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特集2  季節の食材まるかじり 第3回(4)

かつおのプロに聞く 株式会社マルサヤ 代表取締役社長 二神 英治さん
かつお節製造販売業社長が語る 日本の味を守り伝える努力


二神 英治さん
株式会社マルサヤ 代表取締役社長
二神 英治さん

左/関東風の上質なそばつゆ用として人気の「本枯本節二年物」。右/関西のうどんつゆに合う「荒節」は製造から約2〜3週間の状態。
左/関東風の上質なそばつゆ用として人気の「本枯本節二年物」
右/関西のうどんつゆに合う「荒節」は製造から約2〜3週間の状態
関東と関西の味とかつお節の違い

かつお節は、カツオを長時間かけて乾燥・熟成させることで、うま味を凝縮させたものです。漁場や漁法による原料の違いや、加工法の違いで微妙な違いがあります。脂が乗り切った「戻りガツオ」は、固まりにくくかつお節には向きません。また、脂肪分がなくても良いだしがとれません。ほどよく脂の乗ったカツオがおいしいかつお節になります。

かつお節というと、堅く干したカツオの身に薄茶色の粉がまぶされたようなものを思い浮かべる方が多いでしょう。これは、煮て燻(いぶ)したカツオに、カビを付けてさらに乾燥・熟成を進めた「枯本節(かれほんぶし)」です。うま味が凝縮して雑味も少なく、手打ちそばなどによく合います。主に関東圏で古くから使われてきました。さらにマルサヤでは、この枯本節を製造から二年以上乾燥・熟成させて旨味を極限まで熟成させた「本枯本節二年物」も多く扱っており、本格派の手打ち蕎麦店様を中心にご好評をいただいております。

一方、関西圏のうどんつゆには、カツオを煮て燻した状態のままの「荒節(あらぶし)」がよく使われます。こちらは、魚っぽさに近いコクと強い香りが特徴です。

しかし、最近では、製造工程が短期間で価格も安い「荒節」が大多数となっています。「枯本節」をつくるには熟練の職人技が必要で、その技術を絶やさないためにも、多くの消費者にこの味を知ってもらいたいと思います。


値上げしても消費者が納得する味

昨今の燃油価格の上昇や欧米における魚食の浸透・拡大による影響は、かつお節にとっても無縁ではなく、一昨年から原料価格が上昇を続けております。

原料価格の上昇を受け、マルサヤでも価格改定をさせていただきましたが、ほぼ全てのお客様で価格改定をご理解いただき、品質を落としてまで値上げを回避するお客様はほとんどいらっしゃいませんでした。やはり、そばうどん店やラーメン店といった専門店の皆様では味が変わるリスクの方が大きいと判断されたようです。

あるそば店では、他の材料の高騰もあり、やむなく100円の値上げを決意した際に、ただ値上げするだけではお客様に申し訳ないと、だしのかつお節のランクアップやそば粉の質を上げることで、値上げ当初は客足が遠のいたものの、3日目ごろから「味が良くなった」と口コミで広まり、売り上げも客数も増加するという予想外のうれしい結果になったそうです。

この店主など、若い経営者たちのかつおだしに対する研究の熱心さには驚かされることが多いです。本物を追求する彼らの姿勢がお客様をひきつけているのだと思います。


だしを味わうことは日本人の特権

「消費者は安いものを求めている」といわれますが、消費者のニーズはそれだけではないように思います。本当によいもの、おいしいものを求める消費者心理も強いはずです。特に、かつお節は古くから日本の食文化を支えてきた大切な食材です。だしの微妙な味わいを楽しむことは、日本人の特権だと思います。

忙しいときは化学調味料や既成のめんつゆなどを使っても、せめて週末の家族の団欒の一時などは、本物のかつお節からだしを取って、“日本の味”を忘れないようにしていただきたいと思います。

厚削り・じっくり煮だして濃厚なだしを取るのに最適。そばつゆなどに
厚削り・じっくり煮だして濃厚なだしを取るのに最適。そばつゆなどに
薄削り(花かつお)・短時間で上品なだしが取れ、トッピングとしても使う
薄削り(花かつお)・短時間で上品なだしが取れ、トッピングとしても使う
粉砕・かつお節を顆粒状に粉砕したもので、短時間でだしが取れ、香りも強い
粉砕・かつお節を顆粒状に粉砕したもので、短時間でだしが取れ、香りも強い

株式会社マルサヤのホームページ http://www.katuobusi.com

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