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チャレンジャー 第1回

有限会社 中札内村レディースファーム 社長  長谷川 竹彦(はせがわ たけひこ)さん
女性スタッフが中心となって、日本で唯一の無殺菌牛乳を作っています。

この連載コーナーでは、農林水産分野で先進的かつユニークな活動を行っているチャレンジャーをレポートします。
(有)中札内レディースファームの皆さん。左端が長谷川社長。写真/戸張良彦
(有)中札内レディースファームの皆さん。左端が長谷川社長。写真/戸張良彦

Profile はせがわ・たけひこ
1954年、兵庫県神戸市生まれ。76年、日本獣医畜産大学畜産学科卒業。北海道別海町で実習。その後、農協や病院勤務などを経て、91年、中札内村で就農。以降10年にわたり、さまざまな苦労を重ね酪農スタイルを確立。2000年に同社を設立した。
日本で唯一の無殺菌牛乳「想いやり牛乳」の製造・販売元として知る人ぞ知る、北海道中札内村の有限会社中札内レディースファーム。およそ28ヘクタールの牧草地で65頭の牛を飼育している。この会社を設立したのが、今回紹介するチャレンジャー、長谷川竹彦さんだ。

「搾ったままの生きた牛乳が一番おいしい。このことを全国の消費者に知ってもらいたくて、思い切ってこの会社を設立したんです。でも、最初の頃は保健所に取り合ってもらえず、ずいぶん苦労しましたよ。平成12年に何とか会社を立ち上げて、ここ数年でようやく軌道に乗ってきました」と長谷川さん。

無殺菌の「想いやり牛乳」には、牛乳独得の匂いや後口の悪さがまったくなく、一口飲むと、ほのかな甘い香りが口の中に広がる。飲んだ後にお腹がゴロゴロすることもないそうだ。

また「想いやり牛乳」は、全国で6銘柄しか認められていない“特別牛乳”の一つで、“乳等省令”という厳しい規準をクリアしたもの。万が一の事故がないよう、ビン詰めは工場の無菌室で行われ、出荷前には毎日厳密な検査をするなど、安全面について万全な体制を整えている。

さて一方、この会社のユニークな点は、商品である牛乳以外にもう一つある。「レディースファーム」という社名から想像される通り、10人のスタッフのうち、長谷川社長と二人の息子さん以外は、全員が女性なのだ。なぜ酪農に女性なのか?長谷川さんはこう話す。

「生き物の世話をし、命を育む酪農は、本来、女性にこそ向いた仕事だと思うのです。また、日常生活において、牛乳を含めた食品を選ぶのは主に女性ですからね。消費者の目線を持って仕事に当たることができます。それに何と言っても、これからは女性の時代。意欲的な女性に、職業として農業を選ぶことができる環境を作りたかったということもありますね」。

今やインターネットなどを通じて、全国から注文が来るようになった「想いやり牛乳」。レディースファームは、企業としては小規模ながらも、長谷川社長が中心となって大きな夢を実現した、文字通りの“酪農ベンチャー企業”と言えるだろう。

まだ夜も明けやらない午前4時半。スタッフが牛を「搾乳室」に誘導することから、レディースファームの一日が始まるる。写真/相澤正
(上)まだ夜も明けやらない午前4時半。スタッフが牛を「搾乳室」に誘導することから、レディースファームの一日が始まる。

(右)ビン詰め作業は、工場の無菌室で行われる。出荷前の最終チェックでは、ビンの中に混入物がないか、ビンにひびが入っていないかを、専門のスタッフが厳重に検査する。

写真/相澤正
ビン詰め作業は、工場の無菌室で行われる。出荷前の最終チェックでは、ビンの中に混入物がないか、ビンにひびが入っていないかを、専門のスタッフが厳重に検査する。写真/相澤正

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