【affラボ】 消費者の強いミカタ国産シジミと輸入シジミ産地を見分ける技術
affラボでは、暮らしに役立つ農林水産分野の最新の研究成果を紹介します。
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上/産地判別技術の開発で、消費者が「国産」のシジミを選べるようになった
左/シジミの産地によるDNAパターンの違い。左から国産のヤマトシジミ、北朝鮮産、中国太湖産、国産のセタシジミ。貝殻の外見が似ているヤマトシジミと北朝鮮産だが、DNA のパターンは明らかに違い、一目で判別できる
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味噌汁の具として使われるなど、日本の食事になくてはならないシジミは、かつては日本中のどこの川や湖でもとることができましたが、1980年代以降、急激に漁獲量が減少しています。このため、外国からのシジミの輸入が増えるようになりました。その一方で、輸入したシジミを国内産と偽って販売する例も多発、消費者に不安が広がり、シジミの産地判別技術の開発が求められていました。
消費者の強い要望に応えて、判別技術を確立したのが、(独)水産総合研究センター養殖研究所です。研究はまず、国内で漁獲されるさまざまなシジミと、明らかに外国で漁獲されたシジミを集めるところから始まりました。外国産では、輸入量の多い、中国産、北朝鮮産、韓国産のものが研究対象になりました。
国内のシジミは、海水と淡水が混ざったところに生息するヤマトシジミ、淡水に生息するマシジミ、セタシジミの3種類があります。このうち、一番漁獲量が多いヤマトシジミと、外国産のシジミは貝殻が似ており、外見から産地を判断するのは難しい状況でした。しかし、研究の結果、シジミは漁獲された国によって種類が違い、DNAの配列も違うことが分かりました。この結果、最も安定的で信頼度の高い判別技術としてDNAを用いた方法が開発されることになりました。
当時、開発に携わった小林正裕さん(現・西海区水産研究所)は「DNAを扱ったことのない人でも、簡単に判別できる技術にすること、できるだけ高価な分析機器を必要としないことを目標にしました」と振り返ります。この技術は、特定のDNA配列を切断する酵素をシジミDNAに処理し、切断パターンの違いから産地を判別するもので、これにより産地が一目で分かるようになりました。
2004年にはこの技術を広めるための「シジミ種判別技術研修会」も行われ、今のところ、各県の水産試験場や、農林水産消費安全技術センターなど流通関係の検査機関でも用いられています。
小林さんは「研修会などでは『加工品でも判別できるか』と質問を受けますが、今のところ残念ながら生のシジミでないとできません。今後は、加工品の判別もできるように改良していきたいと思います」と話していました。
もちろん、水産物の原産地についての偽装表示の問題はシジミだけではありません。水産総合研究センターでは、シジミのほかにも、アジ、マグロ、ウナギなどの産地判別技術を開発してきました。また、おにぎりや寿司に使う海苔の産地判別についても、近い将来可能になりそうです。