このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

MAFF TOPICS(4)

  • 印刷

aff  LABORATORY 新しいタイプのサツマイモ「すいおう(翠王)」

イモよりも茎葉が主役


茎葉がおいしく食べられる新種のサツマイモ「すいおう」。さまざまな料理や加工食品の素材 夏場の葉菜として注目を集めています。
「すいおう」の茎葉
「すいおう」の茎葉はほかの品種よりも、やわらかく味もおいしい
「すいおう」を使ったお茶
「すいおう」を使ったお茶。他にも麺、ケーキ、アイスクリームにも素材として利用されている

茎葉の炒め物と天ぷら

茎葉の炒め物と天ぷら
茎葉の炒め物と天ぷら。胡麻和えやキムチ、カレーに入れるなど幅広い料理を楽しめる
厳選された品種を選抜

「茎葉が食べられるサツマイモをなんとか作れないものか」と、農研機構九州沖縄農業研究センターで研究を重ねて誕生したのが「すいおう」(緑の王様の意)です。

従来のサツマイモの茎葉は、アクが強く苦味があるため、食材としては敬遠されがちでした。

一方で豊富な栄養素が含まれており、また6月から9月までの葉菜の少ない時期に収穫できることから、夏場の葉野菜として利用できないものか、とも考えられていました。

九州沖縄農業研究センターは、1000を超える日本国内外のサツマイモの品種を、研究や品種改良のために保存しています。それらを含む多数の中から、葉のつき方や大きさ、どれほどの量の茎葉が収穫できるか、食用になりそうかなどを検討し数十種類の品種を選び出しました。

さらに味や栄養成分、加工に向いているかなど、さまざまな角度から絞り込み、品種を交配させる研究を毎年繰り返しました。

栄養価にも優れた野菜の誕生

研究に約6年間という年月を費やして作られた「すいおう」は、食感も味も良く栽培期間内に3回以上も茎葉の収穫が可能な品種です。鉄、カルシウム、β‐カロテン、ビタミンE・Kなどが、ほかの葉菜に比べて豊富で、さらにポリフェノールやルテインも含まれ、栄養分に優れた野菜であることも確認されました。
「いろいろな種類のサツマイモの茎葉を煮出した飲料の味や、食感などを評価してもらったのですが、研究が始まった頃は大半がまずくて、飲んでくれる人が集まらないこともありました。また戦後の食糧難の時代を経験した方は茎葉に良い印象を持っていないので、普及できるかも心配でした」と研究チームの石黒浩二さんは当時を振り返ります。

現在では九州地方を中心に、岡山、千葉、山形の各県でも栽培。茎葉は粉末にしてお茶やもち、パン、パスタなどの製品の原料に利用されています。

また、生の茎葉を販売する店も増えつつあります。炒め物や和えものなどさまざまな料理が楽しめ、葉柄の部分はシャキシャキ、葉は湯がくとモロヘイヤに似た食感。店頭で見かけたら手にとって、栄養たっぷりの新しい葉野菜「すいおう」を試してみてはいかがでしょう。

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
http://konarc.naro.affrc.go.jp/