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affラボ 「低コレステロールいばらき納豆たまご」

低コレステロールのたまご、秘密は納豆にあり!

affラボでは、暮らしに役立つ農林水産分野の最新研究成果を紹介します。


通常の卵黄に含まれるコレステロール量が20%以上低いたまご 名づけて「低コレステロールいばらき納豆たまご」。
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 茨城県畜産センターと茨城大学農学部が共同研究で開発したたまごです。

低コレステロールいばらき納豆たまご
販売は北関東のスーパーなど


産卵鶏
3%配合の飼料を食べる産卵鶏。ほのかに納豆の香りがある。5%配合での実験も行ったが、3%を超えて与えると産卵数が落ちることがわかった

納豆
納豆メーカーの協力を得て研究は実施された

粉砕された納豆
乾燥し粉砕機で1mmの粉末状になった納豆
茨城の特産品を利用
たまごと納豆を食べるという話ではありません。納豆を食べるのはたまごを生む産卵鶏なのです。

そもそも納豆を鶏に与えるようになったのは、(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所が、茨城県の余剰生産の農産物や、食料を利用して養鶏用の飼料ができないか、と考えたことにありました。また余剰生産物の中でも、機能成分に富む素材を利用したいとも考えていました。

干し芋の製造時に廃棄する皮、レンコンの箱詰めのときに切り落とす端、店頭に並ばなかった納豆など、さまざまな素材をひよこに与えて予備実験を繰り返しました。

その結果、選ばれたのが納豆でした。納豆は茨城県の特産物であることや、生きた納豆菌を含むので、産卵鶏を健康体に保てるのではという目算もありました。

解明されていない納豆とコレステロール量の関係
納豆は60℃で60時間温風乾燥し粉末状にしました。通常のえさだけ、納豆粉末を各1%、2%、3%混ぜた飼料を与えられる4つのグループに鶏が分けられ、13週間にわたる実験が行われました。

それぞれのグループの卵を比べてみると、殻の固さや味、黄味や白身の色にはあまり変化はありませんでした。

ところが成分を調べてみると、3%の配合をしたグループが生んだたまごは、20%以上も卵黄のコレステロールが低いという結果がでました。

「実験のために何千パックもの納豆をいただきました。それをアルミバットにあけて乾燥させるのです。パックからの納豆の取り出し作業はとにかく大変でした。研究所と茨城県畜産センターのスタッフ、茨城大学の先生、学生総出の作業でした」と(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所の阿部啓之さんは当時を振り返ります。

研究所の3階には大型乾燥機があり納豆もそこで乾燥。その間ずっと研究所はあの納豆の香りに包まれていたとか。

「納豆を与えると、コレステロールが下がるというメカニズムはまだ解明されていません」今後はこの解明が課題とのことです。

このたまごはコレステロール摂取が自身のコレステロール値に反映しやすい人には、ありがたい食材となります。また今まで廃棄されていた素材を再利用できることなどの、メリットも期待されます。

(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
http://nilgs.naro.affrc.go.jp/