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農林水産省

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水源かん養

水田にたたえられた水は、地下に浸透して、地下水(浅い層)の涵養源となります。この地下水は河川に還元され、河川の水量調節の働きもしています。

【事例】農業生産活動に伴う水源かん養機能の発揮

長野県の安曇野扇状地は、梓川左岸を南端、大町市の高瀬川右岸を北端とする面積約144km2の扇状地で、その末端に湧き出る清らかで豊富な湧水を利用して栽培されるわさびは、信州を代表する農産物であるとともに観光資源としても重要となっています。

安曇野扇状地における地下水位と水稲作付面積等との関係についてみると、地下水位は、かんがい期に上昇、冬期に低下しており、毎年ほぼ定期的に繰り返される水田かんがいのパターンを明瞭に反映しており、農業生産活動により水源がかん養されている様子がうかがえます。

 

安曇野扇状地の地下水位と水稲作付面積等との関係

安曇野扇状地の地下水位と水稲作付面積等との関係

 

ここで、地下水の年最高値の推移をみると、7年間で約2メートル低下しており、この間、地域の水稲作付面積(豊科町、穂高町、梓川村、三郷村及び堀金村の合計)も6,700haから6,370haへと減少しています。

地下水位の低下要因としては、降水量や河川流量の影響も考えられますが、夏期の最高水位の経年的な低下は、この地域の水田湛水面積の減少による地下水かん養量の減少が大きく関与しているものと考えられます。

地元では、今後、地域の水稲作付面積がさらに減少した場合、湧水が減少し観光・経済の目玉であるわさび田に被害を及ぼすのではないかと懸念する声もあり、水田を保全することの重要性について認識が高まっています。

お問合せ先

農村振興局整備部水資源課水資源企画班

ダイヤルイン:03-3592-6810

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