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魚柄仁之助の「もったいなくない食生活」 第8回

冷えた体もポッカポカ昭和14年の冬の味“満州式うどん”


魚柄 仁之助さん
Profile うおつか・じんのすけ
食文化史研究家。1956年、福岡県北九州生まれ。大学で農業を学び、その後バイク店を18カ月間、古道具店を10年間経営。以後、健康的で無駄のない食生活を提言し続ける。『冷蔵庫で食品を腐らす日本人』『うおつか流 大人の食育』など著書多数。最新刊は『食べかた上手だった日本人』。
昭和14年発行「主婦之友」(主婦之友社)の付録「冬の温かい經濟料理の作方五百種」より
昭和14年発行「主婦之友」(主婦之友社)の付録「冬の温かい經濟料理の作方五百種」より

満州式うどん…いまで言うところの五目あんかけそばの原型ですね。昭和14年の「冬の温かい經濟料理の作方五百種」(主婦之友新年號附録)に出ておった料理であります。冬場のさぶうい晩の夜食なんぞにうってつけですなぁ。

では、作り方をちょいとくわしくひもといてみまっす。

具材はとにかくたっぷりの野菜でして、レシピにある白菜、タマネギ、もやしにとどまらず、キャベツ、ネギ、ニンニク、ショウガ、チンゲンサイ、ホウレンソウ、ピーマンなど、冷蔵庫に入ってる物を片っ端から細かく切って入れてくださいまし。ほかにキノコ類、シイタケやキクラゲなどもおススメです。

これらを炒める時には中華鍋がベストでしょう。小さなフライパンだと火の通りがよろしくないので、できれば中華鍋でやってくださいまし。当時の味を再現したければ、油はやっぱりラードかゴマ油でございましょう。やや多めの油で、まずスライスしたニンニクやショウガをさっと炒め、続いて細かく切った具材を炒めます。もやしは最後に入れ、すぐにスープ、調味料、水溶き片栗粉を加え、もやしがまだシャキシャキしているうちに、とろみのついたあんを熱々に仕上げます。2カップのスープなので360ccになり、水溶き片栗粉を加えりゃ410cc、かなりの量のとろみ汁となりますので、器は深皿か中華丼を用意してください。

とろみ汁といえば、わが国では金沢名物「治部煮(じぶに)」などがあり、とろみあんかけといえば五目あんかけそば、かた焼きそば、中華丼などが今日ではよく食べられております。とろみのあんとじは口中にも旨味が残り、どこかホッとするものがあるんですなぁ。ウチではこのあんとじに、あたしはラー油をたらし、同居人は練り辛子と酢をかけて食べております。やわらか麺なら稲庭うどん、シコシコ派はさぬき、パスタ系ならきしめんがおススメであります。

満州式うどん 【満州式うどん】
材料(1人分)
うどん玉1個、白菜1枚、タマネギ1/3個、豚小間切れ肉20g 、もやし1カップ、だし汁または鶏ガラスープ2カップ、酒、しょうゆ、砂糖、片栗粉各大さじ1、塩1〜2g

作り方
  1. うどん玉は熱湯で温め、水を切って深皿に盛る。
  2. 白菜、タマネギ、豚肉を細かく切って油で炒め、最後にもやしを入れる。
  3. だし汁を入れ、調味料、水溶き片栗粉を加えスープにとろみをつける。
写真=加藤タケ美
陶器作成=堀込和佳

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