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特集2  ごはんがすすむ和のおかず(1)-1/2-

“本当の豊かさとは、笑って白いごはんを食べられること”—野崎洋光さん

ホカホカの甘い湯気を立ち上らせるごはんは、ニッポンの食卓になくてはならない主役。
日々、食と真剣に向き合い続ける3人の達人たちに、白いごはんがすすむ「最高のおかず」を教えていただきました。

ごはんがすすむ和のおかず

野崎 洋光さん
Profile のざき・ひろみつ
1953年生まれ。福島県石川郡古殿町出身。「とく山」の料理長を経て、1989年に支店「分とく山」を開店し、総料理長となる。伝統や慣習にとらわれることなく、自らが美味しいと納得したものだけを作る。モットーは「つねに普通の感覚を忘れずに」。『魚料理』(柴田書店)、『美味しい方程式』(文化出版局)など著書多数。
ひと粒ひと粒のきらめき、白磁(はくじ)のような玉の肌、ふんわりと立ち上る甘い香り…。そんな白いごはんが一般家庭の食卓にのぼりはじめたのは、江戸時代。先人たちはそのおいしさに感謝し、ごはんに合うさまざまな和のおかずが登場しました。ごはんとおかずの名コンビについて、東京・南麻布の日本料理店「分(わけ)とく山(やま)」の野崎洋光さんは語ります。

「日本の食文化をひもとけば、かつてはどこの家庭でもかまどの炎を利用して調理をしていました。つまり昔の一般家庭の火口は、せいぜい2つ。そのため凝ったおかずを何品も並べることはもとより、“一汁三菜”を作ることさえ難しかったでしょう。そこで家庭では作ってから2〜3日間、食べ続けることができる“当座煮”が重宝しました」。

“当座煮”とは、1か月以上日持ちする保存食とは異なり、さしあたり(=当座)の間だけ保存できる惣菜のこと。いまも昔も、これがごはんのおかずにうってつけ。昔はかまどが空いているときに、その土地でとれる素材を煮炊きし、季節ごとにさまざまな当座煮を日々のおかずとして食べていました。ごはんと味噌汁と当座煮、そして七輪で焼き物を作れば立派な食膳のできあがりです。白いごはんには、「ほどよく濃い味」が欠かせないと野崎さんは続けます。

「一汁三菜の“汁”とは、味噌汁のことです。つまり白いごはんに合うのは、吸い物ではなく味噌汁ということ。味噌汁には0・8%ほどの塩分と濃い旨みがあり、ごはんと一緒にすすれば、塩分が希釈されてちょうどよい味になります。ところが、お吸い物では味が薄くて白いごはんは進みません。お吸い物の場合は、炊き込みごはんやちらし寿司と合わせると、ちょうどよい味加減になるのです」

本吉恭子、柳澤美帆=取材・文
加藤タケ美=写真

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