平成21年度 農村振興局重点事項
平成20年12月
農村振興局
農村振興局重点事項(PDF:318KB)
1 国際的な食料事情を踏まえた食料供給基盤の強化 【ポイント】 国際的に食料価格が高騰し、食料需給が不透明な状況にある中で、現在はもちろんのこと将来にわたり、国民に対し食料を安定的に供給していくことは、わが国としての重要な責務である。 こうした情勢の下、国内における食料供給力を強化し、食料自給率の向上を図るため、米粉や飼料用米等の新たな米利用の本格化、麦・大豆や国産ニーズの高い野菜等の供給体制の強化に向けた基盤整備や条件整備を行う。 また、国内農業の体質を強化し、食料供給力を確保していく観点から、意欲と能力のある担い手を育成して、農地の面的集積を進め、その有効利用を図るため、農地情報の共有化を推進する。また、農業用用排水施設の適切な整備更新を図ることにより、農業用水の安定的供給を確保する。 さらに、緊急的に耕作放棄地を解消する総合的・包括的な対策を推進する。 |
重点1 食料自給率向上に向けた基盤・条件整備の推進(PDF:182KB)
経営体育成基盤整備事業【公共】~拡充~
一般型のうち農業経営高度化支援タイプ 2,000(0)百万円
基盤整備を契機とした効率的な経営体への農地利用集積の推進を通じて農地の有効活用を図るため、ほ場の大区画化や麦・大豆の作付けに不可欠な排水条件改良等の基盤整備と土地利用調整等への関連支援策を一体的に実施。
農山漁村活性化プロジェクト支援交付金【非公共】~拡充~
34,915(30,546)百万円の内数
⇒新規需要米生産製造連携関連施設整備事業の創設 4,030(0)百万円
生産・流通・加工・販売の各段階における関係者の連携により確実な流通・消費を図る中で、米粉・飼料用米の低コスト化に必要な機械・施設等の一体的な整備を支援。
農山漁村活性化プロジェクト支援交付金【非公共】~拡充~
34,915(30,546)百万円の内数
⇒産地振興追加補完整備 300(0)百万円
戦略的産地振興支援事業【非公共】~拡充~ 300(200)百万円
国産農産物の供給力を強化するため、実需者(加工・流通業者、食品製造業者等)と連携を図る産地を機動的な基盤整備や施設整備等により支援するとともに、基盤整備地区に関する情報を実需者に提供することにより産地と実需者の連携を支援。
重点2 担い手の育成と農地の有効利用、農業用水の安定的供給の確保(PDF:213KB)
水土里情報利活用促進事業【非公共】~拡充~ 8,097(9,699)百万円
農地に係る各種情報を地図の上に一元化した農地情報図について、関係機関による共有化を着実に実施するため、引き続き地図の整備を推進するとともに、共有情報を円滑に運用する体制の構築を支援。
水利区域内農地集積促進整備事業【公共】~新規~ 300(0)百万円
かんがい排水事業等による基幹的な農業水利施設の整備区域内において、末端の農業水利施設の整備と未整備農地の整備等を一体的に実施し、担い手への農地集積を促進。
地域農業水利施設ストックマネジメント事業【公共】~新規~ 2,000(0)百万円
広域に及ぶ農業水利施設の機能を効率的に保全するため、団体営事業等により造成された農業水利施設を対象としたストックマネジメントを推進。
重点3 耕作放棄地解消に向けた取組の推進(PDF:136KB)
耕作放棄地等再生利用緊急対策【非公共】~新規~ 23,000(0)百万円
貸借等により耕作放棄地を再生・利用する取組(障害物除去・深耕・整地等、土壌改良、営農定着)やこれに付帯する農業用用排水施設、鳥獣被害防止施設、直売所・加工施設、市民農園等の整備、農地利用調整、営農開始後のフォローアップ等の地域の取組を総合的・包括的に支援。
農地環境整備事業【公共】~拡充~ 1,245(1,193)百万円
耕作放棄地の発生が著しい中山間地域の耕地面積が小さい集落においても、耕作放棄地を可能な限り取り込んで機動的に事業が実施できるよう、新たに“緊急耕作放棄地特別対策型”を創設し、耕作放棄地の早期解消を支援。
耕作放棄地解消・発生防止基盤整備事業【公共】~拡充~ 1,100(1,000)百万円
農山漁村活性化プロジェクト支援交付金【非公共】~拡充~ 34,915(30,546)百万円の内数
⇒ 耕作放棄地面的集積促進支援の創設
耕作放棄地の解消・発生防止を図る上で必要となる基盤整備と担い手への面的集積を促進するための取組を一体的に支援することにより、耕作放棄地の解消を促進。
2 地域資源の活用によるいきいきとした地域づくりの推進 【ポイント】 地域資源を活用し、都市と農山漁村の共生・対流を進めることなどにより、農山漁村地域の活性化を図る。 このため、地域リーダーの育成やアドバイザーからの指導・助言による地域活性化を担う人材の育成、祭りや伝統文化の保全・復活等による集落の再生、地域の主要産業である農林水産業を核とした地域経済の活性化に向けた取組を積極的に支援する。その際、特に、平成20年度から開始した「子ども農山漁村交流プロジェクト」を強力に実施していくものとする。また、農商工連携についても、その取組の一層の推進を図る。 加えて、「農地・水・環境保全向上対策」による創意工夫を活かした地域活動や環境負荷を低減する先進的な営農活動への支援、中山間地域等の条件不利地域への支援等を通じて、豊かな田園環境を保全し、活力ある農山漁村地域の実現を目指す。 さらに、安全で安心して暮らせる農村づくりに努めるほか、都市住民のニーズなども踏まえながら都市農業の振興を図っていくものとする。 |
重点4 都市と共生・対流を通じた農山漁村活性化対策の展開(PDF:169KB)
農村活性化人材育成派遣支援モデル事業【非公共】~新規~ 199(0)百万円
農村地域の活性化を担う人材の確保・育成を安定的に支える仕組みの構築に向け、農村地域が抱える課題の分析、活性化活動への従事を希望する都市部の人材の募集、農村に必要とされる人材と都市部にいる人材の適性や技能とのマッチング、農村地域への人材派遣研修事業などに取り組む仲介機関を支援。
子ども農山漁村交流プロジェクト対策事業【非公共】~新規~ 640(0)百万円
総務省、文部科学省との連携により、小学生1学年規模の宿泊体験が可能な体制の整備に向けた受入拡大モデル地域の構築等を支援。
農山漁村活性化プロジェクト支援交付金【非公共】~継続~ 34,915(30,546)百万円
農山漁村活性化法に基づき、農山漁村地域への定住や二地域居住、都市住民の農林漁業体験などの地域間交流を一層促進するために必要な施設整備等を総合的に支援。
広域連携共生・対流等対策交付金【非公共】~拡充~ 638(973)百万円の内数
都道府県域を越えた広域連携プロジェクト活動のほか、商店街等と結んで展開する多面的連携での取組や企業等との連携による新たな協働の取組などの共生・対流活動による地域活性化を農商工連携の観点からも支援。
農山漁村(ふるさと)地域力発掘支援モデル事業【非公共】~継続~ 908(1,110)百万円
地域住民や都市住民、NPO、企業等の多様な主体を地域づくりの新たな担い手としてとらえ、これらの協働により農山漁村が有する地域資源の発掘、保全・活用を通じた地域活性化に取り組む地域協議会を支援。
重点5 農村協働力を活かした農地・水等の資源や環境の保全への取組の推進(PDF:151KB)
農地・水・環境保全向上対策【非公共】~継続~ 27,704(30,186)百万円
農地・水・環境の良好な保全と質的向上を図るため、地域ぐるみの共同活動と先進的な営農活動を実施する地域等を支援。
農地・水・環境保全向上対策の評価に関する検討調査【非公共】~拡充~ 20(10)百万円
施策の中間評価を行うことを目的として、新たな観点からの定量的・定性的な効果を把握するための調査及びデータの収集・整理・分析等を実施。
重点6 中山間地域等条件不利地域への支援(PDF:147KB)
中山間地域等直接支払交付金【非公共】~継続~ 22,446(22,146)百万円
耕作放棄地の増加等により多面的機能の低下が特に懸念されている中山間地域等において、農業生産活動の維持を図り、多面的機能が発揮されるようにするため、中山間地域等直接支払制度を着実に推進。
重点7 安全で安心して暮らせる農村づくり(PDF:214KB)
国営造成土地改良施設防災情報ネットワーク事業【公共】~新規~ 1,244(0)百万円
政府全体で進める防災情報共有プラットフォームへの情報提供による国の防災情報の充実を図るとともに、国営造成土地改良施設について迅速かつ的確な防災面での対応を行うために、防災情報ネットワークを整備。
地域ため池総合整備事業【公共】~新規~ 300(0)百万円
地域全体の防災安全度を効率的かつ効果的に向上させ、併せて地域活性化に資するよう、防災・減災を核とする中での、環境保全や親水面での利活用にも資するため池の総合整備対策を推進。
重点8 都市農業の振興(PDF:146KB)
広域連携共生・対流等対策交付金【非公共】~拡充~ 638(973)百万円の内数
都市住民のニーズなども踏まえ、農地のない都心部での農業体験が可能な都市の空閑地を利用した市民農園開設への取組やインターネットを活用した市民農園の開設を促進する取組等を支援。
3 農山漁村からの低炭素社会の構築と地球環境問題への対応 【ポイント】 農山漁村地域における低炭素社会の実現を目指し、地域全体でCO2を削減する取組を推進するものとし、排出量削減に資する施設整備等を支援する。また、農地土壌の温室効果ガスの吸収源としての機能を向上させるべく、基盤整備による農地への炭素貯留手法の確立を図る。 また、食料供給と競合しない稲わら等のソフトセルロースを原料とした国産バイオ燃料の生産拡大に向けた取組を推進するほか、農林漁業者とバイオ燃料製造業者が連携したバイオマス利活用の取組等を強化するとともに、バイオマスタウン構想の策定からバイオマス施設整備までを円滑に進める仕組みづくりを進める。 さらに、生物多様性をより重視した農林水産施策を推進する中で、地域の生物多様性の保全を推進するため、特に保全を行う必要がある地域における環境の保全・形成に向けた取組を支援するとともに、整備後の水田等での生態系配慮対策に取り組む。 |
重点9 農山漁村地域における低炭素社会の実現(PDF:213KB)
低炭素むらづくりモデル支援事業【非公共】~新規~ 883(0)百万円
農村地域における温室効果ガス削減計画を策定し、小水力・太陽光発電施設等の整備及び削減量の評価を行うことなどを支援。
炭素貯留関連基盤整備実験事業【公共】~新規~ 380(0)百万円
炭素貯留による生産基盤の機能への影響を検証するとともに、施工に際しての最適な工法等の技術的な実証を行うことにより、基盤整備事業による農地土壌への効率的な炭素貯留を推進。
地域用水環境整備事業【公共】~拡充~ 2,201(2,199)百万円の内数
農業水利施設の持つ自然エネルギーを活用した小水力発電施設の新設、更新等を支援し、農村地域におけるCO2排出削減を推進。
重点10 バイオマス利活用の推進(PDF:262KB)
地域バイオマス利活用交付金【非公共】~拡充~ 9,502(9,467)百万円
農林漁業者とバイオ燃料製造業者が連携した取組を重点的に支援するほか、バイオマス利活用の高度化に向けたソフト活動への支援等を強化するとともに、現行の事業体系を再編して、バイオマスタウン構想の策定からバイオマス施設の整備までを円滑に進める仕組みづくりを支援することにより、バイオマス利活用を推進。
ソフトセルロース利活用技術確立事業【非公共】~継続~ 2,467(3,237)百万円
稲わら等のソフトセルロース系原料からバイオ燃料を製造する実証設備の整備、原料の収集・運搬、バイオ燃料の製造、走行技術の実証等の取組を支援。
重点11 生物多様性の保全への貢献(PDF:215KB)
農村環境保全整備推進モデル事業【公共】~新規~ 50(0)百万円
ラムサール条約等の国際条約や景観法等の法律に基づいて指定された環境を保全・形成すべき重要な地域において、自然環境や農村景観の維持向上のための調査等への支援を行うとともに、保全に必要な基盤整備等を実施。
水田環境向上基盤整備支援事業【公共】~新規~ 50(0)百万円
生態系に配慮した水田整備等を実施した地区において、生態系配慮施設等の順応的管理を実施するとともに、生態系配慮対策技術向上のための技術指針を作成。