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特集 野菜をめぐる新しい動き 伝統野菜の実力(5)

伝統野菜を盛り上げる、こんな取り組みをしています!


食育
寺島小学校での食育風景 寺島小学校での食育風景
寺島小学校での食育風景
地元のなすは美味しいね。
東京都墨田区立第一寺島小学校

 同校がある東向島のエリアは、江戸時代には野菜の生産地として有名で、なかでもなすは、「寺島なす」と呼ばれ特産品であった。大正時代以降作られなくなっていた寺島なす。同校では食育活動として、寺島なすを地域に復活させるべく栽培をはじめた。下級生は観察、上級生は栽培や管理と、学年のレベルにあわせ、全校をあげて取り組んでいる。収穫したなすは給食で使用。なすが苦手な子も、自分で育てたから「美味しい!」。



競技大会の様子 競技大会の様子
競技大会の様子
大根を引っこ抜くのって大変。
東京都練馬区

 長さ約1m、中太りの形で引き抜くのが大変な練馬大根。昭和30年代以降ほとんど生産されなくなっていたこの大根を復活させようと、練馬区とJA東京あおばが企画した「練馬大根引っこ抜き競技大会」。昨年末に行われた第3回大会では、過去最高の401名がエントリー。制限時間内に引き抜いた本数などを競った。収穫した大根は4,000本で、うち3,000本は区内の小中学校の給食で使用される。子どもも大人も、楽しいイベントを通して農業体験ができる。


水前寺もやし
水前寺もやし
水前寺もやしの収穫風景
水前寺もやしの収穫風景
ひご野菜は僕たちが守る!
熊本県立熊本農業高校

 熊本農業高校では、熊本で江戸時代から作られてきた「ひご野菜」の種苗や農法を継承していく取り組みとして、地元農家と協力しながら、野菜の研究、栽培、販売、食の交流会といった活動を行っている。その姿勢が評価され、2009年度、「地域に根ざした食育」の全国コンクールで、同校が農林水産大臣賞に輝いた。ひご野菜のひとつである「水前寺もやし」は、栽培農家が一戸となってしまったことから生徒たちが立ち上がり、収穫を手伝うようになった。

外食産業
千住ねぎの一本焼
千住ねぎを丸ごと1本使った「千住ねぎの一本焼」
人と地球の健康を考えたら伝統野菜でした。
江戸野菜居酒屋・江ど間

 JR五反田駅から徒歩3分のところにある、江戸東京野菜を使ったヘルシーな料理が自慢の居酒屋。東京産の野菜を使った料理は、人の健康にいいのはもちろん、地産地消が実現できるため環境にもやさしい。店のメニューは江戸東京野菜を使ったおでんや鉄板焼きが中心。「強い味をつけずに、野菜本来の味を楽しめるようにしている」と店主の宮城さん。外食産業のこういった取り組みは、各地の伝統野菜の普及に貢献している。

町おこし
江戸東京野菜が食べられる店の目印
江戸東京野菜が食べられる店の目印
江戸東京野菜で町おこし大作戦!
東京都小金井市

 東京の郊外にある小金井市には、「江戸東京たてもの園」と東京農工大学の繊維の博物館があり、江戸の「衣」と「住」に触れることができる。ここに「食」を加え、江戸の「衣食住」が体験できる町として盛り上げていこうと、江戸の伝統野菜を使った取り組みが行われている。具体的には、亀戸大根や金町コカブなど、生産が少なくなっている伝統野菜を市内の農家に栽培してもらい、それを市内飲食店で食べられるようにする。伝統野菜にまつわるさまざまな催しも開催。伝統野菜が市内の農業の活性化や、市外からも人を呼べる町づくりに一役買っている。

加工品
八事五寸にんじん
八事五寸にんじん
商店街がプロデュースした商品
商店街がプロデュースした商品
八事五寸にんじんの甘みを活かして。
愛知県名古屋市・八事商店街

 名古屋市天白区・昭和区で大正時代より作られていた「八事五寸にんじん」。作付面積は減少しているものの、現在も市内で生産されている「あいちの伝統野菜」。甘みが強く、柔らかくて早く煮えるのが特徴だ。地元の八事商店街では、町おこしの一環として、このにんじんを使ったドレッシングやスープをプロデュース。すりおろしたニンジンを使ったドレッシングは粒感とにんじん本来の甘みが味わえるのがウリ。にんじん嫌いの人にも食べやすいと評判とか。着色料や保存料は不使用。


尼いもで作った芋焼酎
尼いもで作った芋焼酎
復活した尼いも
復活した尼いも
復活した尼いもで新しい名産品を
兵庫県尼崎市

 江戸時代から昭和初期まで兵庫県尼崎市の特産品だった「尼いも」を復活させようと、市が2005年度からはじめた「尼いも復活プロジェクト」。尼いもは普通のサツマイモよりも小さく、甘みが強いのが特徴。農地の減少や台風による水害で栽培は年々減少し、昭和30年代には栽培が途絶えてしまっていたが、現在は同プロジェクトをもとに市内農家で栽培をはじめ、年々収穫量を増やし、一昨年には、収穫した芋で焼酎を作り商品化している。その名も「尼の雫」。地元の新しい名産品として注目されている。

発芽
種から伝統野菜の輪を広げる。
埼玉県飯能市・野口のタネ

 伝統野菜は自分で育てることもできる。特別難しいことはなく、畑でもプランターでも作れてしまう。そこで少し種の話を。伝統野菜は「固定種」と呼ばれる種になる。スーパーなどで売られている野菜は、「F1種」と呼ばれるもので、系統の異なる親同士を交配してできた雑種第1代。種は自家採取せず、毎年新しい種を買う必要があるが、形や大きさの揃いがいい、成長が早いなどの理由から、大量生産を必要とする農家にとって都合がいい。その対局にあるのが固定種で、長い年月をかけ、その土地の気候風土に適応した野菜から種採りを繰り返し、形や色、味を固定化していったものである。「野口のタネ」は、固定種に特化した全国的にも珍しい種屋さん。野菜の種類も豊富で、オンラインショップで購入できる。
http://noguchiseed.com


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