することにより、当該施設の機能の維持を図り、もってその適切な維持管理に資するものです。

 

 

都道府県が行うかんがい排水事業 

A.かんがい排水事業(一般型)

 

事業内容

都道府県が事業主体となって、農業生産の基礎となるダム、頭首工、用排水機場、幹線用排水路等の農業用用排水施設の整備(新設、廃止又は変更)を行う事業です。

 

事業目的

農業生産の基礎となる農業用水の確保、適期・適量供給(水利用の安定化・合理化)及び農地排水の改良を図るため、水田、畑における基幹的な農業水利施設の整備・更新を行うことにより、農業の持続的発展とこれによる食料の安定供給の確保ならびに農業の有する多面的機能の発揮を図ります。

 

都道府県営かんがい排水事業により整備された水路及び畑地における散水状況
整備された水路畑地

 

B.都道府県営農業用水再編対策事業

昭和47年度に創設した農業用水合理化対策事業においては水需要の逼迫した水系における都市用水等他用途利用の需要増加に伴い既存農業用用排水施設の更新等による転用水の創出を図ってきたところですが、さらなる農業用水の再編を促進することにより適正な農業用水を確保するとともに都市用水等への転用を円滑に実施するため、農業用用排水施設の整備する事業です。

 

都道府県営農業用水再編対策事業のイメージ
都道府県営農業用水再編対策事業イメージ図 

 

C.都道府県営農業用水再編対策事業(地域用水機能増進型)

農業水利施設の更新を行うにあたり、節水機能等の強化により農業用水の効率的利用を高め地域用水機能の高度化を図るための以下の整備を行いつつ、末端む5haまで一体的に整備する事業です。

[1]節水システム (調整池、水路内チェックゲート、反復利用ポンプ等)

[2]地域用水機能増進システム(生活・防火用水施設、水質浄化システム、親水水路等)


都道府県営農業用水再編対策事業(地域用水機能増進型)により整備された親水水路
整備された親水水路 



D.都道府県営流域水質保全機能増進事業

環境保全型農業等の推進を指向している地域を含む一定の広がりを持つ流域等を対象に、健全な水循環の維持増進及び環境保全型資源循環に貢献するため、農業水利施設の更新に併せて水質保全機能の増進を図り、もって流域の水質保全に資するため、末端5haまでの区間において以下の整備を一体的に実施する事業です。

[1]土水路、炭等を活用した水質浄化水路や浄化池 としてのため池等の整備

[2]生態系保全等のための植生水路等の整備   等

E.農業水利施設緊急更新整備事業

都道府県営土地改良事業により建設され、緊急的に更新整備をしなければ地域の用排水機能に大きく支障を及ぼす頭首工、用排水機場、分水工等の点的施設を対象として緊急かつ集中的に更新整備を行う事業です。


農業水利施設緊急更新整備事業のイメージ
点的施設の緊急かつ集中的な更新整備 

 

F.地域水田農業支援排水対策特別事業

水田農業経営確立対策の一環として、特に水田の排水条件が不良で転作が困難な地域を対象に、水田の汎用化のための基礎条件である排水路、排水樋門、排水機場等の新設又は改修及びこれらに附帯して行う用水施設の新設又は改修、区画整理、客土、暗渠排水等を行う事業です。


地域水田農業支援排水対策特別事業による水田汎用化のイメージ
地域水田農業ビジョン



G.基幹水利施設補修事業

土地改良事業により造成されたダム、頭首工、揚水機場、基幹水路等の基幹的施設及び当該施設と一体となって機能を発揮する農業用用排水施設について、緊急に必要な補強工事又は排砂対策等工事を行う事業です。

H.地域用水機能増進事業

地域用水機能を支える組織とその活動を支援する事業です。

お問い合わせ先

農村振興局整備部水資源課
ダイヤルイン:03-3502-6232
FAX:03-5511-8252

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