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農林水産省

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伝え流るる歴史の清流~世界かんがい施設遺産・照井堰用水~を守り引き継ぐために奔走する農業土木技術者

照井土地改良区  工務課係長  遠藤圭二郎氏(岩手県一関市)

【照井土地改良区】
照井土地改良区の受益は、岩手県南部の一関市及び平泉町に広がる約1,920haの水田地帯です。世界かんがい施設遺産に登録された「照井堰用水」も管理する施設の一つです。照井堰用水の歴史は古く、奥州藤原氏の時代まで遡ります。藤原氏の家臣であった照井太郎高春が、当時の五串村、猪岡村の磐井川両岸に穴堰を開削したのが、照井堰の起源です。その後、高春の子孫高安が高春の意思を引き継ぎ、用水を完成させました。完成した用水は、照井氏の偉業を称えてその姓を付け照井堰と名付けられました。

1.用水管理と施設管理
遠藤さんの主な業務は、用水路の巡回点検や水量調整など維持管理業務全般です。かんがい期は毎日約64kmの幹線用水路を巡回しています。また、幹線用水路に小水力発電施設を2箇所設置しており、その維持管理を年中行っています。

2.スマート農業の展開
本改良区は、スマート農業にも力を入れています。受益地内に1ha区画に整備されたほ場があり、そのほ場にある揚水機場の屋根には、GPSアンテナと無線アンテナが設置されています。遠藤さんは「このGPSアンテナから半径5kmの範囲の農地で位置情報が受信可能となり、将来的にはロボット農機や無人運転農機を導入し、日本一のスマート農業を展開していきたい」と意欲を見せました。


平泉統合揚水機場の屋上に設置されたGPSアンテナと無線アンテナ(固定局)

3.小水力発電施設
本改良区では「地球の未来を考え、農業団体として何ができるか」を検討した結果、農業用水を利用した小水力発電を事業化するとの結論に達しました。平成22年度からマイクロ水力発電所「照井発電所」を稼働させ、平成27年度からは、小流量、低落差の箇所にも設置できる『らせん水車』で発電する「荻野発電所」が稼働しています。荻野発電所は小学校の前に設置されており、小学校の環境学習の場としても利用されています。


荻野発電所にて日常点検をする遠藤さん

添付資料

☆インタビュー記事です!☆
伝え流るる歴史の清流~世界かんがい施設遺産・照井堰用水~を守り引き継ぐために奔走する農業土木技術者(PDF : 455KB)

お問合せ先

農村振興局整備部設計課

代表:03-3502-8111(内線5561)
ダイヤルイン:03-3502-6338

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