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特集1 ふるさと 夏体験(3)-1/2-

「武蔵野市セカンドスクール」からのアドバイス
“卒業生”たちの「ふるさと夏体験」

1992年、東京・武蔵野市で「ふるさと子ども夢学校」の“種”ともいえる取り組みが始まりました。
その名は「武蔵野市セカンドスクール」。
全国に先駆けて“緑の学校”を体験した子どもたちに、大きくなったいま、当時を振り返ってもらいました。
阿部 修登さん
阿部 修登さん(大学2年生)
小学5年生の時に参加
実施地:山形県遊佐町 9泊10日

空き缶にわらを貼ったペン立て
あの別世界で吸収したものは、言葉では表現できないくらい大きなものでした。

ずいぶん前のことなので、正直言って細かいことはあまり覚えていないんです。ただ、山があって田んぼが広がっていて、そこには5年生の男の子が騒いだり、走り回ったりするぐらいのことなら、笑って見守ってくれる農家のおじさんがいる。そんな東京とは全く違う世界で数日間を過ごしたという記憶は確実に残っています。

行く前は、「めんどくさい」ぐらいにしか思っていなかったんだけど、行ったらすべてが珍しくて、全力で活動しました。稲刈りすれば競争して、山登りすれば全力で走って。あまりに子どもすぎて、セカンドスクールの意味なんて分かっていなかったんじゃないかな。

10日も親元を離れて集団生活するのは、みんな初めての経験。テレビもマンガもゲームも、いつもあるものが何もないんです。5日目ぐらいになると、集団生活にも疲れてきて、ちょっとしたことでケンカになったりするんですよ。でも、それを乗り越えたことに意味があったんじゃないかと思います。

これは、農作業を教えてくれた農家で最後の日につくったペン立てなんです。空き缶にわらを貼っただけで、実はすごく使いにくいんですよ。でもなんだか捨てられなくて、今でも机の上にあります。

稲刈りの後に、農家のおばさんが作ってくれたおにぎりがうまかったな。いま考えると、農家の人はどんなに大変だっただろうと思いますよ。小学生に農作業を教えて、あんなにたくさんのおにぎりを作って……。大人になってようやく分かることってありますよね。中学や高校でも行ったら、もっといろんなことが分かったかも。

後輩たちにもぜひ体験してほしいです。でも、感想文だけは書かせないでほしいですね(笑)。子どもたちは言葉でなんて表現しきれないものをたくさん吸収して帰ってくるんですから。

撮影=向井渉


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