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農林水産省

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1.泥炭湿地:北海道新篠津村

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平成09年1月5日更新

担当:農村振興局農村環境課

全景

全景写真1 全景写真2

水田地帯に残っている泥炭湿地

「出典;北海道石狩支庁資料」

地質平面図・断面図

 平面図断面図

新篠津村の低位泥炭土

「出典;地質調査所(1956)5万分の1地質図幅"当別"(一部加筆)」

地質の特徴とその形成過程

泥炭とは、湖沼や河川の後背湿地等において、水草、樹木やコケ等の植物の遺体が腐ることなく堆積した未分解の有機物質のことです。このような構成から土中の間隙が大きく、大量の水分を含むため、泥炭地は地盤が軟弱で、地下水位の高いことが特徴です。泥炭は、右の図に示すような生成過程により、ヨシ、ハンノキ等が主体の低位泥炭土、ワタスゲ、ヌマガヤ等が主体の中間泥炭土、ミズゴケが主体の高位泥炭土に分類されます。
北海道の石狩川の中~下流域は、低地帯に泥炭が広く分布しており、石狩泥炭地と呼ばれています。3000~7000年前から盛んに泥炭が堆積するようになったと考えられており、泥炭の厚さは、一般には5m程度のところが多くなっています。
ここで紹介する泥炭湿地を含む篠津地域は、石狩川の中流域に位置し、主に高位泥炭土と低位泥炭土からなる厚い泥炭が分布しています。
泥炭湿地は、過去の地域の環境や植物分布を知ることができる重要な場所であるとともに、多様な生物が生息し、渡り鳥の中継地となるなど、貴重な生態系が形成されています。

 

形成過程

泥炭の発生過程

 「出典;庄子(1976)泥炭土:アーバンクボタ,No13(一部加筆)」

農業農村整備事業と地質遺産

北海道石狩郡新篠津村では、水田の約70%が泥炭地であり、その多くがもとは湿地でした。明治26年以降農地開発と土地改良が進められてきたことにより、開拓以前から存在していた泥炭湿地が徐々に姿を消している現状にあります。現在ある湿地には稀少な植物の生育が認められていますが、周辺の開発により乾燥化が進み帰化植物の侵入が見られるようになっています。
平成14年に、泥炭湿地を含む当地域で土地改良事業の要望があったことから、石狩支庁は、周辺を水田に囲まれた約2.3haの湿地を保全対象とし、専門家(北海道大学)と地元住民を含む環境情報協議会において事業実施による湿原への影響について検討を行いました。その結果、環境との調和に配慮する観点から、湿地の保全についての環境影響調査を行うこととなりました。
平成18年度に、地下水位計と雨量計を設置し、地下水位変動と植生の変化等について、専門家の協力を得て調査を継続中です。

事業概要図

「出典;北海道石狩支庁資料」

位置図

 位置図1

「出典:国土地理院 2万5千分の1地形図"上幌向"(一部加筆)」

位置図2

北海道の泥炭分布

「出典;能登繁幸(1991)泥炭地盤工学:技報堂出版(一部加筆)」

所在地・アクセス

北海道石狩郡新篠津村沼之端

JR函館本線岩見沢駅下車、バス新篠津交通新篠津温泉行き「新篠津」下車、北西方向へ徒歩約20分

お問い合わせ先

農村振興局農村政策部農村環境課 
担当者:土地・水保全班
ダイヤルイン:03-3502-6079
FAX:03-3502-7587