【affラボ】 若い世代にアピールする 新食感の大きいカキ「太秋(たいしゅう)」
affラボでは、暮らしに役立つ農林水産分野の最新の研究成果を紹介します。
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上/「太秋」(左)は「富有」(右)よりふた回りほど大きい(撮影/こすだゆきこ)
左/11月初旬から収穫が始まる「太秋」。ナシのようなサクッとした食感が特徴だという(写真提供/農研機構果樹研究所)
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古くは「古事記」や「日本書紀」にも登場するなど、秋の代表的な果物として、日本人に愛されてきたカキ。今のように菓子類の豊富な時代になるまで、カキは日本の食卓になくてはならない大切な“甘味”でした。しかし、この数年、カキの生産量は低迷し、生産者や研究者の間では「年配の人には人気があるのに、若い層の消費が伸びない」というのが共通の悩みとなっていました。
そこで、農研機構果樹研究所ブドウ・カキ研究チームが開発した「太秋」に期待が高まっています。最大の特徴は、その大きさと食味の良さです。全国のカキの栽培面積の2割以上を占める「富有」の実が250〜300グラム程度なのに対し、「太秋」は、1つ400〜500グラムにまで育ちます。味の方も、おいしいカキの条件といわれる、やわらかさと果汁の多さ、そして甘さを兼ね備えています。
同研究チーム上席研究員の佐藤明彦さんは「やわらかくておいしいカキというと、今まではトロッした食感が多かったのですが、『太秋』は、サクッとした歯触りが特徴で、ナシに似た食感です。試食などでは、若い人にも好評でした。『太秋』の名の『太』という文字には、『大』よりさらに大きくという願いを込めています」と説明しています。
「太秋」は、1977年に交配され、94年に公表された品種。「桃栗3年、柿8年」という言葉の通り、果樹は実ができるようになるまでに長い年月がかかるため、品種登録され、生産者が以前の品種から植え換えて栽培を始め、消費者に認知されるまでに時間がかかります。しかし、佐藤さんは生産の量の増え方について「『太秋』は早い方だと思います。大きさや味への期待度の高さが感じられます」と話していました。また、「太秋」がさらに広く普及するためには、栽培上の課題があるとのことです。佐藤さんは「カキの実は雌花につきますが、太秋は雄花が出やすいため収量を上げるには、剪定を強くするなどの工夫が必要です。我々も、さらにおいしく、大きくて、収量の多い品種を求めて、研究を続けています」と語っていました。