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農林水産省

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MAFF TOPICS(4)

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MAFF PERSON 漁業取締船 漁業監督官

日本の財産「水産資源」を見張る守護者たち


海が荒れていようが真夜中で暗闇だろうが 漁業監督官は取締船に乗り24時間日本中の漁場に目を光らせ 年々巧妙化、悪質化する外国漁業船の違反に立ち向かっています。
白鴎丸
白鴎丸
白鴎丸の雄姿。全長62m・総トン数499トン。韓国・中国・ロシア・台湾など外国漁船の取締まりや指導を行っている。平常時の業務は3交代制だが、立入検査のときや事件が起これば乗組員全員で対応。外国漁船を拿捕すると徹夜になることもある

立入検査のため船へ
立入検査のため船へ。拒否すると立入検査拒否罪となるため、素直に検査を受けるが、違反を巧妙に隠蔽している悪質な漁船も多い

実際に船艙に入って厳格に漁獲量を調べる
立入検査では書類審査をして、それらの記載が正しいかを確認するため、実際に船艙に入って厳格に漁獲量を調べる

レーダー
違反船には最新のレーダーを装備しているものもある。小型取締艇を使って機動力のある取締まりも行っている

電子秤
電子秤で1箱あたりの重量を量りサンプルの平均値と総箱数から漁獲量の概数を出す。操業日誌の申告重量と大きく異なると、すべての箱を実際に計量しての検査となる
警察権を行使することもある漁場のおまわりさん

映画などの影響もあり、海上の犯罪に関しては海上保安庁の仕事、というイメージをお持ちの方も多いと思います。

実は農林水産省にも、海上での犯罪を取り締まる仕事があるのです。その仕事を行っているのが水産庁の漁業監督官です。

漁業監督官は漁業取締船に乗り、違反操業が行われていないか24時間海域を監視します。違反が疑われる漁船を見つけたら、必要に応じて立入検査を行ったり、適正な操業のための指導を行ったりしています。

彼らは漁場や漁具・漁法などを熟知しているスペシャリストであり、さらに海上の犯罪現場で被疑者の逮捕から検察官への送致といった、刑事手続きができる資格を持った漁場のおまわりさんなのです。

今回、漁業監督官のお話を伺いに取材に訪れた漁業取締船「白鴎丸」は、日本海の西から東シナ海、奄美大島の北に至る九州海域で取り締まりを行っています。

平成20年に水産庁漁業取締船の中で、もっとも多くの外国漁業船検挙実績をあげた船でもあります。

操業許可がある外国漁船の違反が激増

取締まりの対象は主に密漁船と思いきや、日本から正式に操業許可を受けた外国船の違反が急増しているとか。その多くが操業日誌不実記載という違反。操業許可を受けた漁船には1隻ごとに年間漁獲量の割り当てがあります。ところがより多く魚を獲りたいがために、1日の漁獲量を少なく操業日誌に記載するのです。3日間で300kgの漁獲量と記載されていたのに、立入検査をしたら約980kgも獲っていた事例もあったそうです。なぜ外国漁船が、違反を犯してまで日本で魚を獲るのか。それは近隣国の海に比べ、日本の海は水産資源の管理が行き届いており、魚が豊富にいるからです。

「日本の水産資源は水産業者だけではなく、日本国民の財産。外国漁船が違法行為で大量の漁をするのは我慢できません」と巽重夫船長は語ります。

荒天の日もあれば、立入検査には危険を伴うこともあります。

昼夜問わず日本の水産資源を守るために、過酷な条件下でも海を見張っている漁業監督官たち。食卓に魚が並んだら、彼らにちょっぴり思いを馳せてみませんか。


聞いちゃいました!ココだけの話 夜空を見上げて

空に輝く星。時によっては漁業監視船の、業務遂行の手助けをしてくれることもあるようです。「海が荒れているときに、無線機や航海計器が突然故障することがあります。洋上では修復することができないこともあり、また、いつ違反船が現れるか分からないので、港に引き返すべきか判断に迷うこともあります。実際、夜間の違反船の追跡中に取締艇の位置を示す計器が故障し、取締艇から見た違反漁船の方向が分からなくなったときがありました。

こんなときは夜空の星が頼りになります。取締艇に乗っていた漁業監督官たちは、取締本船からの無線で違反漁船の方向指示を受けながら北極星を基準に針路を決定し、違反漁船を拿捕しました。

次々と変化する状況の中で、適切な判断を下し乗組員に指示を与えなくてはなりません。最近では悪質な違反も増えてきています。どんなに厳しい状況のなかでも、最大限の努力を惜しまず、今後もみなさんから信頼される取締業務を続けたいと考えています」
取締船
左:取締艇(漁船に乗り込むために使用する漁業取締用のボート)/右:多数の計器が並ぶ船内

巽重夫船長
漁業取締船・白鴎丸 巽重夫船長談