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| この連載コーナーでは、農林水産分野で先進的かつユニークな活動を行っているチャレンジャーをレポートします。 |
![]() 飼料用米の田んぼにて。「成長したら、主食米と同様、だいたいこのくらいの高さにまでなりますよ」と今野さん
Profile こんの・すすむ
1950年山形県遊佐町生まれ。山形県立庄内農業高等学校卒業後、地元で就農。農協青年部のスタッフとして、生産者と消費者の交流事業を手がけるようになる。その延長線上で、NPO法人鳥海自然ネットワークの設立に参加。 2005年、同NPO法人の理事長に就任。現在に至る。 ![]() 神奈川県から主婦を招いて実施された農業体験ツアー。 写真は、パプリカの収穫体験の模様(写真提供/庄内みどり農協)
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鳥海山の豊かな水資源と、海、山、砂丘、温泉の五大自然すべてに恵まれた山形県遊佐町(ゆざちょう)。 この多様な自然環境を守り、活用することを目的として、ゆざ環境協働組織「鳥海自然ネットワーク」が設立されたのが平成11年のこと。 3年後にはNPO法人として認証を受け、活動の幅も大きく広がった。 当時の模様を、今野さんはこう話す。 「最初に私たちが取り組んだのは、遊佐の自然の魅力を感じさせる環境づくり、自然に触れる体験の機会づくりといったことでした。 森や水辺に生息する生き物の調査やカヌーなどの川遊び、湧水を生かしたお祭りなど、さまざまなイベントを開催しましたね」。 同NPOが飼料用米の生産に関わるようになったのは4年前のこと。 その背景には、遊佐町の農業の危機的な状況があった。 古くから稲作を基幹産業としていた遊佐町だが、国民の食生活の変化により米の需要は年々低下。 稲作の生産調整面積が拡大し、遊休農地の活用が町の重要な課題となっていたのである。 「何も作らないまま田んぼを放置しておくと、見る見るうちに草木が生えてきて荒れ放題になってしまいます。 一度こうなると、もとの田んぼに戻すのは非常に難しくなってしまうのです」と今野さん。 こうした問題を解決する手段として考えられたのが、主食米とは品種が異なる飼料用米の生産だった。 今野さんはこう続ける。 「飼料用米であれば、もともと米を作っていた農家だから、新たな設備投資も必要ないし、遊佐町の中山間部では養豚が盛んなので需要もある、と見たわけです。 また、こうした動きを受けて遊佐町では、『食料自給率向上特区』を国に申請し、平成17年に認定されました。 これによって、遊佐町が耕作放棄地所有者からいったん農地を借り受けて、これを鳥海自然ネットワークに貸し付けることが可能となりました。 つまり、NPOのメンバーが、直接、飼料用米の生産を行うことができるようになったのです」。 一方で、飼料用穀物の自給率向上が、日本の農業においていかに重要かを、農業の現場を見て、体験することで理解してもらうための都市と農村の交流イベントなどを行うようにもなった。 現在、鳥海自然ネットワークのメンバーは40人。 地元の生産者、消費者ばかりでなく、東京在住の会員もいる。 「東京に住んでいる会員の方には、都市と農村の交流事業を行う際の橋渡し役をお願いしています。 今後は、こうした交流事業をこれまで以上に増やして、多くの皆さんに農業の実状を知ってもらえればと考えています」と今野さんは話している。 |
![]() NPOスタッフとともに、森の湧水を視察する今野さん(写真左)。 鳥海自然ネットワークはもともと、地域の自然環境を守ることを目的として設立された
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![]() 養豚場では、主として飼料用米を10%混合した餌が使われている(撮影協力/(株)平田牧場)
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