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農林水産省

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特集2 食材まるかじり「愛しのハニー」(3)

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はちみつのフシギ


ミツバチの生態もフシギなら、彼らが作り出すはちみつにもフシギがいっぱい。知れば知るほど、はちみつの味がいっそう深いものに感じられることでしょう。
はちみつ
ミツバチ
Q.ミツバチは何のためにはちみつを作るの?
ミツバチたちは人間のためにせっせと蜜をとり、運んでいるわけではありません。ミツバチは1匹の女王蜂を中心に、雄蜂が約1,000匹、それ以外はすべて働き蜂(メス)で、約1万5,000~3万匹のコロニー(群れ)を作っています。働き蜂が運んだ花粉や蜜は、巣房に大事に貯蔵され、女王蜂や働き蜂、幼虫たちのエサになります。はちみつはミツバチたちがコロニーを維持するための保存食なのです。

Q.なぜ、ミツバチは同じ花の蜜だけ集められるの?
1種類の花の蜜でできる「単花蜜」。何万匹といるミツバチが、ほかの花に浮気や寄り道をせず、揃って同じ種類の花へ行くのは不思議だと思いませんか? これはミツバチの「訪花の一定性」という性質によるもので、ひとつの蜜源から蜜を採り終えて巣に戻るまでは、ほかの花には行かないのだとか。コロニー全体が同じ蜜源を目指すのは、ダンスで仲間に蜜源を伝達しているため。ただ、中には違う伝達をしてしまうミツバチもいますし、単花蜜といっても100%同じ種類の花とは限りません。

Q.都会でもミツバチが飼えるって本当?
東京・銀座の大都会でミツバチを飼っている「銀座ミツバチプロジェクト」という団体があります。11階建てのビルの屋上でミツバチを飼い、ミツバチの飼育を通じて都市の自然環境を見つめ直そうと活動をスタート。ミツバチたちは皇居や浜離宮、周辺にある街路樹の花々から蜜を集めてきているようです。このように、都会でも半径3kmの範囲に蜜源植物があれば、ミツバチを飼うことができます。

Q.ハネムーンの由来は「はちみつ」って知ってた?
古代ゲルマン民族の間では、新婚のカップルは1カ月間、はちみつで作ったお酒「ミード」を飲んで過ごす風習があり、この期間を「honeymoon」(蜜月)と呼んだことに由来しています。ミードは、はちみつに水を加えただけで自然発酵してできるお酒。さっぱりした味わいで、飲みやすいです。

Q.ホンモノじゃないはちみつがある?
市販のはちみつのラベルを見ると、「純粋はちみつ」「精製はちみつ」「加糖はちみつ」など、さまざまな表記があることに気づきます。「精製」や「加糖」はいわゆるはちみつ加工品。はちみつ本来の甘み、香り、色、栄養は失われています。「純粋はちみつ」はどうでしょう。ここでは「完熟」かそうでないかが重要です。完熟のものは、ミツバチの巣の中で熟成・濃縮したはちみつ。そうでないものは大量生産のため、早々に採蜜し、人工的に加熱処理したものです。はちみつは加熱すると栄養分などが壊され、はちみつ本来のパワーは失なわれます。

ただし、完熟かそうでないかは表示されておらず、見た目で分かるものでもありません。知る手がかりとしては、はちみつの金額。ミツバチが一生に作るはちみつは、わずかティースプーン1杯。本来、はちみつは貴重で高価な食品なのです。

Q.はちみつは太りにくい?
確かに、甘みは強いのに、カロリーは砂糖の4分の3。でも、太りにくいと言われる理由はこれだけじゃありません。はちみつの主成分は果糖とブドウ糖で、これらはどちらも単糖類(砂糖は二糖類)。体内に入れた時にこれ以上分解する必要がない糖類のため、脂肪になる前にすぐにエネルギーに変わってくれます。また、果糖が血糖濃度を高めないよう働くため、体内に脂肪が蓄えられないことも、はちみつが太りにくいとされる理由です。

Q.1歳以下の子どもははちみつ厳禁?
天然のはちみつには、自然界にあるボツリヌス箘が混入していることがあります。これは大人には特に問題のない箘なのですが、腸がまだ発達していない乳児が食べてしまうと、菌が繁殖してしまう可能性もあります。はちみつを食べるのは1歳を過ぎてからにしましょう。。

花粉交配用ミツバチ不足問題への取り組み

日本で飼育されているミツバチには採蜜用として使われる以外に、花粉交配用として使われるミツバチがいます。今春、その花粉交配用のミツバチが不足。農作物の生産に影響があるとして問題になりました。

ミツバチ不足の原因は、さまざまな要因が絡んでいるとされ、農薬によるハチの大量死、ダニの寄生、女王蜂の輸出国で病気が発生したことにより、女王蜂の輸出がストップしてしまったこと、などが考えられています。

花粉交配用のミツバチは、農家が養蜂家から購入またはレンタルし、イチゴやメロンなどのハウス栽培、リンゴやサクランボの果樹の受粉に利用しているものです。今般のミツバチ不足により、ミツバチ価格の上昇や、ミツバチの確保が不十分だったことによる不授精果の発生などがみられました。

こういった状況を受け、農林水産省では4月に「花粉交配用ミツバチの需給調整システム」を導入。ミツバチ不足が深刻な都道府県に対し、余裕がある地区がミツバチを供給するしくみを作りました。また、ミツバチの増殖や延命といった、ミツバチ不足対策にかかるコストの補助、低金利の融資といった支援対策も行っています。