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チャレンジャー 第14回

滋賀県東近江市 農業組合法人 万葉の郷ぬかづか
農家の女性の手作り米粉パンで農村に新しい風を

この連載コーナーでは、農林水産分野で先進的かつユニークな活動を行っているチャレンジャーをレポートします。
パン作り担当の加工部メンバーたち
パン作り担当の加工部メンバーたち

週4日の営業日は、朝から当番のメンバーが当日分の商品をつくる。
週4日の営業日は、朝から当番のメンバーが当日分の商品をつくる。
琵琶湖の南東部に位置する滋賀県東近江市糠塚(ぬかづか)町は、万葉集の歌「茜(あかね)さす紫野(むらさきの)行き…」の舞台として知られる歴史のある地域だ。同町に2000年6月にオープンした農産物加工販売施設「万葉の郷ぬかづか」は、豊富な種類の米粉パンのもっちりとした食感が人気で、年間約1万人の来客を集めるようになった。

糠塚町では古くから、家族単位で稲作を中心とした農業が盛んに行われてきたが、1990年代後半、大規模な区画整理と大型機械導入の計画が決定。細かい農作業の手伝いをしていた女性たちの手が空くことになった。

働き者の農家の女性たちは、自由になる時間ができると「むらづくりのために何かやりたい」と考え始めたという。「万葉の郷ぬかづか」加工部の野矢(のや)静江さんは「以前は家長が意見を言うものとされていました。しかし、生活環境が変わったことをきっかけに女性が発言するようになりました。みんなで地元のおいしい農産物を使って、自分たちで商品を作って売ることを決めました。書類づくりや施設の設計、加工用機械の購入まですべてに携わったんです」と当時を振り返る。

メインの商品として米粉パンが選ばれたのは、開店3か月前の2000年3月。「当初はソフトクリーム、もち米製品と洋菓子の販売を考えていましたが、『新潟でパンに使える米粉の製粉法が開発された』という話を聞いて、地元の自慢の米が使えるからと決めました。急遽新潟から職人さんに指導に来てもらって、全員で連日猛特訓して間に合わせました」と野矢さん。

慌ただしい開店から今年6月で8年。メンバーのパン作りの腕も上がり、商品の種類も増えてきた。米だけでなく、パンの生地に練り込む紫芋や、よもぎ、かぼちゃなどの食材も、できるだけ地域の農産物を使っている。パンづくりについて、「米粉パンは、材料の米によって味も変わってきます。種類や保存状態、米に含まれる水分の量によって微調整も必要で、米粉パンづくりは奥が深いと感じています。でも、地元の『環境こだわり認証米コシヒカリ』は、味にも安全性にも自信があります。最近、小麦粉の値上げなどで米粉が注目されていますが、『うちのおいしい米を食べてほしい』という気持ちで、マイペースで続けます」と部員のみなさんは話していた。

「万葉の郷ぬかづか」のパン売り場。「おいしいと幼稚園で評判になっていたから」と若い親子連れが買いにきていた
「万葉の郷ぬかづか」のパン売り場。「おいしいと幼稚園で評判になっていたから」と若い親子連れが買いにきていた
広い田んぼの中にある「万葉の郷ぬかづか」。併設されている農産物直売所も人気。
広い田んぼの中にある「万葉の郷ぬかづか」。併設されている農産物直売所も人気。

地元産の米を専用の製粉機にかける。
地元産の米を専用の製粉機にかける。
一番人気の食パン。季節によってよもぎ入りや紫芋入りなども発売。
一番人気の食パン。季節によってよもぎ入りや紫芋入りなども発売。

「万葉の郷ぬかづか」ホームページ http://www.bcap.co.jp/manyonosato/ 板橋雄一=写真

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