ホーム > 報道・広報 > 2012年aff(あふ)5月号 > aff(あふ)バックナンバー > 07年10月号目次 > 特集2 季節の色を楽しむ草木染め(1)-1/2-
| 野山や庭に生い茂る植物たちを摘み、その葉、枝、茎、根などから自然の色をいただく草木染め。 古来、美しく豊かな色を楽しむために、日本人はさまざまな植物を染料として利用してきました。 |
![]() ![]() プロフィール やまざき・かずき
染色工芸家。草木染研究所柿生工房主宰。信州大学工学系研究科博士後期課程修了。国内外で草木染めの研究発表や展覧会を開催。祖父は昭和初期、伝統染色の復興に取り組み、「草木染め」と命名した山崎斌(あきら)。以来、3代続けて草木染めを守り続けている。著書に『草木染 四季の自然を染める』(山と渓谷社)など。 |
四季の移ろいが美しい日本の風土に育まれた“色”
あらゆる植物から抽出した天然染料で、糸や布を自然の色に染め上げる草木染め。藍や紅花ばかりではなく、秋は雑木林の落ち葉や栗のイガ、春は野山に自生するタンポポやヨモギなど、意外に身近な植物たちが、古くから染料として使われてきたそうです。 「わずか150年ほど前まで、私たちは自然の草や木から作った天然染料で布や糸を染め、だれもがその衣服を身につけていました。世界各国、どこの地域の人々もそれは同じで、植物、虫、貝などを原料にした自然染料を使うことが当たり前だったのです」 と語るのは、草木染研究所柿生(かきお)工房を主宰する山崎和樹さん。現存する最古の草木染めは、なんとエジプトのピラミッドから発見された四千年以上前のものとされる、藍染めの麻布。日本では、弥生時代中期とされる吉野ヶ里遺跡から日本茜などの植物を原料とした天然染料が検出されました。 「603年、聖徳太子によって制定された“冠位十二階”の制度は、最上位を紫として、青、赤、黄、白、黒の順に、冠の色で役人の階級を表すというものでした。当時、すでに紫草、藍、茜、紅花などの植物を使った高度な染色技術があったことが想像できます」 町人文化が花開いた江戸時代には、友禅、絞り染め、型染めなど、意匠を凝らした染色技術が発展。さらに木綿の栽培が盛んになり、美しいブルーの藍染めが広まりました。人々に愛された草木染めが、影を潜めたのは19世紀後半。イギリスでコールタールを原料とした赤紫色の色素が発見されたことをきっかけに、さまざまな合成染料や化学繊維が開発され、よりカラフルで丈夫な衣服が人気を集めたからだそうです。 |
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