先人たちの血と汗の結晶「丸山千枚田」
地域の概要
紀伊半島南東部の熊野川沿いの三重県熊野市紀和町丸山地区にある「千枚田」は、先人たちが、1粒でも多くの米を収穫したいという思いから、幾百年もの昔から一鍬(くわ)づつ大地を起こし、石を積み上げ、土を盛り上げながら、千枚以上にも及ぶ棚田を作り上げた水田です。棚田の幾何学的な模様は四季の変化を映し出し、良好な景観を作り出しています。
地域の保全のための取り組み
丸山千枚田がいつ頃から造成されたかは不明ですが、浅野検地帳(古文書)によると、1601年には、すでに2200枚余りの水田があったと記されています。近年、過疎化・高齢化による耕作放棄が進み、各個人での棚田の保全が困難になってきたため、先祖から受け継いだ貴重な資源である棚田を復活させたいという住民の熱意により、平成5年に丸山地区住民31戸で「丸山千枚田保存会」が結成され、地区住民の一致団結した努力によって、平成9年には1340枚まで水田が復活しました。現在は、都市住民等(棚田のオーナー)が、田植えや収穫作業などで丸山地区を訪れ、地区住民と連携して棚田の保全に貢献しており、また、ふるさと水と土ふれあい事業により、整備された遊歩道を散策し、棚田の景観を楽しんでいます。一方、熊野市は、先人たちの英知と偉業の丸山千枚田を偲び平成6年に「千枚田条例」を制定し、地区住民等と協力し、棚田の保全と景観形成に努めています。
交通アクセス
(ア)JR熊野市駅よりバス(瀞流荘行)で約35分。千枚田・通り峠入口バス停下車後、徒歩約20分
(イ)国道42号線の三重県熊野市有馬から国道311号へ入り、風伝(ふうでん)トンネルより和歌山県北山村方面へ車で約10分
お問合せ先
農村振興局整備部設計課
代表:03-3502-8111(内線5561)
ダイヤルイン:03-3559-6338
FAX:03-5511-8251