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農林水産省

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9.地下水盆と琉球石灰岩:鹿児島県喜界町

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平成09年1月5日更新

担当:農村振興局農村環境課

全景

全景1

止水壁のトンネル部と窓

トンネル内の窓から、地下ダムにより琉球石灰岩の隙間に貯留された地下水を見ることができます。

「写真;喜界土地改良区提供」

 

全景2

 模式断面

「出典;国営喜界土地改良事業事業誌(一部加筆)」

 

 地質図

 地質平面図

 「出典;野間(1978)地質調査月報、国営喜界土地改良事業事業誌(一部加筆)」

 地層の特徴とその形成過程

地下水盆とは、大規模な帯水層(地下水を含む地層)もしくはいくつか帯水層を包括した、地下水をためる容れ物(器)の単位です。
喜界島の地質は、基盤岩である新第三紀鮮新世から第四紀更新世初期に堆積した島尻層(泥岩)の上位に、第四紀の琉球石灰岩が段丘地形をなして覆っています。島尻層は、琉球列島に広く分布しており、喜界島では泥岩と砂岩の互層からなる難透水性の地層です。一方、琉球石灰岩は、琉球列島の多くに分布し、珊瑚を主体とする珊瑚礁生物群の遺骸からなる非常に多孔質の堆積岩で、良好な地下水の帯水層となっています。そのため、降雨はすぐに地下に浸透し、島尻層の直上を流下し、海岸地域で湧水となって流出しています。
喜界島では断層により、琉球石灰岩の地下に島尻層の盆状構造の地下谷(地下水盆)が形成されているため、その地下水盆を、水を通さない遮水壁をつくって閉め切ることによって、地下水を貯留する地下ダムを造り、農業用の水源として利用しています。

 

 農業農村整備事業と地質遺産

喜界島は奄美大島の東海上に位置する面積56.9km2の台地状の島で、古くからサトウキビを基幹作物とした農業が営まれてきましたが、透水性の良い琉球石灰岩が雨水を地下に浸透させ海に流れ出てしまうため、恒常的な水不足に悩まされてきました。その解決のため、近年の施設園芸の増加にも対応した水源の確保を目的に、地下ダム(総貯水量180万m3)建設などを含む国営喜界土地改良事業を実施しました。地下ダムによって確保された地下水は、喜界島全体の農地の灌漑に利用され、安定的な農業用水の確保が実現しました。
地下ダムの止水壁は通常地表から大型の機械を使用して造りますが、地下ダムの左岸側(西側)には蝶の生息地になっている防風林が広がっていたため、トンネル内から止水壁工事という特殊工法を採用して自然を守るために細心の配慮がなされました。このとき、トンネル自体を止水壁として利用していたことから、琉球石灰岩中に貯められた地下水の状況を「窓」をつくり確認できるようにしたものです。

「参考;国営喜界土地改良事業事業誌」

 事業概要図

事業概要

「出典;国営喜界土地改良事業事業誌(一部加筆)」

地下ダムとは

この地下ダムは、喜界島特有の地質構造を生かし築造される貯水池と貯えた地下水をくみ上げる取水施設等で構成されており、地表ダムと比べ次のような特徴があります。

  • 地下ダムの堤体は地層中に築造されるため薄い壁体であっても水圧に耐えて自立可能です。
  • 水没地がなく、現況の土地利用を妨げず貯水が可能です。
  • 人命に係るような災害発生の恐れがありません。
  • 年間の水温が安定しています。

 

地下ダム

「出典;国営喜界土地改良事業事業誌」

位置図

位置図

「出典;国営喜界土地改良事業事業誌」

所在地・アクセス

鹿児島県大島郡喜界町

(ア)飛行機
東京・大阪から奄美空港経由喜界空港、又は鹿児島から喜界空港(直行)、喜界空港から南東に1.4km(徒歩で約20分)
(イ)フェリー
鹿児島港から喜界港

連絡先:喜界土地改良区(TEL:0997-55-3151)
見学希望者は前もって連絡をお願いします。なお、農繁期(7~9月)は対応できない場合があります。

お問い合わせ先

農村振興局農村政策部農村環境課 
担当者:土地・水保全班
ダイヤルイン:03-3502-6079
FAX:03-3502-7587