ホーム > 報道・広報 > 2012年aff(あふ)5月号 > aff(あふ)バックナンバー > 09年3月号目次 > 特集2 季節の食材まるかじり 第8回(1)


ここから本文です。


特集2 季節の食材まるかじり 第8回(1)

むいてもむいても キャベツ

キャベツは「どこの家庭の冷蔵庫にも一年中ある野菜」といわれています。冬から春に季節が変わろうとしている今、寒玉キャベツ、春キャベツが出そろい、一年でいちばんキャベツのおいしさを感じられるようになりました。
むいてもむいても キャベツ

収穫を待つ春キャベツ。内側の葉まで鮮やかな緑色をしており、寒玉に比べると少し小ぶりで、断面も丸くなる
収穫を待つ春キャベツ。内側の葉まで鮮やかな緑色をしており、寒玉に比べると少し小ぶりで、断面も丸くなる
キャベツの祖先は青汁のケール

「キャベツ」の遠い祖先は、青汁の原料として知られる「ケール」です。紀元前、野生のケールが地中海沿岸などで見つかり、古代ギリシャやローマでは、薬草として珍重されていたと伝えられています。キャベツの祖先は、現在のように丸く結球していなかったのです。

その後、ケールが人の手で栽培されるようになり、改良が進み、花の部分を食べるブロッコリーや、葉の付け根のわき芽の部分を食べる芽キャベツなどが次々に誕生しました。ヨーロッパで現在のようにたくさんの葉が巻いて丸くなるキャベツが登場したのは、13世紀頃といわれています。

キャベツの千切りを使ったサラダ「コールスロー」の名にもあるように、ドイツ語でキャベツを表す言葉は「kohl(コール)」。祖先の「ケール」から変化したものです。コール元首相など、ドイツでは人の姓にもなるなど、キャベツが現地の文化に根付いていることがうかがわれます。

日本に伝わったのは、江戸時代の中頃。オランダから中国を経て、長崎の出島に上陸しました。当時は食用としてではなく、観賞用とされ、日本の職人たちが改良したのが葉ぼたんです。

江戸時代末期にようやく伝来した食用の結球キャベツは、明治時代になり洋食文化が広まるにつれて普及していきました。明治30年代後半には、とんかつの流行とともに、付け合わせのキャベツの千切りも定着。キャベツ人気は不動のものになりました。

現在、国内では作付面積、収穫量ともに大根についで第2位となっています。


寒玉キャベツと春キャベツそれぞれのおいしさ

キャベツは日本での本格的な栽培が始まってからも“進化”を続けています。季節や生産地に合わせた品種が次々に開発され、今では1年中、日本の国内から出荷されるようになりました。

11月から3月にかけて収穫されるのが、固く締まり中が白っぽい寒玉(冬)キャベツ。巻きが固くて重いものが良いといわれています。お好み焼きや、回鍋肉(ホイコーロー)、ロールキャベツなど、さまざまな料理の材料に使うと甘みが増して、おいしくなります。

3〜6月頃収穫される、葉がやわらかく鮮やかな緑の春キャベツは、サラダなど生で食べるのに最適。首都圏などで人気が高く、1〜3月でも収穫できる春系キャベツも作られています。寒玉系とは逆に、巻きが柔らかく弾力があるものが良いといわれています。夏秋どりのキャベツ(高原キャベツ)が登場するまで楽しめます。

今が旬のキャベツを食べ比べて、春の訪れを感じてみませんか。

キャベツの祖先は青汁のケール

写真・資料提供/独立行政法人農畜産業振興機構 加藤タケ美、大久保惠造=写真
柳澤美帆=文

ページトップへ


アクセス・地図