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チャレンジャー 第22回

愛媛県内子町 内子フレッシュパークからり
農業が楽しく、元気になる直売所

この連載コーナーでは、農林水産分野で先進的かつユニークな活動を行っているチャレンジャーをレポートします。
直売所のほか、レストランやパン工房なども併設。スタッフはみんな家族のよう
直売所のほか、レストランやパン工房なども併設。スタッフはみんな家族のよう

訪れる人の80%はリピーターだ。県外からも多くの客が足を運ぶ
訪れる人の80%はリピーターだ。県外からも多くの客が足を運ぶ
愛媛県のほぼ中央に位置する内子(うちこ)町。そこに、多くの客で賑にぎわう直売所「内子フレッシュパークからり」(以下からり)がある。

もともと、古くから残る町並みを中心に観光が盛んだった内子町。1975年頃からは国道沿線で果樹の露天販売や観光農園に取り組む農家が現れ始めたのを機に、本格的に観光農業に取り組むようになった。中山間地で大規模農業はできない、農業従事者の高齢化などの問題を抱えていたが、一年を通してモモやブドウといった果物から、イモ類やホウレンソウ、ハクサイなど「バナナ以外は何でも作れる」といった意気ごみで取り組んでいる。

「農業でも儲かる仕組みを作りたかった。一見デメリットに見えることも、身の丈に合った方法を考えればメリットに変わるんです」と、からりの代表取締役である高本厚美さんは話す。すべて内子町産にこだわり、多品目かつ、オンリーワンの魅力も兼ね備え、平成6年、からりの前身である「内の子市場」をオープン。それから約3年後にからりを設立し、その豊富な農作物を消費者に届けるため、さらに内子ならではのアイデアを活かすこととなる。それは「からりネット」というPOSシステム(販売時点管理)を利用した出荷・販売・在庫管理だ。このシステムを導入したことで、高本さんは「作りたいものがあれば勉強して工夫したり、同じものばかりにならないようにしたりと、各生産者が自分で考えて農作業するようになりました。売り上げが目に見えて分かると楽しくなるようです。また、からりネットなどハイテクを導入することで農業のイメージが変わり、後継者確保にもつながっています」と話す。ほかにも、台所を預かり、生活に根付いた目を持つ女性や、経験と知恵が豊富な高齢者の活用、農薬や肥料を禁止・制限した環境保全型農業を目指したことやトレーサビリティの整備などが差別化につながり、順調に集客を伸ばしてきた。

「巨額を投資したシステムだけ作って、後は農家任せではうまくいきません。からりも一気呵成(かせい)にできたわけではなく、一つひとつ課題や目標を達成してここまできました」

内の子市場の立ち上げから15年。当初は約80戸の農家が参加するのみだったが、今では430戸まで増え、4000万だった売り上げも7億までになった。年間60万人が訪れ、中には年収1000万を超える生産者もいるという。それでも高本さんは、「直売所だけが盛況でも、それは成功ではない」と話す。野菜の生産と加工品が両輪のごとく回り、農家の収入が安定して初めて成功だ、と。そのために、今後は加工場の生産ライン整備に力を注ぐ。

また一つ目標をクリアし、からりが新たな魅力を増す日もそう遠くないはずだ。

バーコードで生産者の栽培履歴を確認することができる。「エコうちこマーク」は、内子町で定められた基準をクリアした低農薬野菜の印
バーコードで生産者の栽培履歴を確認することができる。「エコうちこマーク」は、内子町で定められた基準をクリアした低農薬野菜の印
「からりネット」は、操作を簡単にし、誰もが使えるように工夫した
「からりネット」は、操作を簡単にし、誰もが使えるように工夫した

生産者で組織する品質監査委員会の委員が、毎日品質をチェックする 農作業中でも、携帯電話で売り上げ情報が手に入る。生産者の一人である田中京子さんは1日3回配信される情報を元に、追加出荷や次の日の出荷野菜を決め、新鮮な野菜を届ける。「からりがあるから、たくさんの人が内子を知って訪れてくれる。からりは誇りです」と話す
上/農作業中でも、携帯電話で売り上げ情報が手に入る。生産者の一人である田中京子さんは1日3回配信される情報を元に、追加出荷や次の日の出荷野菜を決め、新鮮な野菜を届ける。「からりがあるから、たくさんの人が内子を知って訪れてくれる。からりは誇りです」と話す

左/生産者で組織する品質監査委員会の委員が、毎日品質をチェックする

内子フレッシュパークからりHP http://www.karari.jp 板橋雄一=写真

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