ホーム > 報道・広報 > 2012年aff(あふ)2月号 > aff(あふ)バックナンバー > 09年5月号目次 > 特集2 食材まるかじり「国産大豆を食べよう!」 (4)
![]() 埼玉県産の大豆と小麦を使用し、木桶で仕込んだ香りのいい醤油。森田さんのつくった大豆はこの醤油に使われている。150mlは273円、360mlは462円、1,000mlは1,092円で販売
![]() 大豆に麹と塩水をまぜて木桶に仕込む。冬に仕込み、春から夏にかけて発酵させ、秋から冬にかけて熟成させる。桶によって仕込み月が異なるので、発酵度合いの違いがわかる
![]() 弓削多醤油4代目、弓削多洋一さん。「醤油は時間をかけてつくる貴重な調味料。本当においしい醤油を知ってほしい」。醤油のつくり方などが学べる体験施設「醤遊王国」も好評。醤油ソフトクリームやたまごかけごはんなど、意外な醤油のおいしさも体験できる
森田義政さん。1975年生まれ。実家は牧場を経営しているが、20歳の時、農業を志して独立。独学で米や麦、大豆づくりを学んだ。「農業は夢のある仕事。若い人たちに新しい農業のスタイルを見せていきたい」
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同じ土地で育った菌と大豆が出会うと、おいしい醤油ができる。
大正12年の創業当時からある杉桶などを使い、大豆を1年かけてじっくり熟成。現在の主流である脱脂加工大豆を原料とする醤油とは一線を画し、大豆を丸ごと使う「丸大豆」を原料に、手間ひまかけた伝統的な製法で醤油づくりを行っている、弓削多醤油。 「丸大豆醤油に使う大豆はすべて国産。醤油づくりには日本の土で育った大豆が適しています」と4代目の弓削多洋一さん。 日本だからできた醤油? 国産大豆が醤油に適している理由は、大豆の成分にあるそう。おいしい醤油をつくる主役の成分はたんぱく質。たんぱく質は麹菌の酵素に分解されてアミノ酸に変化し、醤油の旨味となります。そのたんぱく質が中国やアメリカの大豆と比べ、国産大豆には多く含まれているのです。 そもそも、日本の大豆は醤油づくりに適していたようです。 「日本の醤油のルーツは和歌山県の湯浅町。ここに中国から金山寺味噌の製法が伝わったことにはじまります。日本の大豆でこの味噌をつくったところ、味噌から醤?という汁がしみだした。これが今で言う、たまり醤油になったと言われています」 日本の大豆だからできた調味料。そして、その後の日本の食文化を醤油が牽引してきたことは言うまでもありません。 箘との相性を考える 弓削多醤油の商品のひとつ、木桶で大豆を熟成させてつくる「木桶仕込しょうゆ」は、地元埼玉の契約農家でつくった大豆しか使いません。 「木桶にはこの土地に根づいた菌や微生物がすみついています。同じ土地で育った大豆だと、不思議と発酵がよくなり、おいしい醤油がつくれます」 使用している大豆は国産大豆の中でも特にたんぱく質が多い「エンレイ」や「ミヤギシロメ」。埼玉県秩父の地大豆「白光」などを使うこともあります。 「醤油づくりは仕込んで桶に入れるまでが人間の仕事。あとは菌や微生物たちに任せます。菌が日本のものなら、大豆も日本のものを選んだほうが、箘もしっかり働いてくれます。」 「大豆は空気中の窒素分を取り入れ、畑に栄養を与えてくれます。大豆収穫後に種をまく麦は、肥料が半分で済みます」と教えてくれたのは、弓削多醤油の契約農家、埼玉県東松山市の森田義政さん。 森田さんが大豆をつくりはじめたのは5年前のこと。埼玉県の東松山農林振興センターで、畑を耕さずに種をまくことができる「不耕起播種機」という機械の存在を聞いたことにはじまります。当時から誰の手も借りず、一人ですべての作業を行っていた森田さんは、この機械の作業効率の良さに魅かれ、まずはレンタルで試用。手応えを感じ、翌年には購入。不耕起播種機の導入もあり、所有する14町の田んぼと6町の畑を、今も一人で切り盛りしています。 この醤油は自分でつくったものなんだって、それがちょっと自慢です。
弓削多の醤油をつくる つくった大豆をどこで使ってもらうか? ここでも親身になってくれたのが先ほどの農林振興センターの職員。地場の大豆で醤油づくりを行う弓削多さんを紹介してくれたのです。さっそく連絡をとり、交渉。その年は弓削多醤油で大豆が不足していたタイミングでもあり、すぐに契約がはじまりました。大豆をつくりはじめて2年目のことです。 森田さんの畑では、麦と大豆の2毛作の作付け体系をとっており、「エンレイ」と「白光」という大豆をつくっています。この品種は醤油の加工に適した大豆として、弓削多さんからリクエストされたもの。 「地元産の大豆を活かしてくれてうれしい。自分でつくった醤油だと思ってます」と森田さん。 大豆づくりは一般に手間がかからないとされていますが、天候に左右されやすい作物のため、安定供給が難しいとか。 「雑草を放っておくと、雑草の水分で大豆が汚れてしまいます。収量を安定させるには、収穫の時に雑草とりや湿気対策は欠かすことができません」と森田さん。 森田さんの今後の目標は、まず、出荷を安定させること。そのためにも、畑の規模はどんどん拡大していきたいと言います。 「このあたりには遊休農地がけっこうあるんです。ただ、飛び地が多いので手を出しにくい。土地を整備する必要がありますね。場所さえあれば、やる気がある若者はまだまだいっぱいいますから」 弓削多(わげた)醤油株式会社
埼玉県坂戸市多和目475番地 Tel.0120-87-0811(フリーダイヤル) |