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農林水産省

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平成9年度内閣総理大臣賞  大井平集落(新潟県中魚沼群津南町大井平)

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特色

1.むらづくりの背景・動機

当集落は河岸段丘上に形成されているため、特に水には恵まれず、 古くから水争いが絶えなかった。昭和30年代、米の増収に向けた開田への意欲の高まりを受け、 共同出役により溜池の貯水量増強や築堤や河川に堰を築き、用水確保、水田面積の拡大を図った。 昭和40年代には、水源の溜池整備や区画整理と併せ第2次築堤開田計画を樹立し、 このとき集落単独で土地改良区を設立して基盤整備事業の実施及び運営に当たることとした。 開田事業では昼は村人が総出で作業を行い、夜も遅くまで会合が行われたため、 保育施設の必要性を強く感じた婦人たちはグループを結成し保育所設置運動を開始した。 当初、集落の公民館を利用して開設した季節保育所の活動はその後集落から町へと波及し、 現在では町全域に地域保育所ができている。 このように町全体へと広がっていった保育所設置運動は集落の婦人たちに大きな自信を与えることとなった。

2.むらづくりの内容

(1)農業生産

  1. 現在、平成10年度完了を目途に、ほ場の30a区画整理、排水路改修、 全水田パイプライン化を行い、安定生産、省力化を目指している。 これに伴う余剰労働力を利用して大規模経営や水稲以外の作付品目の定着を図り、 葉たばこの栽培、養豚、なめこの周年栽培、切り花栽培等を行っている。
  2. 「農研クラブ」により、3~4年前から米の品質を競う食味共進会を実施。 集落では、水稲病害虫の防除を必要最小限にとどめ、低農薬、 有機栽培米としてJA経由で消費者に販売している農家もある。
  3. 平成8年度の米生産調整は、集落全農家、全水田面積においてとも補償に取り組み、 転作として、そば、大豆などの団地栽培等が行われている。生産調整開始以来、 農家組合の調整により、常に団地加算等制度を有効に活用し収入の安定を図っている。

 

(2)農村生活

  1. 津南町は埼玉県所沢市のこぶし団地自治会と平成7年に災害援助協定を締結、 そのシンボルとして団地内にふれあいセンターを設置。 当集落の婦人で野菜生産グループを結成し、週1回現地へ出張して産地直送販売を行い、 都市交流を図っている。
  2. 伝統ある大井平そばのそばうち体験交流施設「大井平そば工房」を現在建設中であり周辺集落の栽培農家と高齢者グループを中心に、 地域特産化、都市交流を目指している。
  3. 和紙づくりは職業としては姿を消したが200年の歴史があり、 かつての和紙職人7人で大井平和紙保存会をつくり、子どもたちに和紙づくりの継承を行っている。
  4. 家族の栄養バランスの確保、貧血防止などを目的として、 昭和48年から農繁期副食品共同購入を開始、 現在は参加戸数こそ減少しているものの受け継がれている。
  5. このほか、集落の各グループが役割分担を図り、花いっぱい運動、コミュニティ活動、 集落環境整備、文化・教養活動を実施。当集落では、住民が主体となって、 地域が結束して意欲に満ちた農業振興、生活改善、コミュニティ活動を行い、 バランスのとれた総合的なむらづくりを推進している。

 

風景
お祭り
野菜市

お問合せ先

農村振興局農村政策部都市農村交流課
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