ホーム > 報道・広報 > 2012年aff(あふ)5月号 > aff(あふ)バックナンバー > 08年7月号目次 > 魚柄仁之助の「もったいなくない食生活」 第3回
![]() 昭和12年発行「婦人倶楽部」(講談社)の付録「家庭西洋料理全集」より
![]() Profile うおつか・じんのすけ
食文化史研究家。1956年、福岡県北九州生まれ。大学で農業を学び、その後バイク店を18カ月間、古道具店を10年間経営。以後、健康的で無駄のない食生活を提言し続ける。『冷蔵庫で食品を腐らす日本人』『うおつか流 大人の食育』など著書多数。最新刊は『冷蔵庫で食品を腐らせない日本人』。 |
これは昭和10年代のレシピをもとに再現してみたんですが、いやはや、ハイカラですね。「サンマ、塩焼き、大根おろし」といったニッポニアニッポン流とはかけ離れております。それにつけても昭和の初期、何で牛乳焼きだったんだろー?と考えてみたですよ。 当時は冷蔵庫が普及してないし、流通も不便だったから鮮度のいいサンマではなかったハズ。生サンマといっても腐敗予防のため、ひと塩したものと考えるべきでしょうね。そんな鮮度だから当然生臭かったでしょう。その生臭さを消す意味で牛乳漬けにしたのですな。 今日のような鮮度のいいサンマだったら別に牛乳に浸すこともなかろーと思いつつも、実際にやってみるとこれが何ともおしゃれな味なのだ。牛乳漬けにした後、ただ焼いただけでもすこぶるクリーミーなサンマ焼きになっております。そして何よりも上にかけるソースがウマイ。当時のレシピにはメルテッドバターソースと表記されており、まさに欧州風ソースってとこですね。フライパンでバターを溶かし、そこに小麦粉を入れてよく炒め、サンマを漬けた牛乳を少しずつ加えて木べらでかきまぜるとドロリとしたソースになる。サンマの塩焼きだと、大根おろし程度だが、このメルテッドバターソースがあると、セロリ、タマネギ、キュウリなどのサラダと相性がいいので生野菜をバリバリ食べられるんですな。サンマに限らず、アジやイワシなどにも使える料理方法でありました。 そしてこの写真のはじっこにハニカミながら写っているのがじゃこ飯です。炊きあがったごはんにちりめんじゃこを混ぜたごはん…と思っちゃイカンです。サンマを三枚におろしたときの中骨を米といっしょに炊いたごはんなの。サッとあぶった中骨を米と一緒に炊くと、けっこうダシが出たサンマごはんになるんですね。そのごはんにちりめんじゃこを混ぜる。そしてサンマの頭、腹の身を使って吸い物をつくる。吸い物ったって具は麩やわかめ、ネギ程度で十分なのです。サンマ一匹でごはんとおかずと吸い物ぜーんぶOK! |
![]() |
【サンマの牛乳焼き】 作り方(1人分)
|