ホーム > 組織・政策 > 水土里電子博物館 > 農村の貴重な地質遺産-農業農村の整備を通じて- > 8.柱状節理と水中自破砕溶岩
更新日:09年1月5日
担当:農村振興局農村環境課


近景(柱状節理)

「出典;5万分の1土地分類基本調査"須佐・飯浦"表層地質図(一部加筆)」
柱状節理とは、高温の溶岩がゆっくりと冷える際に、体積の収縮によって形成される規則的な柱状の割れ目をいいます。また水中自破砕溶岩とは、水中に噴出した溶岩の固結部が未固結部の流動により破砕されたものをいいます。
ここで紹介するのは、萩市(旧田万川町)上ノ原から田添に至る農道工事の現場で出現した美しい玄武岩の柱状節理と水中自破砕溶岩の露頭です。
当地域では、かつて基盤となる安山岩を浸食して川が流れており、礫層が堆積しました。その川底に、約33万年前の火山活動による高温の玄武岩溶岩が流出し、水中自破砕溶岩の層を形成しました。この溶岩により川の流路が変わり乾陸化し、そこにさらに溶岩が噴出して陸上でゆっくりと冷却したため体積収縮によって、径0.4~1.0mの六角形あるいは五角形の柱状節理が形成されました。このような溶岩の噴出により、田万川本流と原中川にはさまれた標高100~110mの平坦な溶岩台地が南北に細長く連なってつくられたと考えられています。
この露頭は、規模が大きく、また下から(ア)基盤の安山岩(イ)礫層(ウ)玄武岩の水中自破砕溶岩(エ)柱状節理の発達した玄武岩溶岩が見られ、過去の地質事象をきわめてよく保存しており学術上貴重なことから、平成10年に、山口県により天然記念物(地質・鉱物)に指定されています。
「参考;山口県教育委員会ホームページ」
当地域には小さな火山がいくつも分布していて阿武火山群と呼ばれています。道路工事などの切土により火山の噴出物の断面が現れることがありますが、このようにして現れる露頭からは、火山の活動状況に関する貴重な情報の得られることがあります。
山口県では、萩市上小川地域から農業倉庫,集出荷所等の農業施設へのアクセス改善により、農産物の流通改善、地域内交流の迅速化を進めるため、基幹となる農道3.1kmを整備する農道整備事業を昭和62年から平成5年にかけて実施しました。
本露頭も、この道路工事に伴い平成3年に発見されたもので、その特異な景観と構造並びに規模の大きさが注目を集め、地質研究者による調査が実施され、平成10年には山口県の天然記念物に指定され保存されています。地元では、「龍鱗郷」の愛称で呼ばれ、萩市により公園整備がなされています。


「出典;国土地理院 20万分の1地勢図"山口"(一部加筆)」

露頭位置図
「出典;国土地理院 2万5千分の1地形図"長門新市"(一部加筆)」
山口県萩市大字上小川東分
JR山陰本線江崎駅から田万川上流方向へ車で40分
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農村振興局農村政策部農村環境課
担当者:土地・水保全班
ダイヤルイン:03-3502-6079
FAX:03-3502-7587