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旬のインタビュー 第6回

昭和女子大学学長  坂東 眞理子さん
気持ちを伝えることが“食の品格”  食を通じた愛情表現を大切に

著書『女性の品格』が150万部を突破した坂東眞理子さん。“品格のある女性”の「食」について聞いてみました。
昭和女子大学学長 坂東 眞理子さん
Profile ばんどう・まりこ
1946年、富山県生まれ。東京大学卒業後、69年、総理府入省。内閣広報室参事官、男女共同参画室長、埼玉県副知事等を経て、98年女性初の総領事(オーストラリア・ブリスベン)に就任。 2001年内閣府初代男女共同参画局長を経て、04年から昭和女子大学教授、07年4月より同大学学長。
06年10月『女性の品格・装いから生き方まで』(PHP研究所)を出版。150万部を超えるベストセラーとなる。

「料理は大好きで、忙しくても苦になりません。時間を短縮するための工夫も楽しいです」と笑う坂東さん
「料理は大好きで、忙しくても苦になりません。時間を短縮するための工夫も楽しいです」と笑う坂東さん
話題のベストセラー『女性の品格』は、昨年秋に発売されて以来、20~30代の働く女性を中心に口コミで広まり、今年7月には150万部を突破した。坂東さんは、「女性が社会に進出する中で、仕事の知識以外の分野のアドバイスが必要とされていたのかもしれません。本の内容は、昔は母から娘へ当たり前のように伝えられていた家庭や家族、生き方についての心構え。現代は社会や職場でどう振る舞うのか、女性らしいマナーとどうバランスを取るのか悩むことが多く、十分に伝わりにくくなっているのかもしれませんね」
と、本の人気の理由を分析している。

坂東さんが仕事で海外に行くと、外国の人に感心されるのが「いただきます」「ごちそうさま」というあいさつ。

「英語には『いただきます』に当たる言葉がありません。ディナーに招かれると、ホストが最初のナイフとフォークを取り上げるのが食べ始めの合図です。だから、食べ物や作ってくれた人への感謝の気持ちを表す言葉が日本語にあると言うとみんな驚きます。私も日本の素晴らしい習慣を誇らしく思います。でも、『ごちそうさま』の後にもう一言『おいしかった』が付くと、さらに良いと思います。男性は誉め言葉が苦手ですが、女性は誉められることでますます頑張ることができるようになるものです」

坂東さんも、どんなに忙しくても、家族の食事の準備は、さまざまな工夫をしながら、自分の手でやってきたという。

「何でも自分でやった方が良い、なんて精神論を言うつもりはありません。下ごしらえにフードカッターや電子レンジを使ったり、後かたづけは食器洗い機を使ったり、家電を上手に利用して時間を作るのもいいと思います。私は時間短縮のためにホウレンソウと枝豆を一緒に茹でたりしますよ(笑)。旬の食材は、あまり手を加えなくてもおいしいものです。素材の良い野菜など、蒸しただけでもおいしいですね。料理に時間をかけられないなら、出前や出来合いの惣菜より、旬の食材を使う方が良いですよね。たとえ作る過程が完璧でなくても、手作りの料理で気持ちを伝えることが大切だと思います。子どもが大きくなってきたら、一緒に食事の準備をするのもいいですね。子どもたちも作る喜びを感じて、食の大切さも自然と伝わるでしょう」。

本にも描かれた理想の“品格ある女性”の『食』に対するもう一つのこだわりは、教科書的な常識にとらわれない工夫でムダをなくすことだという。坂東さんも実践中。

「ホウレンソウはまとめて茹でて、1日目はおひたし、2日目はごま和え、3日目は他の食材と合わせた炒め物などと、味を変えていきます。冷蔵庫の残り物を考えながら、味噌汁の具も冒険してみる。アスパラガスやトウモロコシは意外と味噌に合いました。カレーを作ろうとしたら、ジャガイモがないことに気づき、大根を使ったことも。とてもおいしくて、カロリーも低いし、歯触りも良く、わが家のカレーは今やジャガイモより大根が中心です」。

この「100点を目指さなくてもいい」という姿勢のためか、『女性の品格』の読者からは「気持ちが楽になりました」という感想が多く寄せられているという。坂東さんは

「食を通してのコミュニケーションは、愛情表現の大切な手段です。気持ちが伝わるような家庭の味を作ってみてはいかがですか」

と、働く女性たちに呼びかけている。

鵜澤昭彦= 写真

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