このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

特集2 食材まるかじり「愛しのハニー」(2)

  • 印刷

はちみつのキホン

はちみつができるまで


はちみつはミツバチと人間の連携プレーで出来上がる魅惑の食べ物。ミツバチ1匹が一生をかけて作るはちみつは、わずかティースプーン1杯です。 はちみつパワーの秘密はミツバチたちのがんばりにありました。
蜜を求めて出発。
1. 蜜を求めて出発。

生まれて20日もすると巣から出て、幼虫のエサとなる花の蜜と花粉を探しに出かけます。移動範囲は基本的には巣から2~3km。蜜源を見つけたら、ストローのような口で蜜を吸い、体内の蜜胃というタンクにいっぱいためて、重いカラダで巣へ戻ってきます。1日に巣と蜜源を何往復もします。

蜜を口移しで仲間へ。
2. 蜜を口移しで仲間へ。

巣に戻ると、待っていた内勤ミツバチに口移しで蜜を渡します。外勤ミツバチは蜜が採れた花の方向や距離を、ダンスで仲間に伝えます。それを知って仲間も飛び立ちます。糖度の高い蜜を運んできたミツバチのほうが先に受け渡しができ、糖度の低い蜜のミツバチは後回しにされます。

水分を飛ばしてはちみつに。
3. 水分を飛ばしてはちみつに。

蜜を受け取った内勤ミツバチが巣房に貯蔵。羽ばたきを利用するなどして、蜜の水分を蒸発させます。2匹のミツバチの体内を通った蜜は、ミツバチの唾液に含まれる分解酵素によって果糖とブドウ糖に転化、「はちみつ」へと変化します。

ふたをする。
4. ふたをする。

蜜の水分が20%ほどになると、ミツバチの腹部の腺から分泌された「ミツロウ」で巣房にふたをし(蜜ぶた)、保存していきます。

蜜ぶたを削る。
5. 蜜ぶたを削る。

ミツバチたちがせっせと働いて作った貴重なはちみつ。それを私たちがいただくために、ここから養蜂家さんが登場。巣箱から巣板を取り出し、蜜ぶたを蜜刀で削り取ります。

はちみつを搾る。
6. はちみつを搾る。

巣板を遠心分離機にかけ、ぐるぐると回してはちみつを搾ります。濾し器にかけてはちみつの完成!

はちみつ
はちみつの栄養
はちみつは自然が与えてくれるサプリメント。ビタミンB群など多くのビタミン類、カルシウム、カリウム、鉄などのミネラル、アミノ酸、クエン酸、ポリフェノールなど、なんと、150種類以上もの栄養成分が含まれています。甘いだけじゃないのです!

はちみつの効能
はちみつは殺菌力、抗菌力にすぐれ、傷ややけどなどの薬として使われてきました。古代エジプト文明などの記録にも、はちみつを薬として使った記録が残っています。保湿力も備わっているので、スキンケアでもパワーを発揮。化粧品や石けんなどにも使われています。

はちみつの調理
パンに塗ったりヨーグルトに混ぜて食べるごく一般的な食べ方以外にも、はちみつは使える食品です。たとえば、煮物を作る時に砂糖の代わりに使えば、コクと風味が増します。そのほか、肉をやわらかくする効果や、魚の臭み消しに使うなど活躍の場はたくさんあります。

はちみつの保存法
100%天然のはちみつであるという前提でいえば、はちみつはきちんと保存すれば基本的に腐らず、長期保存が可能。白く固まってしまうのは、結晶化という現象で、ごく自然なこと。品質が悪くなったわけではありません。元に戻したい場合は、50度以下でゆっくり湯煎しましょう。

東京郊外にあるミツバチと過ごす庭
ミツバチと暮らす。

東京郊外にあるミツバチと過ごす庭。
東京・府中市の静かな住宅街に矢島威さんの自宅はあります。趣味と研究のためにミツバチを飼って60年! 鉢植えの花々が美しい広い庭には白い巣箱がいくつも積まれ、1群あたり5~6万匹のミツバチを20群飼っています。
「春先は庭に寝転がって、ミツバチたちの羽音をきくのが心地いい。ハチたちが働いている姿は可愛いですよ」

採蜜は1年に1回か2回、毎年6月頃に行います。ミツバチたちが近辺の街路樹の花、ガーデニングの花、レンゲなどから集めた蜜を、巣房の中でじっくりと熟成させたはちみつは驚くほど濃厚です。

東京都養蜂組合の組合長も務める矢島さん。大学時代には花粉やミツバチの生態を研究していたこともあり、日本の蜜源植物を調査し、まとめた本の制作にも携わりました。

「ミツバチの研究でノーベル賞をとった人がいますが、それぐらい、ミツバチの世界は深く、おもしろい。まだまだ興味は尽きません」