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魚柄仁之助の「もったいなくない食生活」 第1回

美味かつ健康的!昭和12年の卵料理2品


昭和12年発行「婦人倶楽部」(講談社)の付録「家庭西洋料理全集」より
昭和12年発行「婦人倶楽部」(講談社)の付録「家庭西洋料理全集」より

魚柄 仁之助さん
Profile うおつか・じんのすけ
食文化史研究家。1956年、福岡県北九州生まれ。大学で農業を学び、その後バイク店を18カ月間、古道具店を10年間経営。以後、健康的で無駄のない食生活を提言し続ける。『冷蔵庫で食品を腐らす日本人』『うおつか流 大人の食育』など著書多数。最新刊は『冷蔵庫で食品を腐らせない日本人』。
現代のニッポン人なら1日に卵1個くらいは当然のように食べておるでしょうが、昭和12年のレシピによると、なんと5人で卵1個なんですな。これならコレステロールの心配も入り込むスキがございませんわ。和風、洋風2種類の卵料理を昭和12年のレシピからとりあげてみました。

まずは卵味噌です。味噌は何でもいいのですが、やや甘口の白味噌か、麦味噌がやわらかな味に仕上がります。おいしく仕上げるにはすり鉢でなめらかになるまですりあわせることですね。そいつを鍋に入れて火にかけるのですが、超弱火にして木ベラでたえずかきまぜつづけます。ちょっと気を抜くとこげちゃうので要注意! 熱が通ってくると、卵がかたまり始めるのでトロッとしてまいります。それで完成。この卵味噌はごはんに良し、冷や奴やキュウリにもよろしい。きざみネギや七味、山椒の粉などを加えても旨かったです。

もうひとつはちょいと洋風な人参クリームってやつです。ゆでてすりつぶした人参、大さじ5杯って、だいたい人参1本にあたります。これに卵黄、片栗粉、牛乳を加えてから火にかけ、これまた木ベラでかきまぜておりますと、こちらもトロミがついてきて完成ですな。完成したら瓶に移して冷ましますと保存性もよくなるのです。この人参クリームはサラダドレッシングやトーストに最適ですね。あっさり味のキュウリ、タマネギ、レタス、カイワレなんぞにたっぷりかけてみると、まろやかーな味になるのでした。

今回はこの卵料理に合うごはんとしてひじき飯をやってみたですよ。と言っても、炊飯時に芽ひじきをパラパラっと米の上にふりかけて炊いただけなの。カルシウムたっぷりの「鉄骨飯」ってとこですな。

現代人は動物性タンパク質、脂肪の摂りすぎが心配されておりますが、大豆食品の味噌でのばしたり、人参でのばしたりすれば、少量の動物性タンパク質でも満足感にひたれるのでした。

美味かつ健康的!昭和12年の卵料理2品 【卵味噌】
材料(5人前)
味噌大さじ3、みりん大さじ3、卵1個

作り方
材料を一度すりまぜてから、弱火にかけ、卵が半熟程度になるように粘り気がでてくるまで練る。ねっとりと粘り気が出てきたら火から下ろす。


【人参クリーム】
材料(5人前)
人参1本(ゆでてすりつぶして大さじ5)、牛乳90cc、塩小さじ1杯半、コショウ少々、片栗粉小さじ2、卵黄1個分

作り方
材料をよくまぜて弱火にかけ、かき回しながら、味噌程度の固さになるまで練ってから火から下ろす。
写真=加藤タケ美

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