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MAFF TOPICS(4)

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affラボ 東北地域栽培用の注目の新品種「すずさやか」

大豆特有の青臭みを低減

affラボでは、暮らしに役立つ農林水産分野の最新研究成果を紹介します。


食料自給率の向上を望める転作用の作物として注目されている大豆。また昨今の健康ブームでは、大豆製品は身体に良い健康食品として人気を集めています。しかし大豆には独特の青臭みがあり、新たな大豆加工食品を作りだす上で枷となっていました。「すずさやか」は、その青臭みを低減させた注目の新品種です。

秋田県美郷町で栽培されている「すずさやか」
秋田県美郷町で栽培されている「すずさやか」

すずさやかの大豆100%で作られた豆腐
すずさやかの大豆100%で作られた豆腐

豆乳は青臭みやくせがなく飲みやすい
豆乳は青臭みやくせがなく飲みやすい

すずさやかを粉末にして練りこんだ麺。もちもちした食感
すずさやかを粉末にして練りこんだ麺。もちもちした食感

小麦粉を使わず、すずさやかの大豆粉で作ったパウンドケーキ
小麦粉を使わず、すずさやかの大豆粉で作ったパウンドケーキ
特色ある大豆の品種を
転作の農作物として、大豆を栽培する農家は増えています。

東北地方も例外ではなく、生産農家からは既存の大豆とは異なる特色を持つ品種を作ってほしい、という要望が高まっていました。

そこで新品種として、東北農業研究センターにより開発されたのが、東北地域での栽培に向く「すずさやか」です。この品種の特徴は大豆特有の青臭みが大幅に軽減されていることにあります。

青臭みを生じさせる原因は、不飽和脂肪酸を酸化させるリポキシゲナーゼという酵素の働きによるもの。リポキシゲナーゼは加熱処理をすると青臭みの発生を抑えられるため、大豆を蒸し煮する、煎るといった調理作業を経れば問題はありません。しかし、豆腐や豆乳の製造は生の大豆を粉砕してから、加工に取り掛かります。この粉砕時にリポキシゲナーゼが作用して青臭みを発生させるのです。

リポキシゲナーゼにはL‐1、L‐2、L‐3の3種類があります。これらを持たない品種(リポ全欠品種)であれば、青臭みのない大豆ができると考えられ、研究開発の取り組みが始まったのです。

さらなる改良を重ねて
この研究で最初にリポ全欠品種の開発に成功したのは、九州沖縄農業研究センターの「エルスター」と「いちひめ」でした。しかし「エルスター」は成熟期が遅いため、東北地域での栽培には向きません。「いちひめ」は東北地域での栽培も可能ですが、さらに改良を重ねて「いちひめ」と比べ、栽培しやすく収量が多い、粒が大きいという特徴を持った「すずさやか」が開発されました。

「すずさやかの開発には13年を費やしました。この間に苦労したことと言えば、リポ欠大豆の選抜のため、シャレではなく手に豆を作りながら、一粒ずつカッターで削って、青臭みのもとになる物質を抽出し、その有無を分析したことです。今後は成熟期が早く、倒れにくく栽培しやすい品種の開発をさらに進めていく予定です」(同センター大豆育種研究東北サブチーム菊池彰夫さん)

青臭みが低減された「すずさやか」を使った製品は、豆乳、豆腐を始めとして、大豆粉を用いた麺、パン、ケーキなどがあり商品化されています。

飲みやすい、健康にも良くおいしいなど、いずれも消費者には評判がよいとか。

デザートなど新たな大豆加工食品の出現が楽しみです。