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MAFF TOPICS(3)

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affラボ 木質系廃棄物を利用した軽量な屋上緑化法の開発

屋上緑化で都市に涼しさを


毎日暑い日が続いています。この暑さを少しでも和らげるため、ビルの屋上緑化が注目されています。
(独)森林総合研究所は、木質系廃棄物から製造した保水資材とマット植物を組み合わせた軽量な屋上緑化法を開発しました。。

ウナギ完全養殖の流れ

屋上の気温は、緑化を行っていない場合は昼ごろから著しく上昇する。一方、緑化を行っている場合は、終日安定した気温を保つ
軽量な木質ボードを利用
近年都市部では、都市化の進展からヒートアイランド現象が深刻な問題となっています。都会はビルやコンクリートの建物が立ち並び、地面はアスファルトに覆われているので、昼間の熱が夜になっても籠ったままになるのも一因と考えられています。こうした現象を緩和するエコロジーな方法として注目されているのが屋上緑化です。屋上に植物を植えると、断熱効果や水が蒸発することによる温度の低減効果が望めます。

しかし、建築基準法では屋根の荷重制限の規定があり、軽量な屋上緑化が求められていました。そこで開発されたのが、端材や廃材などの木質系廃棄物を利用して作られた軽量な木質ボードの保水資材です。木質ボードの製造過程で微量の界面活性剤を加えることにより、保水力を向上させました。この保水資材を屋上緑化の水もちを良くするために使用し、芝生のように育てたマット植物をボードの上に設置します。マット植物自体は薄い土厚で保水力は劣りますが、木質ボードに含まれた水分を吸収することで、順調に生育することができるようになります。

頻繁な水やりも不要
屋上などに植物を植える従来の薄型の土台では、必要量の水を保持できないため頻繁に水やりをしなくてはなりませんでした。開発された木質ボードを使うと水やりの間隔も長くなります。またボードは横方向に水が浸透しやすいので、均等に植物に行き渡ります。

「植物を観察する期間が季節に依存するので、それに合わせた実験計画を組むのに苦労しました」(独立行政法人森林総合研究所 複合材料研究領域 高麗秀昭さん)

この研究成果が最初に採用されたのは千葉県立市原八幡高校の屋上、約400m²でした。この場合はマット植物を利用せず、4cm程度の軽量土壌を敷き、直接、植物を植えました。実際に校舎4階の教室の気温が、真夏に2~3℃低下する効果が得られたそうです。現在は保水資材とスプリンクラーを併用することで、屋上緑化は順調に進んでいます。

三重県の企業、赤塚植物園の本社屋上400m²も、今回開発された方法を採用し緑化を実践中です。

この研究は農林水産省の「先端技術を活用した農林水産研究高度化事業」により実施されました。

ヒートアイランド現象の緩和とともに、心も癒される緑のオアシスが今後も増えればいいですね。

写真提供:(独)森林総合研究所 千葉県立市原八幡高校

(独)森林総合研究所 http://www.ffpri.affrc.go.jp/index-j.html

開発した木質系ボードの保水資材を使った屋上緑化の例