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魚柄仁之助の「もったいなくない食生活」 第4回

少量の肉でも大満足“ボストンの名物料理(れうり)”


昭和12 年発行「婦人倶楽部」(講談社)の付録「家庭西洋料理全集」より
昭和12年発行「婦人倶楽部」(講談社)の付録「家庭西洋料理全集」より

魚柄 仁之助さん
Profile うおつか・じんのすけ
食文化史研究家。1956年、福岡県北九州生まれ。大学で農業を学び、その後バイク店を18カ月間、古道具店を10年間経営。以後、健康的で無駄のない食生活を提言し続ける。『冷蔵庫で食品を腐らす日本人』『うおつか流 大人の食育』など著書多数。最新刊は『冷蔵庫で食品を腐らせない日本人』。
昭和12年のレシピをもとにしたんだが、実は私の本にもほぼ同じ料理をかつて載せたので、今回はそちらでやってみました。

大豆はひと晩水に漬けとけば戻る。それをフツーは20分ばかり茹でるのだが、ここでは水を使わず、すりおろしたトマトで煮るのです。昭和12年のレシピではトマトを湯むきするとなっておりますが、おろし金でおろすと、ちゃあんとヘタと皮が残るのです。大豆ぐらいの大きさに切ったバラ肉から豚の脂がにじみ出て、それがトマトに含まれるうま味の素、グルタミン酸とくっついて、得も言われぬ滋味をつくりだすんですなぁ。

トマトの水分が無くなるくらいまで煮詰めると、うま味もギュッと凝縮され、「これ、化学調味料じゃないの?」というくらいの味ですぞ。2合(360cc)の大豆で5人前だから1人前約70cc。それに対して豚肉は1人前なんと36g!。

昔の人の肉の使い方はニクイくらいに上手ですな。こんな少ない肉なのに、大豆やトマトとからむとバランスのとれた料理になるんですなぁ。大豆や穀物を飼料にして育てた豚肉はちょっぴりあればよろしい。その肉を味つけにして大豆をたっぷり食べるのがカラダにも食料生産にもいいんじゃないでしょか?

地中海料理ではよくトマトを炒めたり煮たりしますが、あれはトマトのうま味を引っ張り出してんですね。この地中海っぽい大豆料理をおかずにして雑穀入りのごはんをたっぷり食べちゃうのだ。

ここでは白米と玄米を1対1とし、研いだ後、1時間水に浸しておく。押し麦、もちきび、粟をそれぞれ大さじ1杯くらいふりかけ、そのまま炊きます。今回の雑穀は水に浸さなくてもいいものばかりです。

じつは今回の撮影後、残ったベークビーンズに水と「おろしジャガイモ」を加えて煮立て、カレーパウダーを使ってサラサラの豆カレーに変身させたのでした。これまた夏向きでウマカッタ!

少量の肉でも大満足“ボストンの名物料理(れうり)” 【ベークビーンズ】
材料(5人分)
大豆2合(360cc)、豚バラ肉50匁(180g)、小タマネギ1個、中トマト6個、塩・コショウ各適宜

作り方
  1. 豚バラ肉は大豆と同じくらいの大きさに切り、ひと晩水に浸した大豆と一緒にフライパンに入れて中火にかける。
  2. フライパンの上でトマトをおろし金でおろし、じっくり煮詰め、塩、コショウで味つけをする。
加藤タケ美=写真
陶器作成=堀込和佳

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