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【 affラボ 】 世界初!果肉の厚みが倍増の「種子なしビワ」


外見は従来のビワとほとんど変わらない種子なしビワ「希房」 果肉の厚みが倍増したことがよく分かる縦断面
横断面
外見は従来のビワとほとんど変わらない種子なしビワ「希房」(左)果肉の厚みが倍増したことがよく分かる縦断面(右上)と横断面(右下)


初夏の果物、ビワ。甘くてみずみずしく、この時期にしか出回らない果物ですが、唯一の難点は実の中に種の占める割合が大きいこと。「ビワの種子がなかったら……」という願いは古くからあったようで、大正時代には、すでに種子なしビワの研究が始められていたようです。

同様に種子が煩わしいと思われていたブドウの種子をなくす技術は1950年ごろには実用化されましたが、種子なしビワの開発は難航しました。2003年になって、千葉県農業総合研究センター暖地園芸研究所がビワの種子をなくす技術の開発に世界で初めて成功、種子なしビワ「希房」が品種登録されました。現在、苗木の販売が始まったところで、1~2年後には、種のないビワが市場に並ぶ見込みです。

同研究所果樹研究室の八幡茂木室長によると「ビワは種子がなければ実ができない性質が強く、ブドウのように生育調整剤のジベレリンを与えるだけで種子を消すことは難しいのです。そこで、受精を困難にして種子をできにくくするために、一つの細胞に3対の染色体のある3倍体のビワを作りました。2倍体の人間は23本の染色体を2組持っており、受精の時には父方から1組、母方から1組の染色体を受け継ぎ、親と同じ2倍体となります。ビワも通常は17本の染色体が2組の2倍体。これが3組になると、きれいに2つに別れることができず、受精がうまくいきません。3倍体のビワは放っておくと花は咲いても実はできないので、生育調整剤を使います。すると種子がなくても果実が育つことが分かりました」と説明しています。

断面の写真のように、種子なしビワは大きさも従来の種子ありの品種と変わらず、果肉の厚みは倍増。味もビワ独特の甘みとみずみずしさは変わりません。

暖地園芸研究所の八幡茂木さん
暖地園芸研究所の八幡茂木さん

写真=向井渉

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