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農林水産省

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2.化石構造土:北海道更別村

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平成09年1月5日更新

担当:農村振興局農村環境課

全景

全景

地質図・断面写真

断面図

「出典;自然史研究会(2000)十勝の自然を歩く:北海道大学図書刊行会」

断面写真

地質の特徴とその形成過程

構造土とは、地表面に見られる幾何学模様です。当地域には、十勝坊主と呼ばれている構造土が分布しており、これは永久凍土層上部の土壌(火山灰土)が凍結と融解を繰り返すうちに、こぶ状に盛り上がった形となったもので、周氷河地形*の一つです。その内部や表面に火山灰を含んでおり、その年代から1,000年~3,000年前の寒冷期に形成されたと考えられています。大雪山や羊蹄山にも同種の構造土が見られますが、低地での分布は珍しいものです。また欧米でも同様な地形が見られ、アースハンモック(芝塚)と呼ばれています。生成環境が特異で、寒冷期の永久凍土層の状況を知ることができるため、地質学及び土壌学上貴重なものです。十勝支庁管内では数箇所で分布が確認されています。特に、帯広畜産大学構内のものは北海道により天然記念物に指定されており、大きさは高さ0.5~2.0m、直径1.0~4.0mにもなります。
ここで紹介するイタラタラキ川沿いの十勝坊主の大きさは、高さ約0.5m、直径約1.0mで比較的小形です。当地域の十勝坊主分布地は、北海道の学術自然保護地区(勢雄地区)に指定されており、周辺の原始林、植物群落とともに貴重な自然環境を形成しています。

* 周氷河地形:寒冷気候地域の地中水の凍結融解作用等によって形成された特徴的な地表形態

保護地区

勢雄学術自然保護地区(十勝坊主分布地)周辺の空中写真

農業農村整備事業と地質遺産

北海道河西郡更別村を含む糠内川及びイタラタラキ川の流域は、法崩れや流入土砂により排水河川の通水断面が不足して、降雨時及び融雪時に湛水被害や過湿被害が生じ、作物の生産及び営農上の支障となっていました。そのため、農地の湛水被害を防止することを目的として、国営札内川第二農業水利事業により排水路を計画し、平成9年度から施設の整備を進めています。
排水路が計画されていたイタラタラキ川流域には、十勝坊主の学術自然保護地区があり、原始林や植物群落等の貴重な自然環境が保持されていました。そのため、これらの自然環境保全の配慮として、現況河川には手を加えず自然の状態のままとするとともに、洪水を流下させるバイパス水路を整備することにより、排水改良と自然環境の保全の両立を図っています。
なお、本事業では、平成15~17年度にバイパス水路工法を選択したことによる環境への影響等について調査を行っています。この調査では、バイパス水路整備後における十勝坊主の形態変化や周辺植生の変化は認められず、現況河川を存置した工法は、自然環境への事業の影響軽減を十分果たしていると考えられます。

事業概要図

事業概要図

位置図

位置図1

「出典;国土地理院 2万5千分の1地形図"上更別"(一部加筆)」

位置図2

十勝支庁管内の十勝坊主の主な分布地

 

所在地・アクセス

北海道河西郡更別村勢雄

帯広から道道238号幕別更別線で更別方面へ車で約50分、道の駅「さらべつ」の約1.6km手前の左方向

お問い合わせ先

農村振興局農村政策部農村環境課 
担当者:土地・水保全班
ダイヤルイン:03-3502-6079
FAX:03-3502-7587