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特集2  季節の食材まるかじり 第5回(1)

シイタケで秋をおいしく
この秋、味わってみませんか?日本産の原木乾シイタケ

秋の味覚、シイタケ…とかく脇役と見られがちですが、じつは、類いまれな実力を秘めた食材なのです。
この特集で、その実力を再認識してください。
シイタケで秋をおいしく
豊臣秀吉が天皇をもてなしたシイタケ料理

秋の味覚、きのこ。その中でも代表選手と言えるのがシイタケです。シイタケには生シイタケと乾シイタケがありますが、今回の特集では、乾シイタケをクローズアップしてご紹介します。なぜなら、乾シイタケは生シイタケに比べ、うまみや香り、栄養価がぐんとアップするからです。

日本人は縄文時代からきのこを食べていたと考えられ、「日本書紀」には「住民が応仁天皇にきのこを献上した」との記述が出てきます。室町時代後期、茶会が盛んになり懐石料理が出来上がると、きのこが食材として使用される機会もさらに増えたようです。中でも、豊臣秀吉が聚楽第に時の後陽成天皇の行幸をあおいだ際の献立にもシイタケが使われていました。

「徳川実記」にも二条城への天皇行幸の際のきのこ尽くしの献立が紹介され、「椎茸の御汁」との記述があります。


乾すことでうまみも栄養価もUP

こうした料理に使われていたのはほとんど乾シイタケだったようです。

シイタケのうまみ成分であるグアニル酸は、乾燥させることで、生シイタケの約10倍に増えます。シイタケの細胞には、「リボ核酸」と、それを分解してうまみに変える「酵素」が存在していますが、生シイタケの生きた細胞の中では酵素が自由に動けないように調節がなされています。ところが乾燥させると細胞が壊れ、このコントロールがなくなります。この状態の乾シイタケを水戻しして加熱調理すると、酵素が再び働き始め、その結果、グアニル酸が10倍にも増えるのです。

香りについても同様です。生シイタケに含まれているレンチニン酸が、酵素の働きによってレンチオニンという香り成分に変化するのです。

また、乾シイタケは、栄養価の面でも優れています。シイタケはビタミンDを豊富に含んでいます。ビタミンDは、腸からのカルシウムの吸収や、骨へのカルシウム吸着に大きな役割を果たしています。調理する前に1〜2時間、太陽の光に当てると、ビタミンDの量は1000倍以上にも増えます。

おいしくて栄養価も満点の乾シイタケ。この秋、ぜひ味わってみませんか?

冬茄(どんこ)
冬茄(どんこ)
傘が開ききらないうちに採取したもの。傘の肉が厚く、縁は内側に強く巻き込み、全体が丸みを帯びています。
香信(こうしん)
香信(こうしん)
傘が開いてから採取したもの。冬茄に比べて傘の肉が薄く、巻き込みは浅く扁平な形をしています。

参考資料:「なぜ今、日本産乾しいたけなのか」
(日本産・原木乾しいたけをすすめる会)
加藤タケ美、坂本政十賜、高橋久雄=写真

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