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農林水産省

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チャレンジャー 第32回

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「農業するギャル ノギャルプロジェクト」

東京都渋谷区

若者が農業に興味をもつキッカケを作りたい
藤田さん
準備するものすら知らない状態だった。いろいろな人に教えてもらい、助けられて始めることができたと藤田さん


「農作業もオシャレして」が信条。草刈りもしっかりメイクして、かわいい長靴とファッションで、がノギャル風
「農作業もオシャレして」が信条。草刈りもしっかりメイクして、かわいい長靴とファッションで、がノギャル風


稲刈り。企画された稲刈りツアーは中学生から20代までが参加。
稲刈り。企画された稲刈りツアーは中学生から20代までが参加。自分が頑張って手をかけて育てた作物の収穫は格別。結果として目に見えるのも魅力


ジーンズメーカーとコラボレーションし、機能的かつおしゃれな作業着もプロデュース
ジーンズメーカーとコラボレーションし、機能的かつおしゃれな作業着もプロデュース

ノギャルの誕生から農業経験など藤田さんの体験、農業に関する思いが詰まった「ギャル農業」
ノギャルの誕生から農業経験など藤田さんの体験、農業に関する思いが詰まった1冊。「ギャル農業」中公新書ラクレ 735円

ノギャルの誕生

「ギャルでもできるではなくて、ギャルだからこそできる」。それを証明したくて、19歳で流行に敏感なギャルの特性を生かした、マーケティング会社を設立した藤田志穂さん。5年前のことだ。当時はギャル社長として、マスコミにも頻繁に取り上げられた。

さてその藤田さんが今年、新しい試みを始めた。「農業するギャル」通称「ノギャルプロジェクト」だ。正直、藤田さんと農業はミスマッチ。なぜ農業?

「農業を考えるようになったのは、食の安全に興味を持ったからです。真剣に考えたのは冷凍餃子の食中毒事件。実家の近くだったので、すごくショックでした」

それ以来、産地表示には特に敏感になった。そんなときにたまたま、いまの農村の後継者不足、増加する耕作放棄地、日本の食料自給率が低下している、という話を聞く機会に恵まれた。

「だったらもっと若い人に農業に関心を持ってもらって、放置されている田畑に作物を植えて、国産をふやせば安心して食べられるし、自給率も上がるじゃない」と単純に考えたのが、そもそもの始まり。


イケてる農業
祖父が新潟の農家だったとはいえ、農業に関してまったく素人だった藤田さん。「ノギャル」を始めるにあたり、農業関連の本を読み、セミナーにも参加。新潟や秋田、千葉などの農家に何度も足を運んだ。現場の見学と現状を知るためだ。

実際の米づくりに選んだのは、秋田県大潟村。藤田さんが拠点とする渋谷のシンボル、「ハチ公」が秋田出身というのがその理由。田の面積は24ha、田植えや稲刈りなど、なるべく多くの人が一緒に農業を体験できるツアー企画も考えていたので、広さが必要だった。

秋田では農家の人に種まき、田植え、除虫のハーブ植え、雑草刈りなど一連の農作業を一から教えてもらった。自分が現地に行けない時には、地元の人に水の管理などの協力を仰いだ。最初はこのプロジェクトに半信半疑だった人も、徐々に理解を示してくれたそうだ。

10月10日と11日には無事稲刈りも終了し、約2300俵を収穫。
「1年間早かった。お米は毎日食べるけれど、収穫できるのは1年に1回だけを実感しました。稲が実って田にバーっとあったのに、稲刈りしたら『は~、一気に無くなった!』って、この瞬間やり切ったという充実感がありました」

今年一年は勉強の年だったという藤田さん。今後は米や野菜づくりのほかに、農産物を利用した製品の新しい可能性を追求していきたいと語る。

「農業を始めたのは、私たちが農業をしているのを見て、若い人たちが食とか農業に興味を持つキッカケが作れればうれしいな、という思いからです。始めてまだ1年目、今までの農業にプラスして、色々な角度から新しいものを作っていきたいと思います」とまっすぐな目で話してくれた藤田さんだった。

チャレンジャーズでは、農林水産分野で先進的、かつユニークな活動を行っている人々をご紹介します。