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特集1 バイオマスがひらく地球の未来(4)

世界のバイオ燃料事情と日本

日本はバイオ燃料発展途上国?

世界的に見ても、バイオ燃料への注目度は非常に高まっている。特にアメリカとブラジルのバイオ燃料生産量は突出しており、世界の生産量のおよそ7割をこの2国が占めている。今年1月、アメリカのブッシュ大統領は一般教書演説で、「2017年までに、350億ガロン(約1億3000万キロリットル)に及ぶバイオ燃料などの代替燃料を導入する」と発表した。現在、アメリカのバイオ燃料は約75億ガロン(約2000万キロリットル)だから、今後10年で6~7倍に増やそうとしているのだ。

バイオ燃料の混合率を見ても、ブラジルでは20~25%の直接混合、アメリカのいくつかの州では10%の直接混合が義務化されている。さらにブラジルでは、E100(バイオエタノール混合率100%)、アメリカではE80を、すでに一部で導入している。これに対して日本では、E3の実証実験中という段階。バイオ燃料の導入については、まだまだ日本は“発展途上国”と言わざるをえない状況にある。
ブッシュ大統領とサトウキビ
ブラジルのガソリンスタンド
写真提供/時事

各国が積極的な取り組みを展開

バイオ燃料の普及・拡大に積極的なのは、アメリカ、ブラジルだけではない。例えばEUを例に見てみると、2003年にバイオマス由来燃料、再生可能燃料の利用促進に関する指令を発効し、加盟各国にバイオマス由来燃料、再生可能燃料の導入目標の設定を義務づけている。

またお隣の国、中国では、2005年に「再生可能エネルギー法」を制定し、バイオエタノール供給体制を、国を挙げて強化していく方針を固めている。さらにインドを筆頭とした東南アジア諸国でも、バイオマス由来燃料開発計画を進める方針を決定し、その生産量は急速に伸びている。

現在日本では、ガソリンへのバイオエタノールの混合率は3%までと法律で制限されているが、政府ではE10対応のための技術実証が進められているところだ。

バイオ燃料の生産拡大がカギ

昨年11月、安倍総理大臣から松岡農林水産大臣に対し、国産バイオ燃料の生産拡大についての指示があった。これを受けて、農林水産省を始めとした関係府省は、生産拡大に向けた工程表を策定し、今年2月に総理に報告した。その内容のポイントは、収集・運搬コストの低減(山から木を安く下ろす、稲わらを効率よく集める機械等の開発)、資源作物(エタノールを大量に生産できる作物)の開発、エタノール変換効率の向上(稲わらや間伐材などからエタノールを大量に製造する技術の開発)の3点。これらの技術開発を進めるのと並行して、欧米やブラジルの制度を踏まえ、ガソリンへのエタノール混合率の引き上げや財政支援、税制上の措置など制度面の整備も検討されている。

諸外国と日本のバイオエタノール導入への取り組み

  ブラジル 米国 日本
導入方法
(直接混合 or ETBE)
直接混合 直接混合 直接混合、ETBE ※1
バイオエタノール
生産量(2005年)
1,607万キロリットル 1,621万キロリットル 30キロリットル(実証段階)
原材料 サトウキビ トウモロコシ サトウキビ糖みつ、建設発生木材など
混合率 20〜25%で義務化
* E100も一部で導入
10%(ミネソタ、ハワイ、モンタナ、ミズーリ、ワシントンの5州で義務化)
* E85も一部で導入 ※2
上限3%(揮発油等の品質の確保等に関する法律)
税制優遇措置 約15円/リットルの減免 約16円/リットルの物品税控除
導入目標/義務 混合率20%を基本としてエタノールの供給状況に応じて20〜25%の間で変更可能 2005年エネルギー政策法・再生可能燃料基準(RFS):自動車燃料に含まれる再生可能燃料を2012年に2800万キロリットルとする
出典:
F.O.Licht,world Ethanol&Biofuels Report 2006、EurObserv'ER,Biofuels Barometer2006、エコ燃料利用推進会議資料、農林水産省調べ、一部換算値を含む
※1
ETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)とは、石油製造過程の副産物であるイソブテンとバイオエタノールから製造されるガソリンの添加剤である。
※2
ミズーリ州、ワシントン州は2008年より施行。

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