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チャレンジャー 第30回

「森林ノ牧場 那須」

栃木県那須郡那須町

林業と酪農の共存 新しいビジネスモデル「森林酪農」
平均年齢30代のスタッフは13人
平均年齢30代のスタッフは13人。自然の中で放牧されている牛はストレスもなく伸び伸びしている


山の斜面で下草を食む牛たち
山の斜面で下草を食む牛たち


間伐材はきのこ(しいたけ、ひらたけなど)のほだぎに
間伐材はきのこ(しいたけ、ひらたけなど)のほだぎに。またチップ材やまきの原料になる


森林で間伐した桜、松、くぬぎなどの一部を利用して、法面の崩れを防ぐ
森林で間伐した桜、松、くぬぎなどの一部を利用して、法面の崩れを防ぐ。木の裏側にできた空間に、今年の春には鳥が巣を作っていた

森の中に牛を放牧
新幹線の新白河駅から約15分。地図を頼りに車を進めると森林にずんずんと入っていく。

さらに山道を走ると、手入れが行き届いた森の中に、子牛が草を食んでいる姿が見えてきた。

今年7月に那須高原にオープンした「森林ノ牧場 那須」だ。

那須は人気のリゾート地として知られており、また栃木県は、北海道に次ぐ全国2位の生乳生産量を誇るという側面も持つ。一帯には牧場も多い。

ところがこの「森林ノ牧場」は一風変わっている。牛たちが飼われているのは、平坦な牧草地ではなく森の中なのだ。

「私たちの会社は適正な森林管理が行われているか、を審査するFSC森林認証の業務もしています。そうしたなかで放棄された里山の問題や、森林の再生の重要性も感じていました。

また林業と他業種が共存した形態の仕事ができないか、と模索もしていました。そこで酪農を組み合わせたらどうだろう、ということになったのです」と森林ノ牧場を運営するアミタ(株)那須ラボ長

  • 清水豊さんは、「森林酪農」を始めたきっかけを話してくれた。

森林酪農の基本は循環

森林管理では広大な範囲の下草刈に大変な労力を費やす。ところが牛を放つと下草は牛たちがあらかた食べ、人も入りやすくなり間伐も容易にできるようになる。

間伐された森林には光が差し込み、牛のえさとなる草も生えやすくなる。老木からの新たな芽吹きもある。牛たちの排泄物は土の中で分解されて養分となり肥沃土壌の山へと変えていく。さらに乳製品も作り出せるのだ。

現在、那須の8haの森にはジャージー種の親牛11頭、子牛3頭が1年中24時間放牧され、「森林酪農」を実践している。牛を放牧していない隣接する森林と比べると下草もなく、光が差し込み明るい。

「酪農業務は一昨年にアミタが最初に立ち上げた森林ノ牧場 丹後のスタッフが中心となり進めており、地元採用も行っている。森林管理は地元の森林組合の方などにご協力をいただいております。今後は那須での循環のモデルを確立することが大きな目標。自然と人と酪農が共存共栄できる均衡点を探すのも、課題だと思っています。林業も酪農もご苦労なさっている方が多い。ここのモデルが成功して、地域の方にとって良い提案ができたらと考えています」

森林ノ牧場 那須
http://www.shinrinno.jp/contents/farm/nasu.html

那須の地図

ここで絞られる牛乳はブランド牛乳として、またアイスクリームなどに加工して販売されている
ここで絞られる牛乳はブランド牛乳として、またアイスクリームなどに加工して販売されている。牛は自然の草を食べているので、季節により味も変わるとか
間伐したあとの老木からの萌芽
間伐したあとの老木からの萌芽。あちらこちらの切り株で見られる

チャレンジャーズでは、農林水産分野で先進的、かつユニークな活動を行っている人々をご紹介します。

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