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![]() Profile たまむら・とよお
1945年東京生まれ。東京大学仏文科卒業。パリ大学言語学研究所に留学。73年より文筆業、83年軽井沢に移住後、87年病気静養を機会に絵を描き始める。91年長野県東部町に「ヴィラデスト農園」を開き、画家としてもデビュー。2004年「ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー」をオープン。『料理の四面体』『田園の快楽』『回転スシ世界一周』など著書多数。07年4月、芦ノ湖畔に「玉村豊男ライフアートミュージアム」開設。 |
パリ留学時代から自分で食べるものは自分で作る習慣なので、今も毎食妻のリクエストに応えて厨房に立ちます。軽井沢に移住して農業に関心を持ち、やがて東部町に農園を作って、僕はワイン用のブドウを、妻は野菜やハーブを栽培。収穫した野菜を料理し、その様子をエッセイに綴り、絵に描く。生産と創造を楽しむスローライフでした。 しかし04年にワイナリー、続いてレストランをオープンしたため、今やブドウ、野菜、ハーブの栽培自体がライフワークです。完全露地栽培は天候に左右されやすく、今年は春先の気温が低くてブドウも野菜の育ち方も遅れ気味でしたが、今は夏野菜のピーク。ズッキーニやタマネギ、レタスを、レストランと自宅用に毎日使う分だけ穫ってきて、すぐ使います。でもトマトは例外、完熟トマトはオーブンで焼いて冷凍保存がききますから。塩とオリーブ油をかけて200度のオーブンで1時間、煮詰まったトマトを真空パックします。収穫年ごとに味が異なるので、“ヴィンテージトマト”と称して堪能しています。 歳とともに早起きになって、4時には目が醒め、鳥が鳴き出すのを待ってベッドから離れるという毎日です。まず犬の散歩、それから原稿書きや絵の制作を11時ごろまで。合間にコーヒーとパン、カッテージチーズと自家製ジャムを入れたヨーグルトで軽めの朝食。レストランや売店がオープンする時刻に店へ顔を出し、午後2時過ぎにパスタなど炭水化物と野菜中心の昼食。 3時以降、スタッフとの打ち合わせや雑用を夕方までこなし、ひと休みしてから夕食づくりです。夜はたんぱく質中心、といっても野菜や肉をグリルしてワインとチーズを添えたシンプルな食卓で、8時ごろ食べ始め11時には寝てしまう。いたって健康な暮らしです。 それでも以前輸血後肝炎を患った身ですから、体重管理には気をつけないと。夏は64kg、冬は66kgをキープしていますが、最近ちょっと筋肉の衰えを自覚して筋トレを始めました。何事も専門書を入念に読んで準備する性格なので、アトリエに専用マシーンを設置し、試行錯誤しながらトレーニング法を組み立てました。筋トレはやりすぎない方が効果的と分かり、週2回と決めて、体重や血糖値をコントロールしています。 もてなし料理は、フレンチ・イタリアンやアジアンテイストを生かしたオリジナル、つまりその場にある食材でレシピも変化する玉村流です。夏場は、妻からもアジア料理のリクエストが多い。冷蔵庫にゴーヤと豆腐があったら、「チャンプルーを所望」のサイン。他にも、生春巻きやバンセオ( 浮粉(うきこ)の皮にエビやモヤシ、豚肉の具を載せて卵をまわしかけ、二つ折りにしたベトナム料理)、緑の山椒を入れた麻婆豆腐などをよく作ります。 元々、美味しいものを求めてわざわざ出かけるより、手に入る範囲で満足できるものを口にしていたい。外食も通い慣れた店が多いし、購入する調味料もいつもの味ばかりです。その延長として、今こそ生活農業が復活すればと願っています。規格外の不揃いな野菜や、お年寄りが細々と作っている古い品種などを集めて、近くの町の人に届ける。作る人も張り合いが出てこその、地産地消だと思います。 |