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農林水産省

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特集 ITで拓く農の未来(3)

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搾乳ロボットシステムで牛の状態を把握

データに基づく飼育管理で良質な生乳を生産


埼玉県上尾市にある榎本牧場は、牧場体験なども行ってきた酪農教育ファーム。
3代目の若き酪農家が最新型搾乳ロボットを導入しました。

埼玉県上尾市にある榎本牧場


榎本牧場の3代目・榎本貴さん

榎本牧場の3代目・榎本貴さん

榎本牧場は荒川のほとりにあり、牧草も自給している

荒川のほとりにある榎本牧場。牧草も自給している
牛の個別管理が可能に
3代目の榎本貴さんは老朽化した牛舎の建て替えを機に、平成21年3月、搾乳ロボットの導入に踏み切りました。

牛たちは牛舎の中で寝そべったり餌を食べたりして、好き勝手に動き回っています。それぞれの牛の首には、あらかじめ個体番号が登録されたトランスポンダ(中継機)が付けられ、それによってセンサーで個体が識別されます。

配合飼料を食べに行こうとした牛のうち、前回の搾乳から時間が経ち、搾乳が必要な牛だけが自動搾乳機へ振り分けられる仕組みで、搾乳するか、まだその必要がないかはセンサーの付いたゲートで選別されます。

搾乳ロボットに入った牛は、乳頭の洗浄から搾乳まで全自動で行われます。搾乳された生乳の体細胞数や電気伝導度といった専門的な数値測定も瞬時に行われ、出荷に適さない生乳は自動的に分離され、良質の生乳だけがバルククーラーに送られます。

また、配合飼料の給餌も自動化されています。給餌機に近づいた牛は、同じくトランスポンダによって個体が識別され、その牛に必要な量の配合飼料が給餌される仕組みです。

これらのシステムの導入によって、搾乳・給餌作業時間が減少し、かなり省力化されたといいます。

見せる酪農を目指して
搾乳や給餌の際に得られたデータはすべてパソコンに蓄積され、個体ごとの搾乳量や生乳の品質、食べた餌の量などを一頭ごとに把握できます。これらのデータは日頃の飼育管理に活かされ、乳房炎などの疾病のチェックや牛の状態に合わせた管理ができ、導入前より安定した品質の生乳を出荷できるようにもなりました。導入に反対していた2代目や獣医師の叔父も今ではその成果を認めているそうです。

こうした仕組みは飼育牛の管理分析だけでなく、動物医療分野でも活用されることが期待されます。

また、斬新な搾乳ロボットを身近に見ることができるとあって、榎本牧場にはたくさんの子どもたちが見学に訪れるようになりました。「これからの酪農形態のひとつとして、見せる牧場にしたかった」という榎本さんの思いが、実現されています。


ロボット搾乳システムの仕組み

ロボット搾乳システムの写真

センサーが4つの乳頭の位置を探知し、洗浄してから搾乳機をひとつずつ取りつけていく
  TMR給餌機
  榎本さんが設置した黄色いブラシは牛たちの孫の手

搾乳される牛は定位置に着くと、センサーが4つの乳頭の位置を探知し、洗浄してから搾乳機をひとつずつ取りつけていく
 
TMR給餌機
 
かゆいところがあるの? 牛たちが体をこすりつけられるよう、榎本さんが設置した黄色いブラシ。いわば牛たちの孫の手

搾乳ロボットの導入によって乳量や乳質の管理が徹底されるように
  搾乳ロボットの導入によって乳量や乳質の管理が徹底されるように
  搾乳ロボットの導入によって乳量や乳質の管理が徹底されるように
搾乳ロボットの導入によって乳量や乳質の管理が徹底されるようになったという

牛の首に付けられたトランスポンダから発信されるデータがパソコンに蓄積される